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【レビュー】遭難対策ココヘリ 「メリット・デメリットを解説」

ココヘリ

山岳遭難の対策の一つとして、最近注目を集めている「ココヘリ」

私自身もココヘリに入会しているので、ココヘリについてご紹介していきたいと思います。

尚、2022年7月1日から山岳遭難費用保険のjROのサービスが追加され、更に心強いサービスへと進化しました。

また、最後ではちょっぴりココヘリにお得に入会する方法もご紹介します。

【レビュー】遭難対策ココヘリ 「メリット・デメリットを解説」

サービスの概要

ココヘリ

ここでは詳しい説明は省略しますが、ざっくりと簡単に説明すると

「会員証(発信機)を携帯していると、万が一登山の最中に遭難しても、専用の受信機を持ったココヘリが遭難者の位置を特定してくれる。」というサービスです。

 

ココヘリのメリット(おすすめポイント!)

私が実際にココヘリに入会した理由や、おすすめのポイントなどをご紹介していきます。

メリット1:年間5,500円でお得に安心を買える

ココヘリ

スタンダートプランなら年会費は5,500円となりますが、5,000円と言うと決して安い金額ではありませんよね。

 

しかし、「年会費5,500円」で受けられるサービスがこちら

特徴

  • 【安心ポイント1】ココヘリによる無料での捜索(年間最大550万円まで)
    →ココヘリが貴方の居場所を探してくれる
  • 【安心ポイント2】個人賠償責任補償(1億円)
    →登山中に万が一誰かを怪我させてしまっても保険が降りる
  • 【安心ポイント3】アウトドア用品補償(3万円)
    →登山中に登山用品を破損してしまっても保険が降りる
  • 【安心ポイント4】地上を含む山岳遭難費用保険(年間最大550万円まで)
    →個別に山岳遭難費用保険に入る必要がなくなった。

 

▼550万円まで無料で捜索

ココヘリによる捜索は勿論ですが、民間ヘリ、遭対協など本来であれば多大な費用が発生する捜索態勢でも、年間550万円まで費用が補填されます。

ポイント

ココヘリは回数制限なく無料で出動(年間最大合計550万円まで)

警察のヘリが出払っていた為、民間のヘリが救助に向かった場合も無料(年間最大合計550万円まで)

警察だけではなく、遭対協の人々が出動した場合も無料(年間最大合計550万円まで)

注目して欲しいのが、山岳遭難費用保険がサービスに含まれているという点です。

即ち、今まで個別で入っていた山岳遭難費用保険に別途入る必要がないという事です。

 

 

▼他人を怪我させても保険が降りる

登山で誰かを怪我させてしまった場合と言えば、どんな場面があるでしょうか

  • 落石の誘発
  • 転倒により他者を巻き込む

などでしょうか。

そもそもが法律で賠償責任を回避できるケースも多々ありますが、関係性や状況によっては多大な損害賠償を請求されるケースも十分に起こりえます。

あるに超した事はありません。

 

▼登山用品を壊してしも保険が降りる

登山は用品は過酷な環境で使うからこそ、いつ壊していまうか分かりません。

また、最近は悲しい事に山の中での盗難もチラホラ耳にします。

 

登山装備はどれも非常に高価なものばかりで、買い替え費用や修理代金もバカになりません。

 

上限額(3万円)と免責額(5,500円)があるはいえ、このサービスは非常に助かります。

 

補償対象

【基本装備】

ヘルメット、アウトドアウォッチ、GPS端末、高度計、雨具、ヘッドライト、ストック、トレッキングポール、レッキンググローブ、アウトドアカメラ

【テント泊】

テント、寝袋、タープ、ツエルト、コンロ、エアマット

【雪山装備】

雪崩ビーコン、ピッケル、アイスバイル、アイゼン、スノーシュー、スキー板、スノーボード、ビンディング、ゴーグル

 

