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雪山で遭遇したヤバい連中「厳選4種」

西穂西尾根

冬の時期は登山者が少なるなりますが、それでも一定数は「この人ヤバイっ」という一風変わった登山者に遭遇する事もあります。

今回は、頻繁に目撃するヤバい人のパターンを4つご紹介していきます。

雪山で遭遇したヤバい連中「厳選4種」

ラッセル泥棒+α

厳冬期 奥穂高岳(涸沢岳西尾根)2022年1月

ラッセルとは、新雪が降りトレース(踏み跡)のない状態で雪を掻き分けて進んでいくことであり、ラッセル泥棒とは、先行してラッセルしている登山者に追いつきながらも、付かず離れずを繰り返して、ただ単に後ろをついて行く登山者のことを言います。

他人のラッセルを利用する事自体が悪いことではありません。「トレースがあるから前に追いつけたけれど、交代して先頭に立っても直ぐに力尽きて邪魔になるだけなので、静かに後ろを歩かせて頂いている」という人も多いかもしれません。このような場合は、休憩時などにラッセルしている登山者に一言労いの言葉を伝えればそれで問題はありません。

 

問題となるのは、ルートの選定は勿論、撤退の是非を含めて凡ゆる判断を他の登山者に委ねている人がいるという事です。

 

▼実際に何度か遭遇した事例がこちら

1,000m級の低山に寒波が襲来し、荒れ模様の天気の中、ラッセルをしながら山頂を目指していました。

すると後ろから登山者が追いつき、つかず離れずで後ろを歩いていました。

休憩していると「天気悪いですけど、上(山頂)行かれますか?」と質問をされました。「状況を見て判断します」と答えましたが、その後も同じような質問を何度かされました。

私が途中で少し長め休憩をしていると、別の登山者が追いこして行き先頭をラッセルしていくと、今度のその登山者に"付かず離れず"で「天気悪いですけど、上(山頂)行かれますか?」と同じ質問をしていました.....

 

ラッセル自体は雪山登山の魅力なので、他人がそれを利用していても、特に気にならず、逆に誇らしいくらいなのです。

しかし、悪天候時の撤退の判断まで他人に委ねるというのはいかがなものでしょうか?

 

「自分で撤退の判断が出来ない」という時点で力量不足で下山すべきと言えるでしょう。

 

私自身は何度も登って地形を把握しており、装備を整え撤退の判断基準も明確に決めているので、悪天候でも前に進んでいますが、力量が伴っていない状態で見ず知らずの人に同伴するというのは非常に危険な行為です。

 

 

 

悪天候に突っ込む外国人登山者

武奈ヶ岳 ラッセル

北アルプスなどの標高の高い山で偶に見かけるのが、「明らかな悪天候に突っ込んでいく外国人登山者」です。

 

▼厳冬期の涸沢岳西尾根での話

その時は、1月の3連休で厳冬期でもありながら多くの登山者が入山していました。しかし、最終日の3日目には警報級の荒天が発表されており、同ルートに入山中の全ての登山者が午前中には安全圏へ降りるべく下山を開始していました。

私達ももうすぐ尾根を降り切るという頃、下から登っていくる登山者の姿が目に入りました。

明日から天気が荒れますが、大丈夫ですか?」と声をかけましたが、困ったような表情を浮かべただけで特に返事もなく上に登っていってしまいました。

その後、他の登山者と話をしたところ、どうも外国人で色々な人が声をかけたが言葉が通じずなかったようです。

言葉の壁のある外国人は天気予報などを正しく理解できないのか、はたまた日本の山を勘違いしているのか、、、理由は定かではありません。

 

これは決して外国籍の人に限った話ではありません。近年はGPSなどの位置情報を正確に把握できる機器の普及により、「悪天候時の特別なナビゲーションスキル」を保有していなくても行動可能となり、悪天候時に山に入る人が増えています。

勿論、「登山者のスキル」と「地形などをどの程度把握しているか」などの総合力により、対応できる幅は異なるので闇雲に悪天時に入山する登山者を否定することは出来ません。かく言う私も地形を把握しているルートであれば荒天時も入山することもあります。

 

しかし、そのような人達を真似たり、トレースがあるからと安易な考えで荒天時に山に入ることは絶対にしてはいけません。

 

 

 

