冬本番になり「美しい雪景色を見にいこう!」とドライブを計画されている方も多いのではないでしょうか。
今回は、雪道を走行する上での注意事項を実体験を交えながらご紹介します。
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気をつけろ「雪道走行」
ホワイトアウト【実際に遭遇】
道路でのホワイトアウトは高速道路(東海北陸道「ひるがの高原」周辺)にて2回遭遇しました。
※ひるがのサービスエリアは標高860mに位置しており、日本一標高の高いサービスエリアとなっています。
ホワイトアウトといえば、冬山でよく発生する現象ですが、一般道路や高速道路などでも発生する可能性があり、山間部などではより一層の警戒が必要となります。
上の写真は吹雪がマシになった瞬間に撮影したものなので比較的視界がありますが、
一番最悪な状況の時は、
- 数メートルしか見えない
- 絶え間なく大量の雪が窓ガラスに吹き付けて来る
- 視界が効かない為、車が真っ直ぐ走っているか分からない
といった感じで、本当に怖いです。
感覚麻痺と恐怖心で"酔い"が発生します。
そして、何が怖いかというと追突です。
一般道であれば、ハザードランプを転倒させ、徐々にスピードを落として安全な場所に停車すれば良いのですが、山道や高速道路などの安全地帯がない場合などは止まる事すらままなりません。
ホワイトアウトが発生するかどうかは気象情報をチェックすればある程度は予測が経つので、雪道走行の経験が浅い場合や、総合的な運転技術が未熟な場合は、計画自体の見直しを推奨します。
※撮影は助手席に座っている者が撮影しています。
スリップ【実際に遭遇】
A:山道でスリップ
岐阜県の山間部の一般道路を走行中に、完全にスリップをした経験があります。
この時は、軽自動車のジムニーJB23に乗っており、タイヤは勿論スタッドレスタイヤを装着しており、問題なく走行していました。
(この「問題なく走行できていた」という慢心がこの時の要因であることは言うまでもありません。)
スリップした場所は上の写真のように大きくカーブをしている場所で、それなりにスピードは落としていましたが、減速が足りなかったのでしょう。
左にぐ〜っと曲がっていたら、後輪が振られてたと思ったと思った瞬間、車全体そのまま移動しているのが分かりました。
「咄嗟にハンドルを反対に切ってはいけない」という言葉が脳裏に浮かびました。
幸いにも優しくブレーキを踏むと問題なく車は止まってくれましたが、完全に対向車線にはみ出ていました。
もしも対向車線に車が来ていたら大惨事になっていた事でしょう。
B:高速道路で制御不能
これは東海北陸道の「ひるがの高原SA」を通過しようとした時の出来事です。
※ひるがのサービスエリアは標高860mに位置しており、日本一標高の高いサービスエリアとなっています。
※上の写真は別の日に撮影(助手席から)したものです。
「同SA」を通過しようとすると、SAの出口から侵入しようとする車の姿がありましたが、右車線には走行している車両があった為、そのまま同じ車線を加速して侵入者とのタイミングをズラそうと考えました。
少しアクセルと踏んで加速をして少しした時、車体がほんの少し揺れているのが分かりました。
「ヤバイ...!」
車は少しではありますが滑りながら走っているのがハンドルを通して伝わってきました。
ハンドルを切ることもブレーキを踏むことも危険!
とにかく、クラクションを鳴らし走行し、侵入車両に注意を促し、そのまま車両が操作可能になるまでやり過ごしました。
幸い、程なくして操作可能な状態となりましたが、めちゃくちゃ怖かったです。
これも一歩間違えれば大惨事となっていたでしょう。
玉突き事故【目撃】
雪道では玉突き事故にも注意しなければいけません。
雪道での実際の事故は何度か目撃したことがありますが、
1回目は、上の写真のような坂道での追突事故でした。
2回目は、実際に前を走っていた車が右折をする際にスピードを出し過ぎて曲がりきれずにガードレールに激突した瞬間でした。この時は幸いにもガードレール周辺に除雪した雪が大量に積み上げられていた為、衝撃が吸収され大きな事故にはならなかったようですが、対向車や人がいた場合は大惨事になっていたことでしょう。
雪道では他の車からの貰い事故に注意しなければいけません。
スタックで身動き取れず【目撃】
雪道を走行する場合は、「スタッドレスタイヤ」の装着は常識中の常識ですので、おそらく皆さん装着しておられることと思います。
しかし、スタッドレスタイヤを装着していたとしても、先述の通り安心し切ることはできませんが、
それ以外にも、特殊な状況下では、スタックして身動きが取れなくなる場合があります。
特に、降雪直後や、山道、林道などを通行する場合には、車高が高い四輪駆動車で状況に併せてタイヤチェーンを装着するなどの万全の体制が求められる場合があります。
実際にこれまで登山口へと向かう林道や、スキー場の入り口付近の山道でスタックして身動きが取れなくなっている車を数台目撃したことがあります。
