登山を始めてた6年が経過し、少しずつ色々な山に登ってきました。
今回は、これまでの雪山登山で「あの場所は怖かった」というシーンを6つご紹介します。
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【登山歴6年】雪山での〝緊張シーン〟あの場所はヤバかった!6個
北アルプス南部:大喰岳
これは2021年の4月に大喰岳西尾根から槍ヶ岳に登った時の話です。
【ルートの説明】大喰岳は北アルプス南部に位置する3101mの山で、槍ヶ岳の南側600mに位置しています。
大喰岳西尾根は中崎尾根と並ぶ岐阜県側から槍ヶ岳へと至る冬季メジャールートの一つとされいます。本ルートは飛騨側の標高2450mにある通称「宝の木」から取り付きます。
一番最初の取り付きは急斜面となりますが、ルート上に主だった危険箇所はなく快適な雪稜歩きが楽しめます。
大喰岳~飛騨乗越への下り
上の写真は槍ヶ岳山荘から眺める大喰岳です。
こうやって写真で見るとなだらかで、なんてことのない斜面に見えますが、、、 実際は魔の斜面でした。
大喰岳西尾根から大喰岳に登頂し、飛騨乗越に下降しようと歩き始めると、雪面がツルっツルにクラストしている事に気が付きました。
もはやクラストを通り越して、完全なアイスバーンでした。
本当にアイゼンの前爪2本しか刺さらない状態で非常に緊張する下降となりました。
斜度自体は壁という程ではありませんが、とにかく雪面がツルツルすぎてクライムダウンが必須でした。
滑ったら、、、終わりです。
北アルプス南部:槍ヶ岳 中崎尾根
これは2021年2月に北アルプス南部の槍ヶ岳に中崎尾根から登った時の話です。
【ルートの説明】中崎尾根は大喰岳西尾根と並ぶ岐阜県側から槍ヶ岳へと至る冬季メジャールートの一つとされいます。
槍平から奥丸山方向へと進み支稜線へと取り付きますが尾根に乗るまでの所要時間は雪質やトレースの有無によって異なりますが、雪が多い場合は槍平から尾根上のテント適地に上がるだけで1日の行程が終了してしまう場合もあります。
その後も、千丈乗越・槍ヶ岳へと近づくにつれて随所に難所が現れる為、大喰岳西尾根に比べると雪深さや技術的な難易度が高い印象です。
岩峰の直登=草付&ボロ岩の壁
中崎尾根から槍ヶ岳に向かう場合、千丈乗越の手前にある岩峰を「直登」か「トラバース」か選択を迫られます。
この時は雪質から直登を選択しましたが、それはそれで非常に緊張する局面となりました。
下から見ていると「簡単に登れそう」に見えるのですが、いざ取り付いてみると、そこに待っていたのは、
「体感的に壁」「草付のボロい岩場」というダブルパンチで、めちゃくちゃ緊張しました。
悪場はそれだけではありません。
真のナイフリッジ
ボロ岩の壁を突破した先には、ナイフリッジが待っていたのです。
(※写真の数倍は怖いです)
雪山といえばナイフリッジも珍しくはありませんが、ここまで細いリッジはなかなか経験したことがありませんでした。
雪の付き方一つで大きく変わるのでしょうが、体力・精神力ともに削られてしまいました。
北アルプス南部:涸沢岳西尾根
これは北アルプス南部の涸沢岳西尾根に登った時の話です。
【ルートの説明】
涸沢岳西尾根は奥穂高岳へと至る冬季メジャールートで、樹林帯の急登から始まり、蒲田富士の雪庇帯、主稜線へと続くルンゼやその先のアイスバーンなど難所の続く厳しいルートとなっています。
2400mのテント適地が登山口となる新穂高から標高差1300mであり、テント適地から涸沢岳までも標高差が約700mあり、技術は勿論のこと非常に体力の求められるルートとなっています・
このルートは数回歩いており、3回ほどヤバい状況に遭遇しました。
樹林帯の氷壁化
涸沢岳西尾根の序盤は樹林帯の急登が続くのですが、季節によっては樹林帯の中もアイスバーンと化す時があります。
これは2020年の3月に登った時の話です。
3月ということで季節は少しずつ春へと移っており、気温の上昇と低下を繰り返していたことで、樹林帯の中でも雪が非常に硬くなっている場所がたくさんありました。
特に酷かったのは樹林帯の中の「FIXロープ」の場所で、ここは特に斜度がきついのですが、その最上部が正に氷壁と化していました。
雪面はカリッカリで、木の根を掴もうにも木の根も氷で纏われておりツルツル滑るという悪場でした。
私は「ヤベ〜」と言いながら登り切りましたが、まだまだ経験の少なかった妻は半泣きで登っていました、、、。
(「樹林帯でこれでは無理だ」と判断して、この時は蒲田富士まですら行かずに敗退としました。)
雪庇の下の通過
これは2022年1月の話です。この日は蒲田富士で日の出を迎える計画で暗い時間から行動を開始しました。
ノートレースでしたが雪質も良く予定よりも早くに蒲田富士へと到着しました。止まっていても寒いだけなのでそのまま進むことにしました。
雪庇に注意しながらラッセルをしていると「何かがおかしい」と気がつきました。
それと同時に少しずつ周囲が明るくなり「違和感」の正体に気がつきました。
なんと自分達は雪庇の真下を歩いていたのです。
上から崩れてきたら...