勘違いスキーヤー

厳しくも美しい雪山を滑り抜けていく人達を見たことがあると思います。

彼らが行っているのは「山スキー」「バックカントリースキー」と呼ばれるもので、登山の基礎を十分に身につけた上で、更にその先にあるカテゴリーです。

 

しかし、近年問題になりつつあるのは、スキー場を滑っている一般のスキーヤーがゲレンデを外れて場外を滑り、遭難事故を起こすというケース。

一般のスキー場を楽しむ為に来ているのだから、アイゼンやピッケル、シールといった登り返しに必要な装備は勿論、ツェルトやGPSなどのエマージェンシー用品も持ち合わせていないでしょう。

そうなると道迷いや滑落などの事故を起こした際に、全く対応ができなくなり、即「遭難」へと繋がってしまう。

 

「山スキー」と「一般のゲレンデスキー」では、そもそものカテゴリーが異なるので、くれぐれも混同してはいけません。

 

そもそもこの手の人達を同じ登山者として括ってしまうのは問題があります。

 

 

装備不十分な人達

西穂西尾根

雪山に登るとなるとフィールドにもよりますが、しっかりとした専門の雪山装備が必須となります。

 

▼ありえない登山者

残雪期の北アルプスにスニーカーで登る勘違い野郎は論外として、

  • 残雪期の北アルプスに、ローカット+チェーンスパイクで、足がビショビショになっている登山者
  • 初頭の北アルプスで、ストック+ノーアイゼンで下山が出来なくなっている登山者
  • 急斜面の登りやトラバースなどで、アイゼンは履いているが、ストックのみで登っている登山者

などの命の危険に直結する登山者に遭遇することも珍しくありません。

 

 

▼ULを勘違いした登山者

また、最近はULスタイルにより、通常では1泊が必要な距離を日帰りで走破するスタイルが増えており、冬季においても珍しい話ではありません。
(※UL:ウルトラライトの略で、登山装備を快適性より軽量性に重きを置き、装備の軽量化を図るスタイルのこと。)

装備は少ないとは言え、凄まじいスピードで歩くには相応の脚力が求められるので、日頃から実績を積み上げている証拠でしょう。

しかし、問題はULに関して誤った認識をしている登山者が一定数いる言う点にあります。

 

明らかにザックが小さすぎる登山者を見かける事は珍しくなく、いくら装備を全て軽量コンパクトに抑えても「そのザックには入らないだろう」とツッコミを入れたくなる登山者も多く見かけます。こういう登山者のほぼ全てがヘルメットを装着していません。

登山において「軽さは正義」で、軽ければ軽いほど安定した歩行で速くあることが出来るが、必要な装備が不足していれば緊急時に命の危険が数段上がるのは言うまでもありません。

 

 

認識の低い登山者

それ以外にも、認識の低い登山者を多く見かけます。

  • 冬山でテントを設営するには、ショベルを使って地面を平らに慣らす「整地」という作業が必要になりますが、ショベルを持参せずに他人に貸して貰っている登山者
  • 気温が低い冬山では、バーナーに既存の点火装置はほぼ作用しないので、フリント式のライターなどを持参するのが常識ですが、持参せずに他人に貸して貰っている登山者

必要だという事を知らないのか、それとも単純に忘れたのかは不明ですが、どちらも雪山で宿泊するのであれば絶対に忘れてはいけない必須の装備です。

この様な登山者は、冬季においてもロープウェイやゴンドラなどでアクセスが比較的容易なテント適地で多く見かけます。

 

雪山は過酷な環境なので助け合いで良いのですが、最初から「知らなかった」という知識不足は、全体的な認識不足を表しており、看過できることではありません。

 

環境の厳しい雪山に入るからには、正しい知識と姿勢を持って取り組まなければいけません。

 

 

まとめ

西穂西尾根

いかがでしたでしょうか。

雪山でもロープウェイやゴンドラなど通年営業している様な場合、標高の高い山でも比較的アプローチがしやすくなり、多くの人々で賑わいを見せている時もありますが、その分「えっこの人大丈夫!?」と目を疑う人を見かけることも珍しくありません。

変わっているだけなら、それもまた個性と言えるのですが、雪山という厳しい世界では「それは危険ですよ」という人が一定数いるのも現実です。

今年の雪山も大きな事故がない事を祈っております。

 

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