槍ヶ岳へと至る登山者憧れのバリエーションルート「北鎌尾根」。
2023年7月、3年越しの夢を叶えました。
この記事では1日目の記録を紹介します。
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目次
【山行記録】槍ヶ岳 北鎌尾根/2023年7月15日〜17日「1日目」
ルート&タイム
▼2023年7月15日
- 上高地バスターミナル:08時00分
- 明神館:8時47分
- 横尾:11時37分
- 槍沢ロッジ:12時30分
- ババ平:12時57分
- 大曲:13時30分
- 水俣乗越:15時00分
- 北鎌沢出合:17時20分
行動時間:約09時間20分
アクセス
アカンダナ駐車場に駐車
今回は最終日の下山が遅くなった際に対応できるように、沢渡ではなくアカンダナを選択。
- 槍ヶ岳〜新穂高:標準CT6時間55分
新穂高〜平湯:最終バス18時35分 - 槍ヶ岳〜上高地:標準CT8時間30分
上高地〜沢渡:最終バス16時55分
最終のバス時刻からの逆算で、上高地への下山なら9時には槍ヶ岳山荘を出ないと行けませんが、新穂高への下山なら山荘を11時30分に通過すれば間に合います。
尚、あかんだな駐車場かさわんど駐車場の混雑具合ですが、どの方面から来るかで、どちらの駐車場を利用するか分かれると思うのですが、混雑を避けたいなら、あかんだな駐車場の方がマシなような気がします。
【収容台数】
あかんだな駐車場:約850台
さわんど駐車場:約2,000台(市営・民間の合計)
それぞれ夏シーズンの連休に何度か使用していますが、やはりさわんど駐車場の方が混雑している印象が強いです。
▼リンク
天気
1日目:雨のち曇り、夕方は晴れ
2日目:曇り、時々晴れ、夜は晴れ(星空)
3日目:快晴!
登山道の状況・危険箇所
上高地〜横尾
整備されたなだらかな観光ロードで歩きやすいですが、横尾までは登山者やハイキング客が多くて、混雑時は気持ちが焦る場合があります。
1時間ごとに明神館、徳沢ロッジ、横尾山荘と小屋があるので、休憩には便利です。
横尾〜槍沢ロッジ〜大曲
横尾以降は登山道となりますが非常によく整備されておりとても歩きやすいです。
横尾以降は登山客の数もある程度は落ち着くので、人が多いのが苦手な人もここまで頑張りましょう。
槍沢ロッジとババ平で水が無料で補給できるので、初めから沢山担ぐ必要はありません。
大曲〜水俣乗越
大曲から水俣乗越まで一気に約400m登り上げます。
一般登山道ですがひたすら九十九折を登っていくので体力的にキツイ区間となります。終盤少しザレているので念の為注意。
尚、上高地バスターミナルから水俣乗越までは、最低でもコースタイムで歩けていないと、この後の行程に遅れが出る場合があるので、注意しましょう。
水俣乗越〜北鎌沢出合
ここから先はバリエーションルートとなるので、要注意。
水俣乗越から北鎌沢出合まで約500m下ることになりますが、最初は有名な急なザレ場で落石には十分に注意しなければいけません。
※このルートを引き返して北鎌沢出合から水俣乗越に戻る場合、誤って「間ノ沢」に入り込まないように十分に注意。
※2023年7月15日時点でアイゼン・チェーンスパイク・ピッケル等は不要でした。
動画はこちら
3日間の山行記録を映像に残していますので、よろしければどうぞ。
1日目:上高地〜槍沢ロッジ〜水俣乗越〜北鎌沢出合
上高地〜槍沢ロッジ
仕事を終わらせ帰宅し、最終パッキングを済ませる頃には日付が変わろうとしていました。山の前日くらいは早く帰りたいですが、最近はそうもいきません。
途中のSAで景気付けにカツ丼を食べて、上高地へ向けて車を走らせます。
アカンダナバスターミナルに着いても雨が降っていましたが、昼前から止む予報だったので出発。
幸い上高地に入ったタイミングで雨が止みました。
今日は7月15日(土)で連休の初日ですが雨予報ということもあり、観光客は少ないです。
