2020年の2月は赤岳〜横岳〜硫黄岳と「南八ヶ岳」を縦走して来ました。
これは過去の山行記録となります。
厳冬期 南八ヶ岳 縦走「赤岳〜横岳〜硫黄岳」/ 2020年2月23日〜24日
ルート
2022年2月23日〜24日
1日目:赤岳山荘〜南沢〜行者小屋
2日目:行者小屋〜文三郎尾根〜赤岳〜横岳〜硫黄岳〜赤岳鉱泉〜行者小屋〜南沢〜赤岳山荘
アクセス
美濃戸口から美濃戸(赤岳山荘)までの道は、一般道ではなく整備が行き届いていない林道となります。
冬季期間中は「積雪+凍結」という非常に厳しい路面状況となります。
▼推奨されている車両
- 車高の高い四輪駆動車(車高が低いと擦る場合がある)
- スタッドレスタイヤは必須
- タイヤチェーンも併せて携行し必要に応じて装着すること
天気
1日目:ガス
2日目:快晴!
登山道の積雪状況・危険個所
■美濃戸口〜美濃戸(赤岳山荘)
- 林道は積雪&凍結の為、四輪駆動+スタッドレスタイヤ+タイヤチェーンが必須。
■美濃戸〜南沢〜行者小屋
- 危険箇所は無いが、一部凍結している所もあるので、スリップに注意。
■行者小屋〜赤岳〜横岳〜硫黄岳〜赤岳鉱泉
- 文三郎尾根分岐は強風が吹き荒れているので、暴風対策は万全に行うこと。
- 赤岳直下はアイスバーンと化しており、スリップに注意するとともに突風が吹くこともあるので、厳重に警戒すこと。
- 地蔵の頭から横岳の間にはトラバースが頻発するので、スリップに注意。
- 硫黄岳付近は悪天候時はホワイトアウトの危険性があるので、天候判断は慎重に行い、緊急時はケルンを目印とすること。
※これらの季節はルートの状況が刻一刻と変化するので、最新の情報に注意して下さい。
山行記録
1日目:美濃戸〜南沢〜行者小屋
【6時30分】赤岳山荘を出発して、南沢から行者小屋を目指します。
流石は八ヶ岳、樹林帯の中でも寒いです。芯から冷える感じです。
今日は曇り空です。南沢はいつ歩いても長い。気持ち的には新穂高から白出沢までの右俣林道よりも長いです。特に危険箇所もないのでのんびり行きましょう。
【09時00分】行者小屋に到着です。
既にテントが多数張られています。
ここを整治してテントを設営します。
設営完了〜。
冬のテント泊といえば、まずは水作りから。水場があるようですが、取りに行くのが面倒なので....。
アプローチの日は、食事が一番の楽しみ。
冷えた身体にラーメンが染みる〜
ただのインスタントラーメンが通常の3倍美味しく感じる!のは登山者の特権。
夕方になってガスが晴れてきました。それではお休みなさい。
2日目:行者小屋〜文三郎尾根〜赤岳〜横岳〜硫黄岳〜赤岳鉱泉〜行者小屋〜赤岳山荘
おはようございます。
水は昨日の内に作っておいたので、今朝は缶詰を温める所から始まります。
朝食もラーメン。連続で昨日ほどの感動はありません。
ちょっと早く起きすぎたので、時間調整。炙ったカレーパンが美味しかった。
【4時40分】出発します。皆さん、続々と出発していきます。
文三郎尾根から赤岳を目指します。
この日も寒いですが「八ヶ岳はこのくらいだよね〜」という程度の寒さでした。
数年前に、日の出前の行者小屋でマイナス24度を記録した時があり、その時は流石にメチャクチャ寒かったです。動いてないと体温が一気に持っていかれそうでした。
トレースも明瞭で歩きやすいです。急いで登ると汗をかいてしまうので、一定のペースで昇っていきます。
【5時53分】東の空から日が昇ってきました。太陽の安心感は大きいです。ただ、日の出をどこで迎えるかでコースタイムの遅れが浮き彫りになるので、「嬉しいか」「焦るのか」はその時次第です。
今日は「嬉しい」の方です。
文三郎尾根分岐の看板が見えてきました。
中岳〜阿弥陀岳
あっち方向はまだ1回も行っていません。
日が昇ってきました。
【6時13分】文三郎尾根分岐。ここはいつも爆風が吹き荒れています。
さて、赤岳に向かいます。
足元はご覧の通り、見事にアイスバーンと化しているので、アイゼンをしっかりと効かせて登ります。
少しずつ斜度が増していきますが、落ち着いて登れば技術的な難易度はそれほど高くありません。
【6時27分】モルゲンロートが美し過ぎます。
赤岳直下は突如突風が吹き抜けることがあるので、十分に注意して下さい。
一瞬やばい瞬間がありました。
そちらに関しはこちらの記事で紹介しています。
【6時55分】赤岳に到着です。
風も強いので、ひとまず直ぐ側の赤岳頂上山荘(冬季閉館)に向かいます。
この角度から見ると硫黄岳までは直ぐそこの様に見えますが、そこそこ距離があります。
超快晴で最高!