こんな感じで年間5500円でこれだけのサービスを受ける事が出来ます。

これは断言できますがメチャクチャお得です。

 

 

メリット2:軽い!たったの20g

ココヘリ

登山において「軽さは正義」です。

サイズ

【重さ20g】横39mm、縦58mm、厚み12mm

 

日頃から軽量化に神経を使っている登山者にとっても、20gであれば、全く問題ないでしょう。

また、「生活防水」&「MADE IN JAPAN」の安心構造です。

 

バッテリーもフル充電で2ヶ月持つので、念の為に1ヶ月に1回充電しておけば長期縦走でも問題ありません。

 

 

メリット3:大事なものをスマホで探せる

ココヘリ

200m以内であれば、自身のスマホで会員証(発信機)を捜索することが出来ます。

 

山に行かない時は、ココヘリの会員証(発信機)を「紛失したくない大切な物」につけておけば、スマートフォンのアプリで居場所を探すことができます。

200m以内であれば、専用のアプリでレーダー式に位置を探る事ができます。

また、最後の電波を拾った場所をスマートフォンの地図に表示する事ができるので、大まかな場所をの特定にも役立ちます。

 

 

メリット4:災害など、登山以外でも出動してくれる

ココヘリ

登山以外での出動の場合は有料とはなりますが、もしも常に肌身離さず携帯していた場合、不測の事態に陥って行方不明となった際にも出動をしてくれます。

 

 

メリット5:会員専用サイトでお得に買い物

ココヘリ AJモール

ココヘリの会員専用サイトで、登山用品を購入する事ができます。

これが結構お得です。

 

取り扱い数に関しては、Amazon、楽天などの大手のショッピングサイトに比べると見劣りしてしまいますが、

定期的にセールが行われており、定期的にチェックしていれば、超お得な掘り出し物に出会えることもあります。物によってはAmazonなんかよりも圧倒的に安い事があります。

また、一番注目したいのが、購入した金額の10%が翌年の年会費から割引されるという点です。

「会員専用サイトで、20,000円分の買い物をした場合、翌年の「年会費5,500円」から2,000円が割引されて、年会費が3,500円になる」というサービスです。

私は実際にココヘリに入会後、シュラフの買い替え時にAJモールを利用し、業界最安値で入手しました。2個購入して合計額が5万円を超えたので、翌年度の年会費をタダにする事が出来ました。

 

 

デメリット(注意点)

ココヘリは非常に画期的なサービですが、利用に当たってはしっかりと本質を理解しておかなければいけません。

デメリットというよりは「サービスの性質を正しく理解して、賢く活用しましょう。」という意味です。

【登山届は必須】ココヘリの捜索可能範囲は16kmまで

ココヘリの捜索が可能な範囲は、専用の端末を持ったヘリを中心とした半径16kmまでとなります。

その為、最低でも登山に出かけた山域やルートなどが分からなければ、捜索は不可能ととなります。

また、ココヘリ事態には、自らSOSを発信する機能はない為、登山者自身か家族・知人からの通報がなければ捜索はして貰えません。

当然ですが、携帯電話の電波が入らなければ、救助要請をする事は出来ません。

 

登山に出掛ける際は、必ず登山届を提出すると共に家族とも共有し、「○○までに連絡が無ければ通報してくれ」といったように、しっかりとした対策をしておくようにしましょう。

 

ココヘリへも知らせておくと安心

ココヘリ

ココヘリのマイページから登山届の共有が可能となっています。

自宅に登山計画書を伝えていても、家族は山の名前などを理解していなかったり、緊急時に気が動転して的確に伝えられないという事も想定されるので、

救助活動をより円滑にする為にも、ココヘリへの登山届の共有は、是非活用しましょう。

【選べる登山届】ココヘリ専用フォーム、ヤマレコ、ヤマップ、コンパス

 

 

