これまで、登山関係の雑誌や書籍、漫画をそこそこ読んできました。面白かったもの、微妙なものなど色々ありました。
今回は他の人に胸を張ってお薦めできる登山関係の漫画と参考書を2冊ずつご紹介します。
では早速見ていきましょう。
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漫画
孤高の人
坂本 眞一 (著), 新田 次郎 (企画・原案)
オススメ度:★★★★☆
あらすじ
孤高の人は、実在した登山家「加藤文太郎」を題材にした山岳小説の漫画版。
主人公である孤独な青年・森文太郎がクライミングに出会い、登山を続ける中で「前人未到の"K2東壁"に挑戦する」という大きな目標を持ち、それに向かって奮闘する姿を描いた登山漫画です。
おすすめポイント
【絵が綺麗】
自然の美しさと恐ろしさ、人間の醜さなどの様々な情景が、綺麗で読みやすい"絵"で描かれています。漫画を読む場合、内容は勿論ですがまず第一に「絵が自分の好みかどうか」が一番最初のハードルとなりますが、「孤高の人」は比較的誰でも読みやすいタイプの絵だと思います。
【迫力のある描写】
「雪深い北アルプスの稜線をラッセルする場面」
「K2のビバーク地で泣き叫ぶ悲鳴のような強風が吹き荒れる場面」
など文字ではなく、美しくリアリティのある描写で描かれています。表現の精細さは、山をやった事のある人であれば、絵を見れば情景を容易に想像できるほどで、作品中の山行を追体験する事が出来ます。
【山好きなら分かる名言がてんこ盛り】
「山にごまかしはきかねぇ、人間の本性すベてひんむいちまう」
「どうです先輩、イヤでも胸が高鳴るでしょう」
など山好きなら読んでいてドキドキする名言が随所に盛り込まれています。
注意点
【原作の小説とは大きく異なる】
原作と漫画版では時代設定が全く異なり、人物設定も異なります。
原作の漫画版というよりは、同テーマを扱った別作品と割り切って読む方が楽しめる作品と言えます。
【最初は退屈】
最初の1~3巻はちょっと退屈で、読者によっては主人公の態度にイライラするかもしれません。
しかし4巻あたりから展開も起こり物語も大きく進み始め、徐々に主人公の成長も感じられるようになるので、しばらく辛抱して読み進めましょう。
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岳
石塚 真一 (著)
オススメ度:★★★★☆
あらすじ
登山経験豊富で山のプロフェッショナルである「島崎三歩」が北アルプスを舞台に救助活動を行う山岳漫画です。
おすすめポイント
▼一話完結で読みやすい
基本的に一話完結で読みやすいのが特徴。
一話につき救助案件が一つあり、同時に登場人物の人間ドラマが描かれるのが基本的な話の構成。
(※一話完結と言っても、全体的な話は続いていくので通しで読まれる事をお勧めします。)
▼主人公の三歩が優しい
先程紹介した「孤高の人」とは打って変わって、「岳」の主人公である島崎三歩は明るくて、優しくて、オトボケ気味でありながら芯の通った人間で、読んでいて暖かい気持ちにさせてくれる主人公です。
▼山の怖さを教えてくれる
基本的に救助が題材のお話なので、時には登場人物が死んでしまうこともあります。
残された家族が直面する問題なども描かれているので、遭難という事について考えさせられます。
注意点
【ラストは賛否両論!?】
ネタバレになるので多くは語れませんが、ラストは賛否両論だと思います。
【絵がちょっと古い】
絵のタッチが最新の漫画とは少し異なるので、最初は少し馴染めない人も多いかもしれません。
【映画から入った人は主人公の顔にガッカリする】
映画版では主人公の島崎三歩を「小栗旬」が演じているので、映画版が好きで原作の漫画を読むと主人公の顔の違いにガッカリするかもしれません。ただ一言言わせて下さい。「島崎三歩の良さを表現するのに、小栗旬は格好良すぎです。」映画の方が違和感があります。
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参考書
はじめてのテント山行 「登る」&「泊まる」 徹底サポートBOOK
オススメ度:★★★★★
登山でテント泊を行う人に是非おすすめしたい書籍が、「はじめてのテント山行 「登る」&「泊まる」 徹底サポートBOOK (コツがわかる本!) /栗山 祐哉 (監修)」です。
