山岳会に所属せず、大学の山岳部出身でもなく、周りに正しい知識を持った登山者もいなければ、山に関数することは独学で学んでいくしか方法がありません。
では、どこから知識を得るか?
- インターネット
- 書籍
- 講習会
- ガイド登山
今回は、自分の経験をもとに、知識を得る為に、「これだけは受けた方がいい、登山講習会。」を紹介していきます。
【おすすめの登山技術講習会】これだけは受けた方が良い「3つの講習」
受講必須の3つの講習
早速、結論から言います。
- 懸垂下降
- クライミング基礎
- 雪山登山基礎講習
この3つは、本格的な登山を志す上で、必ず基本を押さえて置きたい必須の技術と言えます。
しかし、これらの技術を独学での習得は危険な為、必ずプロのインストラクターやガイド、正しい知識を持った経験者から、しっかりと指導を受けた方がいいでしょう。
懸垂下降
懸垂下降は、ロープを使い危険箇所を安全に下降する為の技術で、緊急時に有効なことは勿論ですが、雪山登山を含め一定以上のレベルの山行では積極的に使用する技術の一つとなります。
しかし、懸垂下降はクライミング中の死亡事故ワースト1位で、その殆どがヒューマンエラーによるものだと言われています。
プロの指導のもとでの習得が不可欠と言えます。
▼受講の背景
登山を初めて1年が経過した頃、比良山系の縦走中に道迷いおこし、気がつくと、樹林帯の中とはいえ、一歩間違えれば滑落するような斜面に出くわし、進むも戻るも非常に危険な状態に陥りました。その時は、命からがら斜面を下り、なんとか登山道に復帰しました。
当時から、懸垂下降の存在は知っていたので、ロープと技術があれば、大きな危険を犯すこと無く、下降できただろうと思い。技術の習得を決意しました。
▼実際に参加した講習
- モンベル:登山技術実践講習会<懸垂下降編>御在所岳
- 毎日新聞旅行:蓬莱峡講習会
クライミング基礎講習
- アルプスの岩稜帯を通過する為のスキル向上
- 雪山登山でのMIX帯に対応する為のスキルの向上
- 同行者の安全確保の方法
これらのほとんどが、クラミングの技術を学ぶことが早道であり、同時に必須とも言えるでしょう。
クラミングゲレンデの一番簡単なルートでも、登ってしっかりと練習をしておくと、一般登山道で遭遇するほぼ全ての岩場には対応できるようになります。
また、クライミングの基礎的な技術を習得すれば、アイゼンを履いた状態で岩登りを行う「アイゼントレーニング」も安全確保をした状態で行うことが出来るので、岩と雪のMIX帯のルートへの挑戦が可能になってきます。
しかし、クライミングも懸垂下降と同様、独学で行うことは非常に危険なので、プロの指導のもとでの習得が不可欠と言えます。
▼実際に参加した講習
モンベル六甲店:クライミングスクール STEP1~4+アルパイン
雪山登山 基礎講習
雪山登山は、夏山登山と違い、非常に多くや知識や、確かな技術が求められます。
- アイゼン・ピッケルワーク
- 雪崩対策
- ビバークの方法
- 地形、天候判断など
厳冬期であっても人気のあるメジャールートでは、晴天時には登山者も多く、トレースを巡って行けば技術を習得していなくても問題なく登れることもあると思います。
しかし、山ではいつ何時"万が一"が起こるか分かりません。
▼受講の背景
私自身、「雪山登山の講習会」へ参加したのは、雪山登山を始めて3年目くらいでした。それまでに、厳冬期の赤岳や西穂高岳、残雪期の槍ヶ岳にも登った経験がありましたが、全て「晴天無風+トレースあり」という好条件下で、”自身の力で登った”というよりも、「登れちゃった」に近かったと思います。
それ以外にも色々な場面での自信の判断力の低さや、パートナーのアイザンワークの心許なさ、そして、ビーコンやプローブの使い方や雪洞の掘り方など緊急時の対策方法も知らなかったので、基本に立ち戻る為にも参加を決めました。
▼実際に参加した講習
