北アルプス 山行記録

剱岳・早月尾根 / テント泊 2021.11.05~07【2~3日目】

北アルプスの中でも一足早く雪化粧となった剱岳。

12月からの入山には富山県警の許可が必要となり、馬場島へと通じる林道も閉鎖され、長く閉ざされた冬がやってくる。 .

.....2021年11月、剱岳に登って来ました。

行程

ルート

2021年11月5日(金)〜11月7日(日)

1日目:馬場島〜早月小屋

2日目:早月小屋〜剱岳〜早月小屋

3日目:早月小屋〜馬場島

 

アクセス

馬場荘前の駐車場に駐車。

※12月1日より伊折より先の馬場島へと至る林道が閉鎖されます。

 

天気

1日目:「雨」〜「晴れ」〜「霧」

2日目:「晴れ」〜「一時霧」〜「晴れ」

3日目:「晴れ」

登山道の積雪状況・危険個所

■馬場島〜早月小屋

  • 馬場島〜早月小屋:1800m辺りから雪が出始めるが、基本的にアイゼンなしで通行が可能。
  • 早月小屋〜剱岳:標高を上げるにつれて雪が増えていき、夏道と尾根道が混ざり合っている。先行者がいない場合は、自身でルートファインディングをする必要がある。山頂直下のルンゼの登下降は慎重に行いたい。下降時は特にメンバーの力量や状況によってはロープの使用が望ましいかもしれない。

※剱岳の積雪状況が刻一刻と変化するので、最新の気象情報に注意して下さい。

 

山行記録

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2日目:早月小屋〜剱岳〜早月小屋

早月小屋にてアイゼンを装着し、樹林帯を少し登ると程なくして森林限界を越える。

しばらくは夏道を辿っていく。

一部、中途半端に雪が付いている所があるが、落ち着いて行動すれば問題ない。

 

 

標高を上げるにつれて、積雪も増えていき、夏道と尾根道が混ざり始める。

 

先行者のお陰でトレースは付いているが、気を抜く事は出来ない。

 

本峰が見えているが、依然として近づかない。

 

カニのハサミはまだ鎖が出ており、夏道沿いに通行可能だが、積雪のせいで鎖の位置が低い場所に来ることとなり、少し歩き難い。ここも落ち着いて通行すれば、問題はない。

最後に気を付けるべきは山頂直下のルンゼの登下降だ。

 

雪の付き具合が中途半端で、慎重に登っていく。

 

ルンゼの最終ポイントには懸垂用の捨て縄がある。

 

別山尾根との分岐を過ぎれば、山頂は目の前だ。

 

 

剱岳-山頂-2999m。

互いの健闘を讃えあい、お湯を飲んだら即座に下山を開始する。登頂の喜びに浸るのはまだまだ先だ。

 

残りの体力と集中力から、ルンゼの下降は懸垂で降りることにする。

ちょうど30mロープ3ピッチで降りることが出来た。

30mロープの半分の15mのベスト場所に支点があり、構築して下さった先人の方々に感謝したい。

 

早月小屋までは長い下りが続く。

 

悪天候時に迷い込みそうな尾根を観察しながら降る。

下山中、何度か剱岳を振り返る。

 

下山の道のりも遠い。

 

 

 

2泊3日の行程の為、テントに帰還後も夕日を見ながらゆっくりと過ごす。

 

3日目:早月小屋〜馬場島

テントを撤収し、早月小屋を後にする。

馬場島までも長い道のりだ。

 

降りもひたすら無心で降り続ける。

下に行くほど紅葉が綺麗だが、身体が辛いので、あまり癒しにはならない。

 

とにかく前に進み続ける。

松尾平を過ぎてひと頑張りすると、突然登山口に到着する。

 

「試練と憧れ」

石碑の前で無事の帰還を報告し、記念撮影をして帰路に着いた。

 

感想

12月から剱岳一帯への入山には富山県警の許可が必要となり、また馬場島へと通じる林道も伊折以降は閉鎖されてしまう。

11月は一般登山者が登れる最後の時期だ。

 

今年の夏は休みの日程が合わず山に行く機会がなく、隙間時間にトレーニングの為に走り込みを行なっていたが、それが原因で"膝"を潰してしまい、悩ましい時期が続いていた。

雪山シーズンが迫る中、焦る気持ちを抑え、ひたすらストレッチを筋トレに励み11月を迎えた。

結局この山行日までにプレ山行を実施する事は出来なかったが、11月の剱岳は昨年からの目標であったので、この度、思い切って決行することにした。

 

馬場島までのアプローチで一悶着あり、馬場島に着いても予想外の雨に見舞われるなど、出だしからハプニングが続出したが、大きな問題もなく無事に今回の山行を終える事が出来た。

全体的に振り返ると反省点は何点かあるが、ルンゼの下降時に行った懸垂下降では、システムの構築から下降・掛け替えなど一連の動作をスムーズに行うことができ、日頃の練習の成果を実感することが出来た。

 

来る冬山本番も安全登山を第一に楽しんでいきたい。

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