今いる斜面が雪崩れたら...
ゾッとしました。
気がついて直ぐに来た道を引き返しましたが、その周辺の雪の状態はあまりよろしい状態ではなく、そのまま進んでいたらヤバかったかもしれません。
両雪庇帯で腰ラッセル
こちらは先ほどの話からの続きで同じく2022年1月の話です。
先ほどのルートミスから正しいルートへと復帰したのは良いのですが、そこに待っていたのは両雪庇帯の腰ラッセルでした。
先述の通り雪の状態は比較的良好で"底なし"とはならずラッセル自体は比較的快調に進んだのですが、何分「場所が悪い!」
雪庇の場所が右に左に変わる場所で、常に「自分のいる場所とこれから進む場所」を考えながら進んでいきました。
勿論、その先にあるリッジもノートレースです。
怖かったです。
大山(鳥取県)
これは雪山2年生の時に鳥取県の大山に登った時の話です。
【ルートの説明】
弥山〜剣ヶ峰の区間は冬季のみ通行が可能となる特別なルートで、冬季も細いリッジが続く難ルートとなります。
この日は1日目に夏道登山道から弥山へと登り、そこでテント泊を行い、翌朝「剣ヶ峰」へと向かいました。
(雪山2年生で剣ヶ峰は、ビギナーズラックを通り越してただのバカです。反省)
弥山~剣ヶ峰
上の写真は弥山〜剣ヶ峰で最もeasyな場所で、極細のナイフリッジで連発し、場所によっては馬に股がるようにしないと怖くて進めない場所も現れました。
剣ヶ峰を視界に捉えた辺りで、岩と雪のMIX帯が現れたのでここで敗退としました。
比良山系(滋賀県)
大津ワンゲル道(滋賀県)
【ルートの説明】
大津ワンゲル道は、比良山系の釈迦岳(1060m)へと至るルートの一つで、夏は一応は"難ルート"の表記がなされているが、一定の登山経験を有しており尚且つ、登りにおいて利用すれば大きな問題はない。
というのが夏の場合の話ですが、大津ワンゲル道の一番の難所とされる「イチョウガレ」は、夏は落ち着いて登ればアスレチック感覚で楽しく登る事ができるルートですが、冬になり雪がつくと「雪壁」と化し、ノートレースでは容易に登れる状態ではなくなります。
これは2022年1月に登った時の話です。
この日は休日でしたが、他の登山者の姿はなく、深いラッセルに苦しめられて、通常3時間ほどの距離に1ビバークを強いられる結果となりました。
そして、翌朝、冒頭に述べた「イチョウガレ」に到着すると、そこは正に「壁」となっており、本来アイゼンを出したい場面でありながら雪が深すぎる為にワカンの装着が必須となっていました。
「体感的に壁」×「不安定な足元」というダブルパンチで思わずロープを出して確保しながら登る羽目となりました。
いやぁ、あれは緊張しました。
まとめ
雪山登山の大きな特徴として、雪の量・雪質・雪の付き方など、「雪のコンディション」で難易度が大きく変わるという点があります。
これが醍醐味でもあるのですが、時に命取りともなりうるので、その時々に冷静な判断で対処をしなければいけません。
またこれらは決して標高の高い山に限った話ではんく、1,000m級の低山でも雪の状態によってはアルプス級の難易度へと変貌する事があるという事も念頭に置いておきましょう。
それでは、安全登山で素晴らし雪の銀世界を楽しみましょう。
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