北アルプス 山行記録

西穂高岳 西尾根/ 2022年4月1日〜2日【2日目】

西穂西尾根

西穂高岳は私自身にとっても、夏冬ともに登竜門として挑戦してきた思い入れのある山だ。

今回は、西穂高岳に冬季バリエーションルートである「西尾根」から登ってきた。

 

西穂高岳 西尾根/ 2022年4月1日〜2日【2日目】

ルート

2022年4月1日〜2日

1日目:新穂高〜右俣林道〜穂高平小屋〜西尾根2400mコル

2日目:2400mコル〜西穂高岳〜西穂高口(ロープウェイ)

 

アクセス

4月1日から、新穂高「登山センター」前の県営駐車場が利用できず、深山荘方面の無料駐車場(P5)の利用が必要となります。

▼路面状況

入山日の3月31日の夜は、岐阜市内より新穂高へと至る道は、積雪・凍結があり、ノーマルタイヤでの通行は不可能でした。(下山日は完全に溶けており、ノーマルタイヤでも問題ない状態でした。)

 

天気

1日目:快晴!

2日目:快晴!

 

登山道の積雪状況・危険個所

■2400mコル〜第一岩峰

  • 基本的には第一岩峰は左から巻く方が良さそう。雪面は硬く締まっており、ロープなしでも抜けることが出来たが、メンバーの力量によりロープを出した方が良いかもしれない。

■第1岩峰〜ジャンクションピーク

  • 一部斜度の高い雪稜を登る所や、雪庇の張り出しがあるが、視界が効いていれば大きな問題はない。

■ジャンクションピーク〜第2岩峰

  • ジャンクションピーク〜第2岩峰間にある小ピークは巻くか越えるかの何れかだが、トラバースの場合、雪の状態によっては雪崩や滑落の危険性が高まるので、トレース頼みにせずに、必ず、その時の雪質から自身で判断することが求められる。

■第2岩峰〜西穂高岳

  • 西尾根としての最後の難所が第2岩峰とその先に小ルンゼだが、雪質や雪のつき方により難易度が大きく変わる。フリーで抜けるかロープを出すか判断に迷う場合もあるが、足を滑らせると即大事故に繋がるので、不安がある場合は最初からロープを出した方が良い。

※これからの季節はルートの状況が刻一刻と変化するので、最新の情報に注意して下さい。

 

山行記録

1日目:2400mコル〜第1岩峰〜ジャンクションピーク〜第2岩峰〜西穂高岳〜西穂高口(ロープウェイ)

西穂西尾根

5時半に出発する為に、3時半に起床し朝食を取るが、頭痛が激しくとても出発出来そうにないので、1時間ほど追加で睡眠を取ることにする。

 

 

西穂西尾根

1時間追加で寝たことで、頭痛も治まり7時にテントなど全てを撤収し終わり、無事に出発する。

 

 

2日目は開始早々に第1岩峰に向けて急登から始まる。

第1岩峰は左から巻いていく。それなりの斜度で緊張するが、木を掴みながら落ち着いて登れば然程大きな問題はないが、メンバーの力量や雪質によってはロープによる確保も視野に入れておいた方がいいかもしれない。

また敢えて言うならば、幕営装備の大きなザックの場合、ザックが木に引っかかることがあるので注意が必要だ。

 

 

西穂西尾根

第1岩峰を越えるとジャンクションピークに向けて急な雪稜を登っていく。

 

 

ジャンクションピークの周辺は雪庇が発達しており、視界が悪い時は十分な注意が必要だ。

 

 

それ以降も、基本的に急な斜面を登り、グングンと高度を上げていく。

このあたりは技術的な難易度は高くないが、もちろん油断大敵だ。

 

 

遠くに西穂山頂が見え始める。遠く感じるか、近く感じるかは、その時の体力度合いによるだろう。

 

 

西穂西尾根

この角度から見る西穂高岳が最高にカッコいい。

このルートに挑んで良かった。

 

 

第2岩峰の手前の小ピークまでくると、左手に涸沢岳西尾根が綺麗に見えている。

小ピークは巻くものと越えるものの両方のトレースがあったが、今回は雪質からピークを越える方を選んだ。トラバースの場合、雪の状態によっては雪崩や滑落の危険性が高まるので、トレース頼みにせずに、必ず、その時の雪質から自身で判断することが必要だと思う。

 

 

第2岩峰付近に突入すると雪壁の登攀が出てくるので、技術に確かな自信がなければ、ロープによる確保を行なった方が良いだろう。

 

 

西穂の山頂が見え隠れするが、なかなか到着しない。

 

 

西穂西尾根

今回の雪稜登攀は最高に楽しかった。

 

 

西穂西尾根

西穂高岳まで後少しとなると、色々な山々が見渡せ、槍ヶ岳も綺麗に見えていた。

 

 

西穂西尾根

西穂の山頂が近くなると雪面も硬くなり、アイゼンワークにより一層の注意が求められる。

 

 