西穂山荘主催:冬山安全登山講習会(2泊3日)
選ぶポイント
講習会の種類は多く、今ご紹介した3つの講習会以外にも色々とあります。
- 歩き方
- テント泊
- ビバーク
- 岩場の通過方法
- 懸垂下降
- クライミング基礎
- 雪山基礎(アイゼン・ピッケル・滑落停止・雪洞・ビーコン)
- アイスクライミング
受けたい講習があれば、受ければいいのですが、講習会の料金も馬鹿にはならないので、何個も何個も受けるのは難しいと思います。
私は、「緊急時または常に必要な技術で、独学での習得は危険なもの」を講習会で学習すようのしていました。
例えば、テント泊やビバークについては、個人でも十分に練習が可能です。
▼テント泊の練習
初めてテントを建てる時は公園や河原で試し張りを行い、初めてのテント泊は「標高の低い山」「樹林帯など風の強い場所は避ける」「天気の良い日」など、ポイントを押さえれば初めてでも危険もなく過ごす事ができます。
▼ビバークの練習
慣れ親しんだ低山でカモシカ山行として、夜中に山頂を目指し、夜明けの2~3時間程前に山頂に到着し、ツェルトに包まり夜明けを待つというのでも、十分な経験となります。
もう少し進んだ練習として一夜を超す場合も、予め傍にテントを張っておけば、不可能と感じた際に直ぐにテントに逃げ込むことができます。
このようにやり方次第で個人の練習でも特に危険性は無いものに関しては、独学でもいいと思います。
講習会の受講をおすすめの理由
確かな技術が習得できる
これが主たる目的なので言うまでもないのですが、専門書籍を読んで独学で練習しているのは違い、実際にプロの指導者の下で実践的に学ぶことは、確実且つ安全に最も早く技術を習得することが出来ます。
例えば「懸垂下降」のやり方は、ネットや専門書籍で調べることが出来ますが、指導者の下で学ぶ場合、「懸垂下降」を行う上での注意点や、ヒューマンエラーが起こり易いポイント等、ちょっとしたポイントを一緒に学ぶことが出来ます。
そして、「安全の為の技術」を「安全を確保されて状態で行うことが出来る」ので、講習に専念することが出来ます。
プロのガイドから色々聞ける
その講習の技術に関することは勿論、登山に関する様々な疑問を聞いてみるのもいいでしょう。
(講習中に講習内容以外の話しをするのはNGなので、講習終了後に個別に質問するようにしましょう。)
私は今まで全ての講習会でプロの山岳ガイドに色々な質問をしてきましたが、まさに「目から鱗」な回答ばかりでした。さすがは”プロ”というだけはあります。
知識は勿論ですが、意識の面で非常に大きな変化がありました。
独学で登山をしているような場合、こういった場面でしか正しい知識を持った人と接することがないので、非常に貴重な経験となります。
講習会よりも重要なのは、その後の練習
個人的におすすめの講習会を紹介しましたが、その他の講習会を含めて共通して言える事は、
「自身で反復練習を繰り返す。」ことが重要だということです。
講習会に参加したからといって、即技術になるわけではありません。
何度も繰り返し練習し、そして実践で使うことで、少しずつ確かなものへとなっていくのです。
クライミングや懸垂下降は、自宅近くの岩場の一番簡単なルートに何度も通い、何度も練習を繰り返しました。
雪山講習会で習ったことも、年に1回は、近場の低山で自分たちで練習をしています。
まとめ
クライミングや雪山登山技術の基礎が身に付くと、登山の世界はぐっと広がります。
また、既にその領域に足を踏み入れて色々なアクティビティを楽しんでいる場合も、一度基本に立ち返り、確かな技術を再確認することで、より一層技術に磨きがかかることでしょう。
「万が一」はいつやってくるかわかりません。いつ来るか分からない「万が一」に備え出来る備えをして安全登山を楽しみましょう。
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