「登山の体力はどうやって付けたらいいのか?」皆が悩んでいる問題ではないでしょうか。
一般的に「登山の体力は、登山でしかつかない」と言われており、まさにその通りだとは思いますが、一般的な生活をしている人であれば「毎週山に行く時間はない」というのが実情だと思います。
今回は私が実際に取り組んでいる内容を紹介します。
登山の為のトレーニング紹介
私は日々、次の3つのポイントを意識しながら、トレーニングを行なっています。
1.筋力・体幹を鍛える
2.心肺機能を鍛える
3.関節を大切にする
▼補足
登山においては「歩き方」「呼吸法」「ザックの背負い方」などが非常に重要なポイントになるので、基本をおさえたうえでの追加のトレーニングとなります。
筋力+体幹を鍛える
急登の連続やアップダウン、テント泊装備を背負った状態での長時間の歩行に対応する為には、筋力やバランス能力が求められます。
トレーニングメニュー
▼トレーニング種目
- レネゲードロウプッシュアップ(背筋+腹筋+胸筋+体幹)おすすめ!
- プランク(腹筋+体幹)
- ダンベル・アームカール(腕)
- スクワット(大腿四頭筋)
- ランジ(大腿四頭筋)
- カーフレイズ(ふくらはぎ)
「高重量×低回数」「低重量×高回数」「サーキットトレーニング」など、トレーニングがマンネリ化しないように注意しながら、常に身体に刺激を与えるようにしています。
【ポイント】
最初の頃は腕立て、プランク、スクワット等の自重トレーニングだけでも十分な効果が得られるので、最初から器具を揃える必要はなく、自重で物足りなくなってから器具を揃えるのでも良いでしょう。
私自身も最初の半年くらいは全て自重トレーニングを行い、体の基礎が出来た時点でダンベルを購入しました。
心肺機能を鍛える
急登を登ったり、アップダウンが続くとどうしても心拍が上がり、息切れを起こしてしまいます。
心肺機能を鍛える為に、山に行かない週の土日のどちらかは、必ず有酸素トレーニングを行うようにしています。
HIIT/ヒートトレーニング
ジムのランニングマシーンや公園などで、ヒートトレーニングで強弱を付けて15~20分間程走っています。
- ウォーミングアップで早歩き5分
- 全力疾走40秒、歩き20秒(10セット)
- クールダウンで早歩き5分
階段トレーニング
公園などの大階段(約300段)で階段トレーニングを行っています。
- ダンベル20KGを入れたザックを背負って登る
- 空身の走り込み
- 早歩き一段飛ばし+踊り場スクワット
セット数は1種目4~5セットが基本となり、最低1種目、余裕があれば2種目ほど組み合わせて行っています。
腕立てバーピージャンプ
平日、公園やジムニ行く時間がない場合は、自宅で「腕立てバーピージャンプ」を行なっています。
10回×8セットくらい行なっています。
セットとセットの間にスクワットやランジなどを織り交ぜると、足をメチャクチャ追い込む事が出来ます。
とにかく、時間と場所を見つけて自主的に取り組むようにしています。
関節を大切にする
トレーニングと同じくらい大切にしないといけないのが「体のケア」です。
山やトレーニングで関節を痛めない為に、日頃から体のケアに気を配らなければいけません。
- 山行や運動前はストレッチを入念に行う。
- 普段から姿勢を正す。足は組まない。(重要)
- トレーニング時もサポートタイツを履く。
- 痛めたと感じたら、アイシングなどアフターケアを怠らない。
- 入浴で身体を温める
関節を痛めていない人でも、将来的なことを見越して、関節は大切にしていく方がいいと思います。
トレーニングの頻度
どのくらいの頻度で行なっているかというと、
- 筋トレは週3回ほど
- 有酸素は週1〜2回
というくらいです。
もっと上を目指すならば、もっともっとストイックに取り組むべきなのですが、会社の往復時間を考えると、現状ではこれが精一杯です。
【結果が出る間に掛かった期間】
私は登山を始める前は、超運動音痴で基礎体力は無いに等しい状態でした。
登山開始から半年後にトレーニングを開始し、更に半年で少しずつ効果が見え始めました。
トレーニング開始から2年、登山者としての一人前の身体が出来上がり、ようやくスタートラインに立つことが出来ました。
始めはなかなか目を見張る様な結果が出ず、トレーニングが楽しみであると同時に「いつになれば効果が現れるのだろう...。」と悩みもしました。
しかし一度「体力がついた」「コースタイムで歩けるようになった」などの効果を実感すると、自然と次の目標ができて、それに向けて更にトレーニングに励むことが可能になりました。
もちろん登山に終わりはないので、根気よく続けています。
トレーニングの重要性について
登りたい山、やりたい山行がある場合、それに相応しい身体でなければいけません。
私も以前は目標や夢ばかりが先走り、身体が釣り合っておらず、無事に登頂しても、下山はボロボロという時期がありました。
「このままではいつか事故を起こす。」と自覚したことから、トレーニングに励むようになりました。
そして、かの有名な登山家スティーブ・ハウスもこう言っていました。
「登山家の偉業のうち1割が才能で、残りの9割は大変な努力によるものだ。山での成功の多くは、準備というきつい仕事をやったことから来る。」と。
登山の為のトレーニングはやはり重要なのです。
まとめ
今回ご紹介した私が実施しているトレーニングメニューは、”自己流”です。
プロのトレーナーや、その道のプロからすると、「間違っている」と指摘が入るところもあるかもしれません。
しかし、その人々によって生活環境は違いますし、登山にとってベストなトレーニングメニューを全員がこなせるわけではないと思います。
「何もやらないよりは、何かしよう。何か始めよう。」
自分なりにトレーニングをして山に挑み、反省点が見つかれば改善していく。そして継続する努力を忘れない。
私はそれでいいと思っています。