西穂西尾根

第2岩峰とその先に小ルンゼは雪質や雪のつき方により難易度が大きく変わるだろう。

フリーで抜けるかロープを出すか判断に迷う場合もあるが、足を滑らせると即大事故に繋がるので、不安がある場合は最初からロープを出した方が良い。

古いFIXロープが出ているが、体重を預けるような使用方法はしてはいけない。

 

 

残すところは山頂までのビクトリーロード。

一般道から登ってきている登山者からの視線を感じながら、山頂へ。

 

西穂西尾根

山頂から来た道を振り返る。

 

 

西穂西尾根

西穂高岳から奥穂高岳への稜線。

この先に進むには、「体力・技術・気力」の全てがまだまだ足りていない。

いつか挑戦したい。

 

 

一般ルートから下降。

大勢の登山者が登ってきており、トレースが明瞭だが、油断はせずに降っていく。

 

 

今日は快晴ということで、西穂の稜線には相当な登山者がいた。

独標からの下りは安定の渋滞。

 

丸山まで戻ってくると西穂西尾根が綺麗に見えていた。

 

 

西穂山荘に到着すると土曜日ということで、多くのテントが張られており賑わいを見せていた。

この日のうちに下山できそうだったので、休憩なしで、そのままロープウェイまで45分ほど歩き、下山完了した。

 

感想&動画

動画

 

感想

▼挑むまでの背景

西穂高岳は夏冬ともに穂高の登竜門としての位置付けで、私自身も、夏山登山、雪山登山の両方で憧れを持って挑んできた。

夏には2016年に登頂し、厳冬期には2018年に一般ルートから西穂の山頂に登っている。

2018年の1月に西穂に登った際には、西尾根などのバリエーションルートなんて別世界であり、山岳会などに無所属の私にとってはどうすれば挑戦できるのかすら分からなかった。

 

とにかく前に進みたいと思い、講習会に参加してクライミングの基礎を学び、山岳ガイドからレクチャーを受けたりしながら、低山やゲレンデで練習を繰り返し技術の習得に努めた。

そして、それと同時に体力向上にも励んで、歩荷トレやラントレ、基礎的な筋トレなど、自己流ながら一生懸命毎日を過ごしたが、現実は厳しく独学のツケがきて膝や肩を痛めて、正に3歩進んで2歩下がる。気がつけば4年の歳月が流れていた。

 

2022年の冬も終わろうとしている時、「西穂西尾根に行きたい」という想いが湧き立った。

この時には自分の中に「行ける」という確かな自信があった。

 

▼当日

【1日目】

山行を予定している前の週には雨が降ったり気温の高い日が続いたりと、雪質の変化が気になっていたが、踏肉なども殆どなく順調に標高を上げていくことが出来た。

幕営予定地となる2400mは新穂高からの標高差は1283m。これは涸沢岳西尾根と同じだが、斜度で言うと西穂西尾根の方が緩やかで、精神的・肉体的にも非常に楽。テント適地と呼ばれる幕営地までしっかりと上がれるかが、山行の命運を大きく分けるので、1日目のアプローチが非常に重要である。

2350mの平地でもテントを設営が可能だが、翌日の為に少しでも標高を上げておきたい。疲れた体にムチを内、2400mのコルまで上がり幕営した。

コルということで風が心配だったが殆ど無風で、テント内の結露もほぼ無しで、整地に成功したので、地面の凹凸も殆どなく、非常に快適なテント生活を送ることが出来た。

【2日目】

前夜の快適なテント生活から一点、朝は激しい頭痛からスタートとなった。痛み止めを飲むが一向に収まらず、このままではとても稜線での活動は不可能なのでもう一寝入りをすることに。

30時間ほど寝て幸い治まったので、テントを撤収し、予定よりも大幅に遅い7時過ぎに出発する。

すぐに第1岩峰の登りが始まるが、落ち着いて登れば問題ない。

ジャンクションピークから小ピークに第2岩峰と一部嫌らしい所も交えながら、西穂高岳の山頂へと順調に進んで行く。

今回は珍しく登っている最中から楽しく。私の短い登山人生の中でも最も楽しい山行であった。

 

西穂高岳の山頂には一般ルートから登ってきた登山者で賑わっており、休憩もそこそこに下山を開始する。

山頂直下の雪壁には既に立派なトレースがあるとは言え、問題なく下降することが出来た。

4年前は屁っ放り腰で、随分と時間がかかっていたパートナーも、スイスイと降りてきてくれて、成長したことを改めて実感した。

 

途中渋滞もあり、西穂の山頂から2時間で西穂山荘へと降りてきた。西穂ラーメンを食べたかったが今回は予算が厳しく、残念ながら見送ることにして、そそくさとロープウェイに向かい下山を完了した。

 

【下りてきて】

この半年ほどはトレーニングと実際の山行の両方で体力の増強に力を注いできたが、最近やっとその効果を実感出来るようになってきた様に思う。

今回のトレーニングで少し先が見えるようになった様に思うが、それと同時に慢心せずに、これからもトレーニングに励み事故の無い安全登山を楽しんで行きたいと思う。

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