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【レビュー】NANGAオーロラ ライト600DX/冬用シュラフ

NANGA ナンガ シュラフ 寝袋 洗い方_1982

私はテント泊用のシュラフとして、

NANGAの「AURORA LIGHT 600 DX」を使っており、かれこれ使用回数が167泊を突破しました。

そこそこヘビーユーザーに入ると思いますので、実際に使った感想からレビューをしていきたいと思います。

【レビュー】NANGA AURORA LIGHT600 DX

NANGA オーロラシリーズの特徴

ポイント

高機能な防水透湿軽量シリーズ

NANGAが独自に開発した防水透湿素材AURORALIGHTを採用したスリーピングバッグシリーズ。

ボックスキルト構造に加え、ダウン量600g以上のモデルにはチタンスパッタリング材を採用することで輻射による蓄熱・保温効果を高めるなど、高機能なテクノロジーを体感することができます。

DXはスパニッシュダックダウン90-10% (760FP)、
SPDXはポーリッシュグースダウン93-7% (860FP)となります。

引用元:NANGA公式サイト

 

簡単に言うと、

NANGAのオーロラシリーズはシュラフカバーが必要ありません。

 

通常、シュラフに使われているダウンは水分に触れると本来の温かみを発揮できなくなるので、テント内の結露や吹き込む雨などでシュラフを濡らさない為に、シュラフカバーが必要となりますが、

NANGAのオーロラは防水生地が採用されているので、シュラフ本体だけで外部の水濡れからダウンを守る事が出来ます。

 

防水生地のシュラフは若干重量は増しますが、シュラフカバー(400g~500g)が要らない為、結果的に軽量化へと繋がります。

 

 

他の会社で言うと、ISUKAのエアドライトモンベルのドライ シームレス ダウンハガーなどと同じ位置付けのシュラフとなります。

 

 

実際に使ってみた感想

防水性について

防水性は非常に優秀です。

  • お湯を少しこぼす
  • テント内側の結露が、風でテントがなびいた際にシュラフに付着
  • テント入り口の開閉時に、雨や雪が吹き込む

このくらいであれば、余裕です。

サッと拭き取れて、何も無かったかのようにドライな状態を保ちます。

 

 

透湿性について

「シュラフの生地に防水素材が施されていると、内側の湿気が外に逃げずに内側が濡れる」

という意見を目にしますが、

特にそのような事は起こっていません。

 

検証も兼ねて"夏の低山"~"厳冬期の北アルプス"まで、あらゆる条件で累計167泊していますが、内側が濡れるなんて事は起こっていません。

 

 

防水生地の無いモデルに比べれば、若干、内側の群れが発生しやすいかもしれませんが、

シュラフカバーが不要な事による重量ダウンの方が、メリットは圧倒的に大きいと思います。

 

 

暖かさについて

ナンガ オーロラDXの公式での温度域は以下の通りとなっています。

  • 快適使用温度:-4
  • 下限温度:-11

NANGAは温度域の設定に「ヨーロピアン・ノーム」を採用しています。

ヨーロピアン・ノームについて

ヨーロピアン・ノームとは、ヨーロッパで主に採用されている寝袋の暖かさを示す指数で、肌着1枚で就寝した際の温度域となります。

▼快適使用温度

一般的な成人女性が寒さを感じることなく寝ることができる温度域とされています。

(一般的に女性は男性よりも寒さを感じやすいので約5℃程度高く使用温度を算出しています)

▼下限温度

一般的な成人男性が寝袋の中で丸くなり、8時間寝られる温度域とされます。

これよりも低い温度は、リスクのある温度域となります。

 

私達夫婦は真冬もこの600DXで寝ています。

 

 

厳冬期 奥穂高岳(涸沢岳西尾根)2022年1月

12月〜3月の最も寒さの厳しい時期は、標高2,400m付近の森林限界以下で幕営することが多く、平均してマイナス15度前後となり、下限温度を下回っていますが、ダウンなどの防寒着と併用しているので、十分温かく熟睡する事が出来ます。

 

 

1月の八ヶ岳の行者小屋(2340m)でマイナス25度を記録した事があり、流石に少し寒かったですが、シュラフの中に湯たんぽ(ナロゲンボトル)を入れておけば、十分に就寝が可能でした。

 

 

初冬・槍ヶ岳(テント泊)新穂高~飛騨沢

10月〜11月の初冬や、GW以降の残雪期など天候が落ち着いてくると、3,000mの稜線上でも幕営した事がありますが、特に困った事はありません。

 

備考

  • 年齢:30代の男女
  • テント:シングルウォールテント
  • マット:サーマレストリッジレスト(R値:2)
  • 服装:ダウン・ダウンパンツ・テントシューズを着用

 

と、このように時期により幕営する標高こそ異なりますが、厳冬期でも十分に使用可能です。

また、シュラフの中にお湯を入れたナロゲンボトルを入れておけば、湯たんぽの役割を果たしてくれます。

※寒さへの耐性は、経験、性別、年齢、筋肉量などにより大きく異なるので、一つの参考としてお考え下さい。

 

 

延泊について

西穂西尾根

これまで3泊4日の登山を行いましたが、ダウン量の低下なども起こらず、快適に過ごす事が出来ています。

 

2日目以降は、シュラフを取り出した瞬間は少し湿気ている感じはありますが、取り出して10分ほどで膨らみを持ち始めて、就寝する頃には温かく眠る事が出来ています。

 

 

耐久性について

NANGA ナンガ シュラフ 寝袋 洗い方_1982

冒頭でも述べていますが、これまで6年間で累計167泊をこのシュラフで過ごして来ましたが、全く問題ありません。

引き裂きや穴あきなどは皆無です。

 

ちなみに、NANGAは「永久保証」なので、購入から10年経とうが、破れなどの緊急時には修理などのアフターサービスを受ける事が出来ます。

 

また、数年使用していると、当然ですが汚れが付着してしまうので、一度自宅で洗濯をしましたが、新品同様のふかふかへと復活を果たしました。

 

まとめ

NANGAのシュラフは価格帯としてはISUKAやmont-bellなどに比べると若干高い印象ではありますが、価格に見合うだけの価値のあるシュラフだと思います。

 

特にオーロラシリーズの防水透湿素材の性能が高く、シュラフカバーが本当に必要ないので、結果的に軽量化へと繋がるのが非常に高い評価ポイントだと思います。

 

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