登山の最中に「我慢できないレベルの眠気」に襲われた経験はありませんか?
私は幾度となく睡魔に襲われて、苦しい思いをしたことがあります。
今回は、自身の経験から登山で眠気に襲われた時の撃退法をお伝えします。
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登山で睡魔に襲われる原因
標高による酸素濃度の低下
睡魔などの意識の低下は、標高が上がるにつれて酸素の濃度が低下する事が原因とされており、高山病の初期症状の一つとされています。
とは言いますが、これが最大の理由とも考えにくいです。
私の場合は、林道や樹林帯などの「単調なところ」で眠気に襲われる事が多く、標高としては然程高くない場所が多いので、標高だけが原因とは考えられません。
睡眠不足
まぁ、結局はこれが一番の原因だと思います。
仕事をしながら休日に山に登るという人が殆どだと思いますが、登山の前日に限って仕事が忙しく、まとまった睡眠時間を取れないという事も多いと思います。
長距離ドライブを伴う遠征などの場合は、睡眠時間が1時間以内なんて事もあります。
こうなると歩き始めの初っ端から眠いです。
体内の血流不足
ザックを背負う場合、殆どの場合、ウエストベルトを締めて、チェストハーネスを締めて、と体にしっかりとフィットするように背負うと思いますが、
この締め付けが体内の血流を阻害してしまい、酸素が身体全体に行き渡りにくくなり、睡魔を誘発している可能性があります。
私も実際、テント泊などザックが重い時ほど、眠気に襲われる傾向にあります。
雪山など静寂すぎる場合
雪は音を吸収するので、ある程度雪が降り積もった山の場合、歩くのを止めると静寂に包まれるという事もあると思います。
この静寂が眠気を誘発するのです。
睡魔を撃退する対策
睡眠時間を少しでも確保する
睡魔の一番の原因は「睡眠不足」にあると思うので、やはり一番これが大事。
8時間じっくりと睡眠が取れれば良いのですが、まぁ無理でしょう。
遠くの山に出掛ける場合などは、夜通し運転をして登山口に向かうので、睡眠時間が殆ど取れない場合が多いと思います。
そんな時でも、理想は6時間、出来れば3時間、最低でも2時間は睡眠時間が欲しい所です。
まとまった睡眠が取れない場合
仕事が終わるのが遅く、登山口に到着したのが明方で、睡眠時間がゼロのままで歩き始めるという人もいると思います。(私も経験あり)
そんな事が予想される場合は、少しでも事前に睡眠時間を確保しておく事が重要です。
前々日はしっかりと睡眠を取る。
前日は通勤時間や休憩時間などで、少しでも睡眠を確保するように努めましょう。
エナジードリンクを飲む
色々と眠気対策を試してきて効果があったのが、「歩き初めにエナジードリンクを飲む」です。
- 駐車場で2時間仮眠
- 起床後、朝食と共に「エナジードリンク」を1本飲む。
これで単調な林道や、陰鬱な樹林帯の登りでも、眠気に襲われにくくなります。
個人的には現場で出来る一番効果のある対処法でした。
注意ポイント
”Red Bull"や"モンスター"などのエナジードリンクは高濃度のカフェインが含まれており、多量に摂取すると人体に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、カフェインは利尿作用を促進する為、脱水を防止する為に、意識的に水分を摂取するようにしなければいけません。
また、睡眠を取らずに夜通し運転している状態などは、胃腸が弱っている為、エナジードリンク等の高濃度のカフェインを一気に摂取すると、胃がビックリして「吐き気」などを催す場合がありますので、運用についてはご自身の体調を確認しながら実施してい下さい。
単調な区間は早期に脱出する
変化に乏しい林道などのアプローチで睡魔に襲われる事が多々あります。
そういう場合は、林道を抜けて本格的な登山道に入ると目が覚める事が多いので、林道などのアプローチはペースを上げて抜け切ってしまうというのも一つの方法です。
どうしても眠い時は寝る
歩いていて「どうしても眠たい」時は、もう寝ましょう。
ザックを置いて、少し仮眠しましょう。
季節によっては体温が下がって危険ではありますが、無理にあるいて転倒したりして事故を起こすよりはマシです。
下ばかり見ない。上を見る
これが意外と重要なポイントです。
これは精神論ではなく、科学的にも色々とあるようです。
遠くを見る時:交感神経が主体的に優働き、アドレナリンが分泌されて、身体が活発になる。
近くを見る時:副交感神経が主体的に優働き、アセチルコリンが分泌されて、身体が休息状態になる。
「眠い・怠い・疲れた」からといって、下ばかり向いて歩いていると、どんどん眠たくなっていきます。
顔を上げて前を向くことで、新しい景色が視界に入ってきてくるので、脳が考える事も多く、眠たくなりにくくなります。
これも、実際に体験していますので、そこそこ効果はあると思います。
まとめ
眠気を撃退する方法
- 駐車場で最低2時間は寝る
- 起床後、朝食と一緒にエナジードリンクを飲む
- 目線は高く歩く
- 登山中に眠くなったら、座って10分くらい寝る
登山での眠気は歩行スピードの低下による時間切れなどは勿論ですが、転倒の恐れなど事故を誘発する原因にもなるので、極力避けたい所です。
睡魔の主な原因としては、やはり睡眠時間が大きく影響しているので、「根本解決が最も望ましい」という事を念頭に置いておきましょう。
とは言え、睡眠時間の確保は登山をやっていなくても難しい問題ですよね。
睡眠の質を上げるなどの対策を行った上で、それでも睡魔に襲われる場合は、今回ご紹介した方法を試してみて下さいね。
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