登山を始めた頃は、どんな山に登っても楽しいと思います。
雨が降っていても、ガスで視界がなくても、山に登れるだけで幸せ。
しかし、何年も登山を続けていると、最初ほどの情熱を注げなくなる時がやってきます。
今回は、自身の経験から、山へのモチベーションが続かなくなった時の対処法をご紹介します。
▼関連記事
登山のモチベーションが続かなくなったら?「そんな時の解決法をお伝えします」
対応策1:トレーニングに励む
何度か敗退をしてしまうと不思議なもので、「負の連鎖」で敗退が続いてしまうことがあります。
そんな時は、直ぐに山に行くのは止めて「どうして敗退が続いているのか」をじっくりと考えてみましょう。
- 実力が伴っていないのか。
- 体力不足なのか。
- スケジュールに無理があるのか。
敗退の原因を探りつつ、山に行かない間は「トレーニング」に勤しみましょう。
トレーニングの成果は直ぐに出るものではありませんが、トレーニングに励むことで山へ向き合う気持ちがより一層強くなります。
次に山に戻ってきた時には、負の連鎖から抜け出すことができるでしょう。
対応策2:新しい領域に挑戦する
やりたい山にひとしきり登ると、毎回の登山に何か「物足りなさ」を感じてしまう時があります。
そんな時は、登山の新しい領域に足を踏み入れるのも一つの方法です。
- 日帰り登山や小屋泊しかやった事がない場合、思い切って「テント泊」に挑戦してみる。
- ハイキングしかやったことがない場合、クライミングの基礎を習って、岩稜登山に挑戦してみる
- 夏しか山に登ったことがない場合、思い切って「雪山登山」を始めてみる。
新しい領域に挑戦する場合、揃えなければならない装備や知識はありますが、想像しているほど敷居が高い訳ではありません。
例えば「テント泊」で言えば、適切な登山用のテント泊装備を揃えたうえで、天気の良い日の標高の低い樹林帯の中であれば、特に危険もなく、問題なく始められるでしょう。
「雪山登山」に関しても、「何度も足を運んだことのある1,000級の低山」で尚且つ「人気のある山」であれば、天気の良い週末であれば登山者も多く、適切な装備さえあれば、大きな危険もなく始める事ができます。
勿論、新しい領域に挑戦する場合、「学ぶ姿勢」は必ず必要ですが、一番重要なのは一歩踏み出す勇気です。
対応策3:視野を広げる
- テント泊でのアルプス縦走もした
- 夏のジャンダルムも登った
- 雪山登山も始めて、冬の赤岳(八ヶ岳)も登った
「やり尽くした感がある...
けれど、山岳会に入っている訳でもないから、これ以上ハイレベルな山域に手が出せない....」
というような悩みに苛まれている人もいるのではないでしょうか。
そんな時は、普段登り慣れている「低山」に目を向けてみてはいかがでしょうか。
上の2枚の写真は「比良山系の大津ワンゲル道(1,000m級)」の同じ場所で撮影した物で、「左は夏」「右は冬」となります。
この場所は、夏は落ち着いて登ればアスレチック感覚で楽しく登る事ができるルートですが、冬になり雪がつくと「雪壁」と化し、ノートレースでは容易に登れる状態ではなくなります。
因みにこの日は休日でしたが、他の登山者の姿はなく、深いラッセルに苦しめられて、通常3時間ほどの距離に1ビバークを強いられる結果となりました。
上記は、少し難易度の高い例かもしれませんが、例えば1,000m級の低山も縦走をすればアルプス級の過酷さになる事だってあります。
▼関連記事
このように1,000m級の低山であっても、視野を広げて工夫次第で非常にエキサイティングな山行を楽しむ事ができます。
「遠征に行くほどの余裕がない」という時なども、柔軟に考えてみると意外と「可能性」が広がっているものです。
対応策4:初心を思い出す
最初の頃は、山でカップヌードルを食べるだけで、ワクワクドキドキしていましたよね?
それが今では、
- 「行動食も栄養成分重視で、夕食はアルファ米と常に軽量性を重視した献立」
- 「荷物を切り詰めて過酷なルートを行くガチ山行」
- 「重い荷物を背負って何日も歩くテント泊」
など、目標を達成する為に、自分自身を追い込んだ山行ばかりになっていませんか?
勿論、山のレベルが上がるほど、綿密な計画性が求められるので正しいことではあるのですが、もしも、そんな山行に疲れてしまった時は、一度初心に戻ってみると良いかもしれません。
- 山頂でお湯を沸かしてカップラーメンを食べたり...
- テントに肉を詰め込んで、テント泊でのんびり過ごしたり...
- 軽量なザックで、軽い足取りで、自然に耳を傾けたり...
山の中でのんびりとゆっくりと過ごして、山の素晴らしさを思い出すのも良いことです。
対策5:登山用品を買い替える

画像引用元:マムート公式サイトhttps://www.mammut.jp/items/2520-03841
登山を始めた頃は当然ですがザックやウェアなど必要な装備品の一式を買い揃えていたと思います。
その時の感情を思い出して下さい。
装備を選ぶというのは不安要素も大きいですが、カッコいいウェアやギアを眺めながら"ワクワク"胸が躍っていたと思います。
装備一式を買い揃ればしばらくは、買った装備を使いこなす期間へと入っていきます。
もしも今、登山のモチベーションが続かなくなっているならば、思い切って装備を買い替えたり、欲しかった装備を買って、最初の頃のワクワクする感情を思い出すというのも良いことだと思います。
装備はあくまでツールの一つなので、装備を最新のものに変えたからと言って、登山者の能力が向上する訳ではありません。
だからと言って「一度買った装備を壊れるまで使い続けなければいけない」という必要もありません。
そしてこれは決して、モチベーションの為に贅沢をするという訳ではなく、一定の経験を積む頃でより最良な装備の考えが生まれてくるからです。
常に適切な装備で山に向かうのは大切なことなので、こういった機会に装備を買い替えるのは十分に有意義なことだと言えるでしょう。
対応策6:あえて休むという選択肢
私自身この記事を書いている2022年の夏は色々な事が重なり、なかなか山に行くことが出来ずにいました。
「目標もあるし、やる気もあるけれど、予定や事情が重なり山に行けない。」という時期が続いていました。
大きな目標を持っていたからこそ「山に行けていない」という焦りの感情がどんどん湧いてきて、精神的にもキツかったです。
そこで山に行けない間は、思い切って「山を休む」つもりで、山以外の趣味を存分に楽しみました。
ドライブに出かけたり...
海に泳ぎに行ったり...
今しかないこの時間を大切に使おうと心に決めました。
登山も趣味の一つです。
本気取り組んでいるいえ、趣味で悩み過ぎるのは本末転倒です。
※しかし、休み過ぎると登山に復帰した時に、身体が使い物にならなくなるので、下界でのトレーニングだけは継続しました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
登山を真剣にやっているからこそ、ブチ当る壁であったり、山に向き合えない時期があったりします。
そんな時は、「悩みすぎない」のが大切です。
悩みすぎずに、"今できること"にしっかりと目を向ければ、時には思い切って休んでしまうのも一つの方法です。
少し寄り道をすることで、山への情熱を再確認できたり、また新しい発見があるかもしれません。
▼関連記事