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【登山歴6年】想い出に残っている冬山「ベスト5」

登山を始めて約6年が経ち、それなりに多くの山に登って来ました。

今回は、登山歴6年の中で、特に想い出に残っている冬山を5つご紹介していきたいと思います。

【登山歴6年】想い出に残っている冬山「ベスト5」

第5位:厳冬期「釈迦岳 大津ワンゲル道」

大津ワンゲル道

【山行日:2022年1月】

「比良山系 釈迦岳」は滋賀県にある1,000m級の低山ですが、日本海側の気候の影響を強く受ける為、冬季には低山でありながら豪雪に見舞われることも珍しくなく、この日も例外ではありませんでした。

この日私達が通ったルートは、「大津ワンゲル道」という夏季においても人の少ないルートで、冬季ともなると訪れる登山者はほとんどいません。

寒波の到来直後という事もあり、登山口から早々にワカンを装着して出発しました。
標高を上げるにつれて積雪量は次第に増えていき、膝上ラッセルから腰ラッセルとなり夏であれば数時間で山頂に立てる距離にも関わらず、途中で1ビバークを強いられる結果となりました。

また、このルートの終盤には「イチョウガレ」という傾斜のキツイ斜面があり、木の根や岩を掴みながら登るのですが、冬季になると雪壁と化します。
トレースが付いていればそれほど大きな問題はありませんが、ノートレースでは足元も安定せず容易に登れる状態ではありませんでした。

 

低山でありながら、誰もいない中、2日間のフルラッセルと少しアルパイン的な雰囲気も味わえる想い出深い山行となりました。

 

 

第4位:残雪期「南岳 西尾根 (敗退)」

南岳西尾根2022年5月

【山行日:2022年5月】

南岳にダイレクトに登り上げる「南岳 西尾根」

夏季においても急登であることは有名ですが、冬季は上部に細いリッジが待ち構えており、非常に登りごたえのあるルートです。

 

南岳から西に伸びる尾根の末端から取り付く予定でしたが、予想以上に雪解けが進んでおり、取り付き地点で苦労させられました。

取り付き後も藪漕ぎ」「雪壁の登攀」「悪場での懸垂下降」「ルートファインディング」など、雪山登山の醍醐味を凝縮した中身の濃い山行で、
自分達の今持っている全ての技術を出し切った山行となり、敗退でありながらも非常に満足度の高い山行となりました。

すぐにリベンジする予定はありませんが、いつか完登したい山の一つです。

 

第3位:厳冬期「槍ヶ岳」

厳冬期槍ヶ岳 中崎尾根〜西釜尾根

【山行日:2021年2月】

「厳冬期 槍ヶ岳」は本格的な雪山登山を始めた頃から抱いていた大きな夢でした。
残雪期に2度槍ヶ岳に登り、2021年の2月に満を持して挑戦しました。

 

冬季の槍ヶ岳までの道は長く、雪崩の危険地帯を通過し、急斜面を登り、クラストした斜面のトラバース、そして氷化した穂先が待っています。

新穂高から槍ヶ岳まで飛騨沢を詰める場合、天気が良ければ大掛かりなルートファインディング能力は求められませんが、尾根筋を攻める場合、ちょっとした判断で難易度が大きく変わる可能性があります。

特に中崎尾根上部の岩峰を巻くのか直登するのかは、雪の付き方によって判断が分かれるところでしょう。

この時も尾根上にトレースはありませんでした。ノートレースである嬉しさと、少しの不安感の中、自分達だけで判断して進み、最後は足が悲鳴をあげる中、必死にアイゼンを蹴り込み、遂に厳冬期の槍ヶ岳の頂を踏んだあの瞬間の興奮は、今でも忘れられません。

 

 

第2位:残雪期「西穂高岳 西尾根」

西穂西尾根

【山行日:2022年4月】

「西穂高岳 西尾根」は、穂高平小屋から尾根の末端に取り付き、西穂高岳にダイレクトに登り上げる好ルートです。

好天に恵まれれば、急登、リッジの通過、氷化したルンゼの登攀など、雪山の醍醐味が濃縮されたルートを楽しむことができます。
西側から眺める西穂高岳の勇姿は、一度見たら忘れることはできません。

 

西穂は夏冬共に穂高の登竜門として目標としてきた山であり、思い入れのある山でもあります。

2018年の1月に冬の西穂に登頂できた時は嬉しくて堪りませんでしたが、その頃は「西穂 西尾根」はまるで別世界に感じられ、完全無所属の私達にはどうすれば届くのかすら分かりませんでした。

講習会やガイドのレッスン、低山やゲレンデでの練習、歩荷トレやラントレに日々の筋トレ...自己流のせいで膝や肩を傷めて、しばらくトレーニング全般を休んだ時期もありました。

手探りな4年間で随分遠回りをしましたが、気づけば別世界だった西尾根にも行くことが出来て、何よりも思い出の山に成長して戻ってくる事が出来たことが嬉しかったです。

 

 

第1位:厳冬期「涸沢岳 西尾根」

厳冬期 奥穂高岳(涸沢岳西尾根)2022年1月

【山行日:2022年1月】

「厳冬期 奥穂高岳」は槍ヶ岳に並ぶ登山者の憧れではないだろうか。かくいう私もその一人です。
西尾根の取り付きから標高差1500m登り上げる西尾根の道は長く、

  • 樹林帯の急登
  • 両雪庇帯
  • ルンゼの登下降
  • アイスバーンの岩場

万が一にも天気が荒れれば恐ろしいことは有名なことで、入念な準備と好天を待つ辛抱強さも求められます

 

この日は、稜線に上がって以降トレースもなく、私達だけでのラッセルとなりました。両雪庇帯の腰ラッセルの緊張感は今でも鮮明に覚えています。

ルートミスを起こし、一時ヒヤッとする場面もありましたが、最後には無事に涸沢岳の山頂に立つことが出来ました

「厳冬期の奥穂高岳」へは結果的に届きませんでしたが、自分達2人だけでここまで来られた事に大きな成長を感じることが出来た、そんな山行でした。

まとめ

今回は登山歴6年の中で、冬山として特に印象深い山行を5つご紹介させていただきました。

山にはまだまだ素晴らしい世界が広がっているので、これからも安全第一で登山を楽しんで行きたいと思います。

 

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