【7時49分】「地蔵の頭」まで降りて来ました。横岳へと向かいます。
横岳へと向かいます。
この辺りはトレースも明瞭で雪質も安定していました。
東側の斜面は陽が当たって温かくなって来ました。
時折、強風が吹き荒れます。
ちょっと息が上がるポイント
と同時に足を滑らしたらヤバいポイントです。
眼前の岩峰から西側の斜面へと入ります。
西側の斜面はまだ陽が当たっておらずガチガチに凍り付いているので注意して進みます。
この斜面を登れば「横岳」....
と思ったら、まだ先でした。「地味に許あるな」
あそこか、やっと見えました。
【9時25分】「横岳」に到着です。
富士山も綺麗に見えていました。なぜか富士山が見えるとテンションが上がってしまう。
硫黄岳は直ぐそこに見えています。
斜度はなだらかになっていきます。
【10時07分】「硫黄岳山荘」を通過します。
「硫黄岳」付近は広く緩やかな斜面が続いていますので、ホワイトアウトには十分に注意しなければいけません。随所にケルンが設置されているので、視界不良の際は落ち着いて行動するようにしましょう。
「爆裂火口」結構迫力があります。
【10時44分】「硫黄岳」に到着です。
「ここまで来ればもう安心」かと言うと、"否"
まだ硫黄岳直下が油断できないので、気を抜くのはまだ早いです。
歩いてきた縦走路を振り返ります。
さて、降りますか。
八ヶ岳ブルー
綺麗すぎる
のんびり降ります。赤岳鉱泉小屋から行者小屋まで地味に長い道を戻ります。
【15時33分】行者小屋のテントを撤収して下山を開始します。
【17時00分】赤岳山荘に到着。見て下さい、このスケートリンク。稜線よりもある意味危ないです。アイゼンを外すタイミングは誤らないようにしましょう。
まとめ&感想
2020年の2月と言えば、新型コロナウィルスが大流行する直前でした。まだこの頃は山の中も多くの登山者で賑わっていましたね。
別にコロナを配慮して今まで山行記録アップしなかった訳ではありませんが、気がつけば2年が経過していました。
さて、厳冬期の南八ヶ岳縦走ですが、週末の快晴の日ともなれば登山者も多く、常に前後に人がいるという状況でした。
そうなるとトレースは明瞭で道に迷うと言うこともなく、技術的難易度は然程高くはない印象です。
しかし、それは一定以上のアイゼン・ピッケルワークを有していることが前提となりますので、ご注意下さい。
また、南八ヶ岳は強風が吹くことで有名ですので、突風により転倒・滑落を起こさないようにも注意しなければいけません。
この記事を執筆している今はもう12月。
今年の雪山シーズンが始まりました。事故のない様に安全第一で雪山登山を楽しんでいきたいと思います。