スタックは自分だけではなく、他の人を巻き込む危険性があるので、十分注意しましょう。
温度差で曇る
これは雪道に限らず、温度差のある状況下で走行した場合は季節を問わず起こりうる状況なので、日頃から注意しておきましょう。
ウォッシャー液が凍る【実際に体験】
雪道走行1年生の時に、やらかしたことがあります。
冬の岐阜県の一般道を走行中に雪が降ってきたので、「ウォッシャー液」を出してワイパーを動かしました。
その瞬間、ワイパーで拭いた部分だけ窓ガラスが真っ白に凍りついてしまったのです。
ワイパー駅を氷点下用に交換していなかったので、噴射して外気に触れた瞬間に氷付いたのです。
幸い一般道だったので、すぐに安全な所に車を停車させ、エアコンで窓ガラスを暖めて窓を氷を溶かし、その間に近場のコンビニに走ってウォッシャー液を買い直しました。
ウォッシャー液の濃度のチェックと合わせて、残量が十分にあるかも確認しておきましょう。
また、これは雪がなくとも気温が低ければどこでも起こるという事を忘れてはいけません。
窓ガラスが凍りついた【実際に体験】
これは何回かあります。
雪山登山などで1日〜2日間山に入っていて、下山してくると窓ガラスが凍りついているというパターンです。
気温の変化も大きく影響しますが、窓ガラスに雪が積もって長時間経つと凍りついてしまいます。
ここで注意しなければいけないのが、凍った窓の溶かし方です。
絶対に、お湯で溶かしてはいけません。最悪の場合、急激な温度変化で窓ガラスが割れる可能性があります。
一番良いのは「解氷スプレ」か「ヘラ」で氷を溶かして、それと同時に車のエアコンで内側からもガラスを温めましょう。
雪かきをしないと車を出せない【実際に体験】
これはまだ車高を上げていなかった時の話です。
雪山登山で山に行っていた時の出来事です。この時は1泊2日で山登りに出かけており、この日は2日間ずっと雪が降っており、麓でも大量の降雪があり駐車場でも30cm以上の雪が新たに積もっていました。
その時もジムニー(四駆)に乗っていましたが、車高は純正のままだったので、雪深く車を出す事が出来ませんでした。
結局、1時間ほどかけて雪かきをして、なんとか公道に出ることができました。
これらの事は山登りだけではなく、キャンプ場などでも起こりうる事なので、タイヤチェーンやスコップなど脱出に必要な装備を備えておくようにしましょう。
チェーンが外れない【実際に体験】
スタッドレスタイヤを装着していても、状況によってはタイヤチェーンを装着する事あると思います。
タイヤチェーンを装着すると、グイグイ進んでくれるのですが、注意しないといけないポイントが二つあります。
その1:「正しく装着すること」
タイヤチェーンは正しく装着しないと、「走行中に外れる危険性」や、逆に「外れなくなる危険性」があります。
チェーンを装着する場面というのは降雪中であったり、急いでいたり、不慣れだったりと、色々と大変な状況で作業をするので、正しく装着出来ていない場合があります。
これらを防ぐ為にも、実際の使用の前に2~3回は練習をしておく事を強く推奨します。
その2:「使用後は速やかに外すこと」
これも結構重要で、タイヤチェーンを装着して目的地に到着しました。
「帰りも雪があるのでこのまま装着しておこう」と、そのままにしておくとはオススメしません。
考えられる危険性は、
- 盗難
- 氷ついて外れなくなる
という点です。
私は実際にチェーンを装着した状態で一晩放置したら、チェーンに付いた雪が溶けて再度固まってガチガチになってしまい、溶かすのに苦労した事があります。
目的に付いた際は、面倒でも一度外すことをお勧めします。
仮眠する場合は要注意
これは、もう有名な話ですね。
エンジンを掛けたまま仮眠をして、降雪でマフラーが埋もれると、一酸化炭素中毒で◯にます。
エンジンを掛けて状態で仮眠をとる場合は、
- 数時間先まで降雪の有無を確認する
- マフラー周辺の雪は多めに除雪しておく
- 偶に起きて確認する
など十分な対策を取るようにしましょう。
また、「ポータブルバッテリー」と「電気毛布」などの車中泊グッズを完備し、エンジンを切れる環境を作ることも大切なポイントとなります。
雪を積んだまま走るな
偶に車の上に大量の雪を載せたまま走行している車を見かける事があります。
走行中に雪を落とすと、運転手にとっても視界不要により事故を誘発したり、後続車にとっても急な落雪はスリップ事故を起こす危険性もありますので、注意しなければいけません。
ドライバーは面倒でも雪を落としてから走行を開始し、
他のドライバーも前を走る車が多量の雪を積んでいる場合は、車間距離を十分に取り警戒しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
雪道走行では「急ハンドル、急ブレーキ、急加速」などの"急"がつく動きが厳禁であるというのは有名な話ですが、
基本に立ち返った運転が、結局のところ雪道走行の極意へと繋がっていると言えます。
雪道の運転は危険なところもありますが、日頃見れない景色をみるチャンスでもあります。
安全運転で快適なドライブを楽しみましょう。