今回は、自身の経験から雪山登山での「テンションの上がる瞬間」と「心が折れる瞬間」をそれぞれ5つずつご紹介します。
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【登山歴6年】雪山で「心が折れる瞬間」&「テンション上がる瞬間」
心が折れそうな瞬間
雨が降り出した時
雪山登山で最も困る現象のひとつとして、「雨」があります。
1~3月頃の標高の高い山であれば雨が降ることは殆どありませんが、初冬や春先などでは雨が降る場合があります。
(1,000m級の低山では真冬でも雨の可能性があります)
雪山で着用しているハードシェルは、雪や風には非常に高い耐性がありますが、雨には弱いのが特徴です。
特に考えられるのが、標高の低いところは雨で、標高を上げるにつれて雨から雪に変わる」という現象です。
濡れた身体で稜線に上がると、雨が染み込んでくると非常に不愉快なだけではなく、低体温症を誘発する危険があります。
雨により濡れた衣類を、冬山という低温下で乾かすのは容易なことではなく、テントや避難小屋の中でしっかりと乾かすことは出来ない場合が殆どです。
また、衣類の問題以外にも、雨のあとは雪崩の危険性が高まる為、こちらに関しても十分に警戒しなければいけません。
季節の変わり目などは、起こりやすいので注意しましょう。
雪が腐っている時
「雪が腐っている」というのは、気温の上昇や雨により、雪が溶けてきて、踏み抜きが多くなったりと、非常に歩きにくい状態の事をいいます。
経験のある方であれば、お分かりだと思いますが、「踏み抜き」を連発すると、「非常~にイライラします。」
気力・体力も消耗しますし、何より時間を消費してしまいます。
また、この場合、雪が水分を多く含んでいる事が多く、上の写真の様に、アイゼンやワカンに雪が大量にへばりついてしまい、これもまた歩きにくい状態となります。
叩き落としても、2~3歩歩けば、また直ぐに元通りになってしまうので、キリがありません。
鬼ラッセルだった時
「ラッセル」とは誰も歩いていない雪原を雪を掻き分けながら進んでいく行為だり、雪山登山の醍醐味の一つでもあります。
冬季においても週末の人気の山であれば、登山者で賑わっている事もおおく、「ラッセル」の機会はそんなに多いわけではありません。
ですので、心のどこかで「"ラッセル"をしてみたい」と思っている登山者も多いことと思います。(私もそうです。)
しかし、このラッセルですが楽しいかどうかは程度によります。
▼ラッセルの目安
- 足首:余裕
- 膝下:楽しい
- 膝上:ちょっとキツイ
- 腰:過酷
- 胸:地獄
腰ラッセルで、入山者が自分達のみの場合、時間切れによる「敗退」が濃厚となります。
胸ラッセル(即ち:バンザイラッセル)はもう無理です。ある程度楽しんだら、安全に下山することを優先したほうが賢明です。
ノートレースの雪原を見ると最初は「やったぜ、自分達だけだ」とテンションが上がりますが、ラッセルが膝上となってくると、「後続、誰か来ないかな」と期待し始めてしまいます。
こんな時に限って誰も来ないか、山頂間近で他の登山者に追い抜かれるんですよね、、、。
偽ピークが3回くらい続いた時
「偽ピーク」とは見えているピークが山頂だと思って、その場所に到達したら、実際はただの小ピークで山頂ではなかった事を指します。
雪山ではこれが良く起こりますが、連続すると精神的に辛いものがあります。
1回遭遇:「くそー、まだかぁ」
2回遭遇:「まじかー、まだかよ」
3回遭遇:「、、、(絶望)」
冬山あるあるなので、結構遭遇率高い話です。
悪天候に捕まった時
「悪天候に捕まった時」これが一番真剣にやばいです。
「頂上はガスで下山後晴れ」はまだ可愛いものですが、稜線上などで悪天候に捕まると生命に関わる問題なので、テンションダウンなんて言っている暇はありません。
実際には悪天候に捕まらない様に、事前に「天気予報」や「荒天の兆し」などから事前の回避行動をとって「撤退」をする事が殆どですが、仕方が無いとはいえ、やはり撤退の時は悔しさが残ります。
テンションが上がる瞬間
モルゲンロートの瞬間
「モルゲンロート」とは山の斜面が朝日に照らされてり赤く染まった状態のことを指します。
夏においてもモルゲンロートは素晴らしいものがありますが、雪を纏って白くなった山が赤く燃え上がる様は、息を呑む美しさがあります。
また、冬山という超低温化においては、夜明け前から行動していると、身体が芯から冷えてしまう為、
意図的に夜間行動をしていたとしても、太陽が登って気温が上がり、冷え切った手や足の指に血が流れていく感覚を感じる時、否応なしにテンションが上がります。
ノートレースだった時
先程「ラッセルは辛い」と触れましたが、辛いラッセルを乗り越えて目標とする頂きに立ち、自分が付けた1本のトレースを見た時、大きな達成感があります。
まさに「気持ちがいい」といった表現が正しいでしょうか。
山をやらない人からしたら「お前、何言っていんだ」と思われるな内容ですね
勿論、ラッセルの末に時間切れなどで敗退となれば、悔しいですが、自分達だけの力で挑んでその上での敗退は、一定の満足感があります。
雪のコンディションが良い時
雪山の山行記録で「雪のコンディションが....」という記載を見たことはありますでしょうか?
雪山では、雪の状態により歩行スピードに影響が出たり、最悪の場合は行動不能となることもあります。
▼雪の状態は千差万別
- 固くしまっている
- グズグズに腐っている
- 固く氷ついている
- 降雪直後で不安定な状態にある
最も良いのは一番上の「固くしまっている」という状態です。
アイゼンの刃がよく効き、雪に足が沈むという事がないので、非常に歩きやすい状態となります。
こういう日は、天候さえ安定すれば登頂できる可能性が高くなるので、自ずとテンションは上がって行きます。
青空が広がっている時
見の危険がないのであれば、雪が吹き荒れているのも雪山らしくて良いのですが、やっぱり晴れている方が楽しいですよね。
冬のピンと張り詰めた空気は青空がより一層際立って見えます。
「快晴+低温+微風」の三拍子揃った日は、当に絶好の登山日和。
こんな日に巡り会えるのはワンシーズンに1回あるかどうかといったところです。
下山時にモフモフできる時
夏は基本的に決められた登山道を歩くことがセオリーとなりますが、雪の降り積もった冬山ではどこを歩いてもOK。
そして、雪山では新雪の上をもふもふしながら降りていけば、膝への負担を少なくしながら、高速で斜面を下る事ができます。
※他の登山者に迷惑を掛けないように良識の行動が求められます。また既存のトレースを外れて下降する際は、斜面の状況や雪質に十分に配慮し、事故のないように注意しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、雪山でテンションが上がる瞬間と、逆に下がる瞬間をご紹介させていただきました。
テンションが上がろうとも下がろうとも、一定以上の危険が含まれた世界であることには変わりはありません。
安全を第一に、雪山登山を楽しみましょう。
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