山のあれこれ 成長の仕方について

【成長日記】30代女性がダメダメから1人前の登山者になるまで

皆さん、こんにちは。

Futaritozan運営者の妻です。

私は30代女性で、今でこそ厳冬期の北アルプスに足を運び3,000mの稜線で活動したりしていますが、昔はダメッダメでした。

今回は、登山を始めて現在に至るまでをご紹介させていただきます。

【成長日記】30代女性がダメダメから1人前の登山者になるまで

登山1年生:まったく楽しくない

登山?本音は行きたくありません!

登山デビュー

2017年6月:滋賀県の比良山系の武奈ヶ岳で登山デビュー!人生初の山頂を踏みました。

一緒に登っている夫(当時は彼)は嬉しそうでしたが、私は別に楽しくも何ともありませんでした。

 

この当時は10分歩いたら、

「休憩まだ!?」ってボヤいてました。

60分連続で歩く? 無理無理無理無理無理ーーーーー!!!!不可能です。

 

だって、見て下さい。今よりも15kg以上重いんです...。

いやぁ、我ながらデッカいなって思います。

今より筋力がないのに、15kgの贅肉という名の荷物を背負っていたんですよね。

苦しいはずです。

 

 

▼登山道が怖くて仕方ない

登山デビュー 伊吹山

滋賀県と岐阜県にまたがる「伊吹山(100名山)」の8合目付近

こんな何てことないザレ場が怖くて仕方なかったです。

 

怖いと感じる事も大切ではありますが、当時の私はちょっと度が超えていました。

 

この頃は、私のレベルと夫のレベルがあまりにも合わず、

双方の意識も低いこともあり、しょっちゅう喧嘩してました。

 

 

 

初めてのテント泊は地獄

登山デビュー 初めてのテント泊

登山開始から半年でテント泊デビューを果たしました。

感想ですか?

地獄ですよ、地獄。

ザックの重さが半端じゃないんです。

 

今となっては普通ですが、初めてテント泊装備の入ったザックを背負った瞬間のあの凄まじさときたら、

それこそ、白目向きそうなほど辛くて、拷問でした。

 

しかもこの当時は車を持っておらず、電車で山に行っており、登山口に到着するだけでもう、ヘロヘロ。

 

 

 

恐怖の雪山デビュー

登山デビュー 初めての雪山登山

その年の冬に雪山デビューを果たしました。

最初は滋賀県の武奈ヶ岳(1200m)で雪山デビューを果たし、その後3月に鳥取県の大山に登りに行きましたが、、、、、

はい、もう恐怖しかなかったです。

 

上の写真のようななんてこと無い、斜面が怖くて仕方がなかったです。

「こんな所、下りれるの!?」って。

半泣きで登っていました。

 

 

▼初めての北アルプスは残雪期の西穂!?

登山デビュー 初めての雪山登山

2018年5月の西穂高岳独標で北アルプスデビュー

もう色々順番がぐちゃぐちゃですね。

 

トレースバッチリということで、独標に行ってきましたが、今思えばやってることが無茶苦茶です。

 

 

登山2年生:槍ヶ岳で登頂の喜びを知る

初めての3,000mは槍ヶ岳

登山デビュー 初めて嬉しかった山

2018年9月、登山開始から約1年の節目に、北アルプス南部の槍ヶ岳に、岐阜県側の飛騨沢から登りました。

この登山は、私にとって想い出深い山行の一つです。

 

熊に遭遇したり、雨に降られたりと色々とハプニングがありながらも、無事に槍ヶ岳山荘のテント場に到着しました。

 

 

登山デビュー 初めて嬉しかった山

翌朝、トイレの為に外に出ると、眩しい程の朝日が穂先の遥か向こうから昇ろうとしていました。

 

頭痛の為に休んでいるという夫(当時彼)に一声かけて、私は一人穂先へと向かいました。

当時「連れて来られている」という意識が強かった私にとって、自発的に山頂に向かうというのは信じられない行動でした。

 

一人で槍ヶ岳の山頂に立った時、純粋に"嬉しい"という感情が湧き出てきたのを覚えています。

 

 

槍ヶ岳に登ったからと言って、大きく成長した訳でもなんでもありませんが、

 

この登山で私の中に何か小さなものが芽生えた瞬間だったのかもしれません。

 

 

依然として苦しい日々は続く

登山デビュー 苦しい日々は続く

槍ヶ岳に登って「楽しい」という感情を覚えて帰ってきましたが、

地元の山に登ると、依然として辛い!

また、「楽しくない」へと逆戻りです。

 

理由については薄々気づいていましたが、目を背けていました。

そうです。重いんです、体が。

 

ここにきてダイエットを決意しました。

 

まだ決して「登りたい!」という決意に燃えていた訳ではありませんが、

どうせ行くなら苦しいのは嫌だ!