本書の内容
目次を抜粋
- ☆PART1 テント泊登山の装備(全18項目)
- ☆PART2 テント泊登山 ~計画編~(全13項目)
- ☆PART3 テント泊登山 ~行動編~(全6項目)
- ☆PART4 テント泊登山 ~設営編~(全6項目)
- ☆PART5 テント泊登山 ~就寝編~(全5項目)
- ☆epilogue 次のテント泊登山に向けて(全6項目)
テント泊の基本事項からちょっとしたアドバイスや、行動食や水の量の考え方など、テント泊に関するあらゆる情報が網羅されており、文字通り徹底的に解説されています。
おすすめポイント
この本の作者である「栗山祐哉」氏は、日本登山インストラクターズ協会認定の上級登山インストラクターで、登山教室「Kuri Adventures(クリアドベンチャーズ)」の代表を務めている方です。実際に登山のプロが書いているので、とても信頼の置ける参考書となっています。
「クリアドベンチャーズのYoutubeチャンネル」では登山に関する様々な情報が発信されているので、一度見てみると大体どのような方か想像が付きやすいと思います。
勿論、私自身も全ページ読破しましたが、「まぁ凄い一冊」と言えます。
私自身この本を読んだ時には、夏山から厳冬期まで一通りテント泊の経験を積んだ後でしたが、まだまだ得られる知識がある事に驚かされました。
【初心者】この一冊を読みながらテント泊を始めると失敗なく楽しめるでしょう。
【経験者】これまでの経験に、知識の裏付けを加える事で、確かな技術に変える事が出来るでしょう。
ちなみに、書店に売っている「登山雑誌の"テント泊特集〜"」などとは掲載されている内容の情報量が段違いです。
購入して間違いない一冊と言えます。
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イラスト・クライミング
オススメ度:★★★★★
クライミングを行う人に是非おすすめしたい書籍がこちら!「増補改訂新版 イラスト・クライミング / 阿部亮樹 (著), 岳人 (監修)」です。
本書の内容
ロープの結び方などの基本から、大きな岩場を登るためのノウハウまでを、 豊富で精巧なカラーイラストで解説し、複雑なクライミングシステムを視覚的に、平易に理解できる本として発売から高い評価を受け、版を重ねている 「イラスト・クライミング」の増補改訂新版。 この新版では、クライミングの導入部分の説明を増やして初心者によりわかりやすい構成にしたほか、進歩・改良を続ける最新装備も幅広く取り入れて紹介。また、クライミングにつきものの危険を回避するため、うっかりミスなどから事故を起こさないための要注意ポイントも大幅に加えた。 クライマーが著者でイラストレーターだからこそ、細部にまで気を配った緻密な構成が実現。 クライミングをする人にとって必読、必携の一冊。
Amazon公式サイトより引用
おすすめポイント
ギアやロープワークの解説から始まり、実際のクライミングの流れやナチュラルプロテクションの設置方法、イレギュラー時の対処方法など、クライミングに関する基本的なことはほぼ全て網羅されていると言っても過言ではありません。
基礎的な内容にとどまらず、クライミングで起こしやすいミスの紹介や、やってはいけない間違いなども解説されている点も非常に大きな評価ポイントとなります。
そして、それらがイラストにより物凄く分かりやすく解説されている点が他の書籍と多く異なる点だと思います。
(他の書籍は白黒写真であったり、文章ばかりの哲学的なタイプが多い。)
プロの指導を受けている登山者や、山岳会に所属する登山者にとっては、講習前後の予習復習用として活用し、
無所属の独学登山者にとっては、貴重な情報収集源となります。
この書籍をしっかりと熟読し、フィールドでの練習を繰り返せば、クライミングの上達は間違いないでしょう。
購入して間違いない一冊と言えます。
紹介している書籍
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
最近は電子書籍で読まれている方も多いと思うので、もしも気になる1冊があれば是非読んで見てくださいね。
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