捜索対象外地域も僅かにはある

ココヘリ公式サイトより引用

基本的には、捜索可能範囲を日本全国カバーしていますが、一部の例外地域があります。

【サービス対象外地域】

  • 沖縄県
  • 島嶼部(佐渡島・種子島・大島などの小さな島)

※屋久島は捜索対象地域ですので安心して下さい。

 

例えば、西表島(沖縄県)にも本格的な登山ルート(未舗装)なんかもありますが、道に迷っても捜索して貰えませんのでご注意下さい。(※いわゆる超秘境的な所に行く場合は、インリーチミニなどの衛星通信機器の携帯をお勧めします。

 

まぁ、登山として訪れる地域は全てカバーされているので問題はありません。

 

 

 

携帯方法・保管方法は確認しよう

最大16kmまで電波を飛ばしてくれるココヘリですが、正しく装着していないと電波を最大限活用することは出来ません。

 

駄目な例

ココヘリ公式サイトより引用

上の図のようにココヘリの発振器の上を塞ぐような状態になると電波が飛びづらく、捜索者が電波を正しく拾うことが出来ません。

 

また、既に述べましたがココヘリはフル充電から2ヶ月間、バッテリーが持続しますが、バッテリーの残量を示す表示はありません。

その為、山行の前には必ず充電する癖をつけましょう。

 

 

その他

申し込みをしてから、自宅に届くまで

私の場合、火曜日の日中に申し込みをして、水曜日に発送完了のメールが届き、木曜日の午前中に到着しました。

タイミングや地域により若干異なる事もあるかと思いますが、会員証は大凡2日程で届くようです。

 

ココヘリは日々進化しています。

2016年に開始した本サービスは、開業以来、科学の進歩と、社会のニーズに合わせてサービスは日々進化しています。

私がココヘリに入会した当初は、提供されるサービスは探査機による捜索のみで遭難対策費用保険は付与されていませんでしたが、現在は「jRO」のサービスが組み込まれている為、個別に遭難対策費用保険に加入する必要がありません。

 

また、2023年6月からは更なるサービスの向上が発表されており、より一層使いやすくなります。

 

 

お得に入会する方法

1人で入会する場合

ココヘリが色々な会社とタイアップコラボをしているので、気になるのがあればそこから申し込むのもありですが、

その他にも色々な山関係の機関(YAMAHAKなど)がココヘリの"代理店契約"を結んで、入会金が1,000円OFFになるサービスをしているので、ネットで検索してみることをオススメします。

 

 

2人以上で入会する場合

ココヘリでは「安心の輪を広げるプロジェクト」として、ココヘリ会員が入会希望者を紹介すると、新規入会者の入会金3000円が無料になり、また紹介した人の翌年の年会費が紹介人数1人につき1,000円安くなります。

その為、夫婦などで登山をされている場合は、まずはどちらか一人がネットなどの代理店契約をしている所を経由して入会金1,000OFFでココヘリに入会し、「いいなぁ」と思えばパートナーにココヘリを"紹介"という形で入会をすれば、合計4,000円ほど安くなることになります。

例「夫婦で登山している場合」

夫:YAMAHAKの代理店契約の入会金1,000引きでココヘリに入会。

妻:夫の紹介で入会金0円でココヘリに入会。

夫:翌年は年会費が1,000引き!

 

 

まとめ

厳冬期 奥穂高岳(涸沢岳西尾根)2022年1月

色々と注意点や、便利なポイントを紹介して来ましたが、最後に重要なことをお伝えしておくと、

「遭難は誰にでも起こりうる」と言うことです。

  • ハイキング〜高難度な山行
  • 入門者〜上級者
  • 初めての山域〜慣れ親しんだ山域

いつ誰が遭難をしても不思議ではありません。

「注意していれば、遭難なんてしない」と思いますが、日頃からどれだけ注意をしていても、ふとした瞬間に遭難をしてしまうのが、山の不思議であり怖い所です。

5,500円で万が一の際に、生存の可能性を少しでも上げられるなら、安いと言えるでしょう。

 

 

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