という思いで一念発起でダイエットをスタートさせました。

 

 

 

目標達成するも、まだまだダメな私

登山デビュー 課題は山積み

2018年9月、ダイエットを開始後1ヶ月が経ち、体重も少しずつ減り始め、ほんの少し体が楽になってきた頃、

目標であった夏の西穂高岳に登頂することができました。

 

が、しかし

 

登山デビュー 課題は山積み

駄目です。

疲労感から恐怖で頭が一杯になり、何てことのない岩場が足が竦んでしまっていました。

 

感覚でスイスイ行ける夫(彼)と違い、私には無理。

独学の限界を感じた瞬間でした。

 

 

講習会の門を叩く、クライミングデビュー

登山デビュー 講習会に参加する クライミング

「岩場の歩行技術を向上させるにはどうしたらいいのだろう?」

色々試してみて、クライミングに行きつきました。

最初は入門的な講習会に参加してクライミングのイロハを習いました。

 

 

登山デビュー 講習会に参加する

それと並行して懸垂下降などロープワークの習得にも励みました。

 

その後、ステップアップ講座やインストラクターとの個人レッスンで、クライミングを夫婦二人で行えるようにして行きました。

 

 

 

現実は甘くない 西奥縦走にビギナーズラックは無い

登山デビュー ジャンダルム越え

少しずつ痩せてきた私と、ヒョロい時代の夫

夏の間、足繁くクライミングに通い、

いざ満を持して奥穂高岳から西穂高岳への縦走に挑戦しました。

 

行程

1日目:新穂高~穂高岳山荘

2日目:奥穂高岳~西穂高岳~ロープウェイで下山

そうです、この1泊2日の行程が間違いでした。

 

問題は2日目です。

馬の背やロバの耳は、少し時間は掛かりましたが、無事に通過し、ジャンダルムの天使とご対面しました。

 

登山デビュー ジャンダルム越え

何が問題かというと、そう、体力です。

 

逆走スラブの下りと、続く天狗のコルへの登り返しで体力が限界を迎えました。

 

途端にスピードが落ち始め、それと同時にクライミングスキルを発揮できず、手足が覚束ない状態となってしまいました。

 

そこに更に拍車をかけたのが、ロープウェイの終電の時刻。

明日は仕事、必ず今日中に降りないといけなかったのです。

 

体力限界でスピードが出ない

でも、時間が無いから焦る

 

辛い×焦る×怖い半パニック

と、掛け算式で負の連鎖に陥っていきました。

 

奇跡的に最終のロープウェイに滑り込みで乗ることが出来て、無事に下山する事ができましたが、

この山行は失敗でした。

 

学ぶ事は沢山あり、現在でもこの時の教訓は活かされていますが、一歩間違えれば危なかったのは言うまでもありません。

 

 

歩荷トレを始める

登山デビュー 歩荷トレ

ちょっと痩せて姿勢も良くなってきた

奥西縦走の反省から、地元の低山で歩荷トレーニングを始めました。

 

歩荷といっても極端な事は出来ないので、とりあえず15KGくらいからスタートして、徐々に重くしていきました。

 

 

 

本格的に雪山登山を始める

登山デビュー 本格雪山登山開始

ビギナーズラックで登れた

ウェアや装備品など、全て本格的な雪山装備をすべて揃えました。

2人分でかれこれ50万くらいかかった気がします....汗

 

本格的な雪山の一発目は、ビギナーズラックで登れた厳冬期の赤岳

しかし、ビギナーズラックというのは本来はないと思っています。

 

天候、トレースなどあらゆる条件が良い方向に作用し、たまたま登れてしまっただけ。

実力も兼ね備えてないのに、登れたということは、、、、

 

 

登山デビュー 本格雪山登山開始

西穂高岳 ピラミッドピークと独標の間にて

これです

技術がついて来ていないので、なんて事ない斜面でも後ろ向きでしか降りられませんでした。

 

結果と過程が一致していないので、当然こうなります。

 

 

 

今更ながら雪山講習会に参加

登山デビュー 雪山講習会

このままでは駄目だと思い(自覚)、西穂山荘が主催する2泊3日の雪山登山講習会へと参加しました。

 

レベルにより3クラスに分けられて、私達は中級クラスへと配属されました。

内容の濃い3日間となり、参加して本当に良かったと思いました。

 

技術的な事は勿論ですが、意識の面で気づかされる事が沢山あり、この時学んだ事は今も活かされています。

残念なことに、現在、同じ講習会は開催されておらず、代替の講習が開催されています。

 

 

雪洞

講習会の後は自分達での復習が必須!

