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【質問】雪山にワカンは必要ですか?「答:非常食と同じです」

皆さん、ワカンやスノーシューといった、浮力を高める為の装備をお持ちでしょうか?

ちゃんと雪山に持っていっていますでしょうか?

今回は、ワカンが雪山では必須装備であるという事についてお話ししたいと思います。

私が所有しているのが「ワカン(輪かんじき)」なので、本記事ではワカンについてお話ししますが、スノーシューなどにも同じことが言えます。

【質問】雪山にワカンは必要ですか?「答:非常食と同じです」

ワカンを持たない選択肢はない

ワカンやスノーシューは、降雪直後など新雪の上を歩く際に、浮力の向上を助ける為の装備なので、

  • 人気ルート
  • 降雪直後ではない

といった条件下では、ワカンを所持していない登山者を多く見かけます。

 

降雪直後であっても、人気ルートであれば既にトレースがバッチリとついている事も珍しくなく、ワカンを持ってきていても使用する場面はなく、ただのオモリとなることも多々あります。

だからと言ってワカンを持ってこない理由にはなりません。

 

降雪量にもよりますが、ドカ雪となった場合、ワカンやスノーシューがなければ歩行が不可能な状態となる場合があります。

 

「多分、他の登山者が登ってトレースがついているだろうから、重たいワカンは置いていこう」

という考えでワカンを持たずに雪山にくる登山者は、厳しい言い方をすればラッセルする気がない人と言えます。

他人頼みで雪山登山というのは如何なものでしょうか。

 

 

ワカンは非常食と同じと思え!

ワカンは非常食と同じで、使う予定があろうがなかろうが、雪山である限り、必須装備の一つとなります。

山の中は予想外の出来事が起こるものですが、雪山となるとその厳しさは夏山の比ではありません。

 

「ワカン=非常食」とは、ワカンやスノーシューといった浮力補助の装備がなければ行動不能に陥る場合があるという意味です。

  • 厳冬期であっても季節外れの超柔雪となった場合、「ツボ足・アイゼンのみ着用」では行動不能
  • 荒天の中ビバークした翌日はドカ雪に阻まれて、「ツボ足・アイゼンのみ着用」では行動不能

ワカンは両足で800g前後となり、装備全体から見た際は大きなウェイトを占めているのは事実ですが、緊急時にも使う装備と考えると軽量化の対象にはなりません。

日帰りでも非常食を持参するのと同じ考え方です。

 

 

ワカン活躍の場は新雪だけじゃない!

「ワカンは新雪の中を進む為の装備」というのが一般的な考え方ですが、色々な場面で活躍します。

 

例えば、、、

▼林道のアプローチ

厳冬期 奥穂高岳(涸沢岳西尾根)2022年1月

雪山では登山口まで雪の積もった林道を歩くことが多いですが、他人のトレース(ツボ足)を重ねて歩く場合、地味に疲れる事がありませんでしょうか?

歩幅が合わずに苦労したり、歩幅を合わせても少しズレると結局"ザクっ"と踏み抜いたり、、、。

こんな時にワカンを履けば想像以上に"楽"になります。テント泊装備などザックが重たい時ほど、変化が現れやすいです。

 

▼残雪期

南岳西尾根2022年5月

ワカンは新雪だけではなく、水分を多く含んだ軟雪でも力を発揮します。

「残雪期=雪が締まってくる時期」ではありますが、それと同時に、最も雪がグシャグシャに腐りやすい時期でもあります。

腐った雪がどれほど歩き難いかは経験のある方であれば十分お分かりだと思います。

このような状況下でもワカンを装着すれば大分と歩きやすくなります。

 

 

まとめ

結論を言いますと、

「雪山やるなら、ワカンくらい担げる体力をつけましょう。」

という事になります。

少し厳しい言い方ですが、「ワカンが重たいから持ちたくない」と安易に判断する人は、それ以外にも他の部分も足りていない可能性があるからです。

適切な装備と知識で雪山登山を安全に楽しみましょう。

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