山のあれこれ 成長の仕方について

恋人と登山をする上で「守るべき5つのルール」

厳冬期 奥穂高岳(涸沢岳西尾根)2022年1月

あたなは誰と山に登っているでしょうか?
「単独」「山岳会」「山友」それとも、恋人や夫婦でしょうか?

私は彼女と山登りをスタートさせ、結婚した今も一緒に山に登っています。
今回は、自身の経験から「恋人・夫婦」と一緒に登山をする上で、絶対に守るべき5つのルールをご紹介します。

 

恋人と山に登る上で絶対に守るべきルール「5選」

ルール1:山の中で「喧嘩」をしない

南岳西尾根2022年5月

山の中で喧嘩や、それによる別行動は絶対にしてはいけません。

山中で喧嘩をする理由は色々考えられます。

【例】体力に差があり、不満が出る

女:「もっとゆっくり歩いてよ!」
男:「いや、お前が遅すぎるんだ!」

【例】日常の不満が、登山の疲れをキッカケに爆発する

女:「もう歩けない!降りる!そもそも山になんて来たくなかった....」
男:「はっ!?ちょっふざけんな。そもそもお前だって普段から....」

主体的に山をやっている側と、サブ的に付いて行っている側とでは「モチベーション」に差が生まれ、喧嘩になることが良くあります。

山中での衝突は家族や恋人など、近い関係性の人と山に入っていると、起こりやすい問題です。

 

「夫婦で山に登り、途中で口論となり別行動を取った挙句、片方が滑落事故を起こして、帰らぬ人となった」

という事故は実際に起こっています。
二人一緒だったら防げていた事故だったかもしれません。

 

ただでさえ山の中は危険に満ち溢れているので、喧嘩や別行動なんかしたら、物凄く危険な事は言うまでもありません。

最悪のケースを考えれば、喧嘩の内容なんて些細なことのはずです。

 

喧嘩をする時はどちらかが疲れていて「自分の事しか考えられていない時」が殆どです。
そんな時は、休憩を入れて、甘い行動食とお水でも飲んで一息つきましょう。

 

 

ルール2:感謝の気持ちを忘れない

お互いへの感謝の気持ちが、登山を長く続けていく上で大切なポイントとなります。

 

男性側が山が好きで、女性を山に誘っている事が多いのではないでしょうか?

男性は「一緒に山に来てくれていることへの感謝」を忘れてはいけません。特に重要
女性は「計画や重い荷物を持ってくれている事への感謝」を忘れてはいけません。

 

それと同時に忘れがちな事ですが、
「恋人(夫婦)が、一緒に山に来てくれることは当たり前ではない」ということです。

 

ハイキングも雪山登山も、主体的にやっていない人からしたら、想像以上に過酷な物です。

パートナーが貴方の趣味を理解してくれるだけではなく、一緒にやってくれるとなると、それはとても素晴らしいことです。

 

 

ルール3:自身の役割を自覚する

恋人や夫婦で登山に出かけていると、家庭の延長として山に入ってしまいますが、一つの「パーティー」「バディ」だという事を忘れてはいけません。

 

男性は「自身が"リーダー"である自覚を持たなければいけません。」

計画の立案から、行動管理、撤退の判断、不測の事態の対応力など、確固たるリーダーシップを持たなければいけません。

女性も「ただ単に後ろをついて行くだけではいけません。」

女性の側も、メンバーの一人であるという自覚を持つと同時に、自分自身も相方を守る役目があるという事を忘れてはいけません。

 

平常時はリーダーである男性が指揮を取っていても、不測の事態には二人で一緒に考えて行動しなければいけません。
本当の緊急事態には、男性よりも女性の方が肝が据わっていて、冷静な場合が多々あります。

 

「互いに命を預け合う」とは即ち「互いに命を守り合う」という事です。

 

ルール4:日頃から鍛錬を怠らない

もしも「男性がメインで登山を行なっていて、女性はサブとして付いて行っている」というスタイルであったとしても、女性も日頃からトレーニングに勤しまなければいけません。

 

男性は、より一層の体力を!

不測の事態にパートナーを守れるように強靭な身体である必要があります。

女性は、自立した身体を!

大自然の中に入る限りは、自分の身は自分で守れるように、自立した強い肉体を目指さなければいけません。

男女で体力に差があるのは当然の事ですので、その点の考慮は必要ですが、女性側がトレーニングをしない理由にはなりません。

実際、トレーニングをすれば体力が付いて、景色を楽しむ余裕が生まれます。

 

そして、難ルートや雪山登山など、本格的な登山を志す場合は、技術的トレーニングも二人一緒に取り組み、二人の息がピッタリと合うように日頃から練習をしておく事も、物凄く重要です。

 

ルール5:最悪の事態を想定する

ココヘリ

これが一番重要かもしれません。

種類を問わず登山をしていれば常に一定の危険性がありますが、岩稜登山や雪山登山など本格的な登山を続けていけば行くほど、「遭難」や「事故」などの危険と隣り合わせとなり「最悪の事態」も想定しておかなればいけません。

万が一、後遺症が残る事故や、またはどちらかが死んでしまうような事が起こった場合、残された者は全てを背負って生きていくことになります。

 

極論、山に行かない、または危険な山をやらなければ、事故や最悪のケースは大分回避出来ることでしょう。

 

しかしリスクを全て分かった上で、

「それでも、行きたい」
「一緒に、あの素晴らしい世界を見たい」

そう思うなら、絶対に事故を起こさないという意識のもと、常日頃から鍛錬に励み、二人一緒に山から降りてこなければいけません。

 

最悪の事態にしっかりと目を向けることで、安全への意識が高まります。

 

まとめ

南岳西尾根2022年5月

大自然を自分の身体一つで登る「登山」は素晴らしい体験です。
そして、恋人や夫婦など人生を共にする人と一緒に登山に取り組めるのは、この上なく幸せなことです。

その事への「感謝」を忘れてはいけません。

 

山の中にあるのは、自然と自分だけ。
人間の「良いところ」「悪いところ」の全てがさらけ出されてしまいます。

山の世界は困難に満ち溢れています。

一つ一つ互いに乗り越えていくことで、二人の人生も素晴らしいものへとなっていくことでしょう。

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