これが大事ですね。

 

 

精力的にレベルアップに取り組む

登山デビュー スキルアップ

夜間登山を行ったり、

 

 

登山デビュー スキルアップ

クライミングでリードデビューを果たしたり、、、

 

 

登山デビュー スキルアップ

懸垂下降などロープワークの反復練習を行なったり、、、、

 

一人前の登山者になれるように精力的に活動しました。

 

この時期は我ながらよく頑張ったと思います。

 

 

大きな一歩

登山デビュー 2019.05槍ヶ岳中崎尾根025

努力の甲斐もあり、2019年5月末、残雪期の槍ヶ岳に中崎尾根から登頂。

テント泊装備の全てを担ぎ、全行程を歩ききりました!

 

 

登山3年生:気が付けば、山を楽しんでいる自分がいた

登山デビュー 知らぬ間に変わっていた自分

私はこういう穏やかな山域が好き。

2019年8月、夏真っ盛り、北アルプスの最奥 黒部源流域へ行って来ました。

汗が滝のように流れるほどの猛暑でしたが、心は清々しかったです。

 

昔の私は登ることに必死で、どんなに美しい景色も目に入ってこなかったのですが、

綺麗な物を、純粋に綺麗と思えるようになりました。

 

一般的には当然の事かもしれませんが、私にとっては大きな変化です。

 

 

経験を重ねて行く

登山デビュー 初冬槍ヶ岳

2019年10月、初冬の槍ヶ岳へ。

初めて雪のついた穂先を登りました。

 

 

槍ヶ岳 大喰岳西尾根

この頃には、カリカリの穂先も怖くありません。

 

 

 

コロナ禍で登山が中止に

トレーニング

写真はイメージです

2020年の年明け頃から日本でも新型コロナウイルスが猛威をふるい始めました。

 

数ヶ月に渡り、外出自粛が求められ、山へ出かける事が出来ませんでしたが、

室内でのHIITトレーニングや、深夜の階段トレーニングなど、

その時できる事に全力で取り組んだ結果、自粛期間中も体力を落とすどころか、パワーアップ期間へと変える事ができました。

 

 

登山4年生:自分を信じて...

成長して帰ってきた、「槍穂完全縦走」

前回の奥穂高岳から西穂高岳へと縦走した時よりも、成長して穂高に帰ってきました。

 

テント泊装備を背負って、西穂高岳から奥穂高岳、ダイキレットを超えて槍ヶ岳へ。

 

苦しかったし、辛かった。

でも今回は、「ちゃんと自分の実力で歩ききった」と胸を張って言えます。

 

そこには登山を始めた頃からは想像も出来ない自分がいました。

 

 

登山デビュー 初冬剱岳

10月の初冬、試練と憧れの早月尾根から剱岳へ!

 

 

登山デビュー 厳冬期南八ヶ岳縦走

2月の厳冬期には、赤岳から硫黄岳への南八ヶ岳縦走!

 

 

登山デビュー 槍穂縦走

これまでは、自分に自信が持てずに、本来持っているはずの技術も発揮できずにいました。

この頃になり、ようやく、これまで培ってきた経験が実り始めて、自信を持って山に向き合えるようになりました。

 

 

登山5年生:1人前の登山者へ

登山デビュー ロープワーク

  • 体力トレーニング
  • ロープワーク
  • クライミング
  • アイゼントレーニング

などなど、

この頃になると、日々精進することが日課となっていました。

 

 

2020年11月、昨年に続き、初冬の剱岳 早月尾根へ。

10月とは違い、完全な雪山です。

 

 

比良山系 武奈ヶ岳 大寒波

寒波襲来の比良山系で、悪天候化での行動の経験を積み、、、

 

 

厳冬期槍ヶ岳 中崎尾根〜西釜尾根

2021年1月、念願の厳冬期の槍ヶ岳を達成!

夫との夢を叶えました。

 

 

登山6年生:互いに支え合う仲へ

厳冬期 奥穂高岳(涸沢岳西尾根)2022年1月

2022年1月、涸沢岳西尾根から厳冬期の涸沢岳へ。

 

 

西穂西尾根

2022年4月、冬季バリエーションルートである西尾根から西穂高岳へ。

 

 

この頃にはなると、自分達の登山の難易度が、以前と比べて明らかに上がって来ているのは明白でした。

だからこそ、

ただ後ろを歩いているだけでは駄目だ、

夫が私をフォローしてくれるように、自分も夫を守らないといけないんだ

パートナーとしての自覚を持つようになりました。

 

登山を通じて自分自身が人として成長したこと、

パートナーが彼から夫へと変わったことなど、

 

多くの出来事の重なりによるものも大きいですが、この変化は山の中だけではなく、私の人生を良い方向へと導いてくれるものとなりました。

 

 

まとめ

厳冬期 奥穂高岳(涸沢岳西尾根)2022年1月

登山を始めてからこれ6年。

よくここまで来たなぁと思います。

 

幸いこれまで大きな怪我もなくこれているので、これからも初心を忘れず、精進して、これからも安全第一で登山を楽しんで行きたいと思います。

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

また、お会いしましょう。

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