下山は新穂高側に降りましたが、連休最終日の月曜日の上高地はバス待ちの列が凄いことになっていたようです。
明神館で着ていたカッパを脱ぎます。
上高地~横尾までは平坦ですが、結構距離が長いのでペースを上げすぎに、気楽に歩いていきます。
ちょっと写真が飛んで「一ノ俣」
横尾で県警の方が注意喚起で立っておられたのでご挨拶。
すでに数パーティーが入っているとのことでしたが、実際には数パーティーどころか凄い数の登山者でした。
槍沢ロッジ〜水俣乗越
槍沢ロッジを過ぎて、ババ平に到着。
13時ですが、既に多くのテントが張られていました。おそらくこの日の夕方までにテント場も満席状態になった事と思います。
ここで休憩し、水を1リットル補給。水俣乗越を下れば随時水が補給できるので、最小限に留めました。(※季節により水俣乗越以降の沢の水量は大く異なるので、秋口などは汲める所で汲んでおくのが無難です)
またまた場面が飛んで水俣乗越。
大曲から一気に約400mを「無心×一定のペース」で登り上げました。
去年来た時は9月で真夏を過ぎた頃でしたが、ドピーカンだったので滅茶苦茶辛かったですが、今回は曇りということもあり、そこまで辛くなく登ってこれました。
水俣乗越〜北鎌沢出合
水俣乗越から下を見下ろす。
ここから先は、北鎌の稜線に上がるまでは携帯電話の電波も通じません。
山の懐に入る感じがして、心が躍るのと同時にお腹がキューっと締め付けられるような緊張感、、、。
去年の苦い思い出が脳裏を過りますが、今回はここを登り返さない事を心に誓って、ザレ場を下ります。
ざれざれですが、落ち着いて降れば問題ありません。
北鎌尾根でここが一番の核心という人がいますが、普通に北鎌尾根の方が難しいです。
前後に登山者がいる場合は、人工落石に注意が必要です。
ザレ場を少し下れば程なくして林の中にルートがあるので早急に入り込みます。
ここも小~中サイズの石がゴロゴロしていて歩き難いですが、丁寧に下れば問題ありません。
しばらく進むとザレ場の終点が見えてきます。
最後が結構ザレているので要注意!
もう一度言いますが、前後に登山者がいる場合、落石には注意です。
雪渓が残っていますが、縁を歩けば問題ありません。
ここが今回の山行でのネックの一つだったので、問題なく通行出来て一安心。
※2023年7月15日の状況であり、残雪の多い年の場合はアイゼンやチェーンスパイク等の携帯が必要な場合があります。チェーンスパイクは両足で200g程度ですので迷った場合は持参するようにしましょう。
槍ヶ岳を見上げると、「光柱」が立っていました。何か正式な名前があるのでしょうか。
「今回はあそこまで行くぞ」
ガレ場を黙々と降っていきます。
去年歩いて北鎌沢出合までの距離感は分かっていますが、まぁまぁ長いです。
去年もあった残置物。おそらく何年も前からあるのでしょう。
原型を留めておらず、何かすら分かりません。
黙々と降って行きます。
7月中旬ということと直前まで雨が降っていたこともあり、沢の水は豊富。
結局、沢の水は北鎌沢出合まであり、というか北鎌沢の水量豊富で、テント場からすぐ側で水を汲めたので非常に助かりました。
秋口など水が枯れてくると、北鎌沢出合から北方向に少し下った所にある水場まで行かないといけません。
既に多くのテントが張られている中、なんとか北鎌沢の入口の側のスペースを確保。
広くて平坦な場所が欲しければ、始発便+健脚で来ないと確保できないと思います。
テントを設営!
今回は軽量化を優先して、Finetrackのカミナモノポール2を選択しました。使い勝手は決して良くはありませんが、テントでありながら1キロを切る軽量性が良いです。
夕食の時間。アプローチの日はこの時間が一番の楽しみです。
毎度のフリーズドライと、その空いた袋でラーメン。
夕食を食べたら早めにに就寝しました。
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2日目に続く!
【山行記録】槍ヶ岳 北鎌尾根/2023年7月15日〜17日「2日目」