登山用品はどれも高額な物が多いので、少しでも安く買いたいですよね。
しかし、それと同時に登山用品は賢く買うことが大切だったりもします。
今回は、「安く買う方法」と「賢く買う方法」についてお話しして行きたいと思います。
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【解説】登山用品を「安く買う方法」
安く買う方法1:セール期間に買う
登山用品の中でも、ウェアやシューズなど高額な装備は「セール期間」に購入すると、金額の差が大きくなります。
一般的な割引としては、「10%OFFといった現金値引き」や「10~15%ポイント還元」などの店舗で使えるポイントとしてのキャッシュバックなどがあります。
主なセール期間
- 新春セール
- 夏山フェア
- 冬山フェア
- 決算セール
これら以外にも、商品ごとに個別のセールやイベントを開催している場合があります。
具体的なセールの期間は、ショップの公式サイトやSNSの過去の履歴から大体の予測を付ける事ができるので、チェックしてみると良いでしょう。
また、MAMMUTなどのハイブランドはアウトレット品を上手く見付けると、お得に購入できるので、近隣の登山用品店はブックマークしておくことをおすすめします。
安く買う方法2:ネットショッピング
ネットショッピングは何でも安いですが、登山用品も例外ではありません。
ネットの方が実店舗よりも、数千円単位で安いことが多いです。
しかし「ネットショッピングで登山用品を買うのは、ちょっと怖い」と思われている方も多いのではないでしょうか。
ネットショッピングの懸念点としは、「現物が見られない」「ちゃんとした商品が送られてくるか心配」などがあると思います。
▼解決策
型番を確認する
これはネットショッピングにおいて一番重要なポイントです。
商品名や掲載画像はイメージであることが多く注意が必要です。
正式な型番(商品名の後ろのBK-0087等)を確認し、欲しい商品と一致しているかを必ず確認するようにしましょう。
※同じ商品名でも発売された年式により細部が異なる場合があります。商品によってはアタッチメントなどが適応しない場合があります。
有名なショップを利用する
AmazonやYahoo、楽天などで大手ショッピングサイトを活用し、尚且つ出品者はショッピングサイトの直営か有名な登山用品である事を確認しましょう。
これらの基本的な対策で大体のトラブルは回避する事が出来ます。
また、万が一商品に不備があった場合に備えて、スケジュールに余裕を持って購入される事をおすすめします。
注意ポイント
ネットで検索すると高確率で出てくるのが、海外の通販サイトです。
日本のサイトよりも安い場合が多いですが、海外通販サイトなどは止めておく方が無難です。
安く買う方法3:フリマサイトで要らない装備を売る
ちょっと方向性がズレているように思いますが、
「お金がないなら作ればいい!」
これが結構効果があります。
登山を長く続けていると、「使わなくなった装備品」が意外とあると思います。
試しに、要らない装備品をメルカリなどのフリマサイトで検索してみて下さい。
意外な価格で取引されている事があります。
ハイブランド
海外の有名ブランドは高額なものが多く、なかなか定価では手が出さないので、状態が良い物であれば使用済みの商品でも定価に近い価格で取引される事も珍しくありません。
有名ブランド
有名ブランドであれば、使用済みでも状態が良ければ定価の半額以上で売れる事があります。
今は社会情勢の問題で欠品が続いており、そもそも新品が出回っていない事も多く、需要は高いです。
状態が悪い装備
「実際に登山で使用していて、既にボロボロ。流石に売れないよね...」と諦めている貴方
待って下さい。
登山用品を購入する人が必ずしも登山で使用するとは限りません。
登山では使うには心許なくても、日常生活や外仕事では十分使えるという場合があり、そういう人からすれば掘り出し物をゲットできるチャンスなので、販売額にもよりますが、意外と直ぐに売れたりします。
私は要らない装備を売却して、5万円くらい溜めたことがあります。
【補足】買う場合の注意点について
逆に買う場合の注意点についても、お伝えします。
上述の通り、フリマサイトでは多くの登山用品が出品されているので、賢く使えば非常に安く装備を手に入れいる事が出来ます。
実際に私も購入した事がありますが、いくつかのルールを決めています。
フリマで買わない装備
- クライミングギアなど、命を預ける装備品
クライミングではフォール(落下)の有無により、商品の耐久性が大きく異なってきますが、これは目に見えるものではない為、購入者が判断できるものではありません。また、カラビナなどは適切なメンテナンスをしていなければ、使用中に開かかなくなるなどのトラブルが起こりますので、注意が必要です。
- テントや寝袋など、保管方法で品質に大きな差が生まれるもの。
テントや寝袋は、使用回数よりも保管方法の方が重要となってきます。例え100回使用していても、適切なメンテナンスをしていれば全く問題ありませんが、逆に数回しか使用していなくても保管方法が適切でなければ、見るに堪えない状態となります。
- 転売目的の新品
例え新品未開封でも、出品者が転売目的で購入したであろう商品は購入しません。激安であれば購入も検討しますが、転売目的の新品は、大抵の場合が定価と同額かそれ以上ということも多く、フリマを活用するメリットがありません。
フリマサイトなどは、自分自身のルールを決めて、賢く使うようにしましょう。
【解説】登山用品を「賢く買う方法」
これまでは、安く買う方法についてご紹介してきましたが、今度は登山用品を「賢く買う方法」についてお話していきたいと思います。
これはノウハウというよりも、考え方に重きを置いてお話ししたいと思います。
賢く買う方法1:在庫情報を正確に把握する
最近はネットの普及により、ホームページで各店舗の在庫情報が確認出来るようになっているお店もあります。
しかし、この在庫情報、正しくない場合がちょくちょくあります。
HPでは「在庫なし・展示なし」となっていても、実際には展示があるという事があるので、ネットの情報だけで諦めずに、店舗に電話をして確認したり、実際に足を運んだりしてみる事をおすすめします。
ポイント
型落ちモデルなどに関しては、通販サイトでは取り扱い無しとなっていても、実店舗では展示がある場合があります。
賢く買う方法2:欲しい時に買う
「欲しい時に買う」というと欲望のままに購入するような聞こえ方になりますが、これは「必要な時に買う」という意味でもあります。
先程の「セールを狙って安く買う」とは真逆の考え方で、安さを超える有意性を見出す考え方です。
具体例を見て行きましょう。
快適性が割引率を上回る場合
例えば、購入から5年経ったレインウェアが傷んできたので、買換えを検討しているが、セール期間は過ぎてしまっている。
セールを待つかどうかで5,000円くらいの差がある。
皆さん、どうされますか?
【その1】雨が染みてくる古い装備で、来年まで頑張る。
【その2】割引なしの定価だが、思い切って購入して、快適な登山を送る。
今後、絶対に買い替えると決まっているのであれば、5,000円と快適性であれば、快適性を取られる方が多いのではないでしょうか?
いつまでも登山が出来るとは限らない
時間は有限であるというお話です。
「山は逃げません」と言いますが、「山は逃げます」
正確には山に登る機会は、自分で作り出さないと、どんどん無くなっていきます。
登山などの趣味は生活環境が変われば、急に足が遠のくという事も珍しくありません。
悲しいパターン
古い装備で1年間頑張って、ようやく購入したが、生活環境の変化でで暫く登山に行けなくなり、結局1回しか使わなかった。
ということであれば、
欲しい時に直ぐに買って、何度も何度も使った方が購入した意味があると思います。
売り切れやモデルチェンジを回避する
欲しい商品が、いつまでもあるとは限りません。
売り切れのパターン
これが意外と良くある話で、「これ欲しい!」と思っていても、次に店に行ったら売り切れで、再入荷も不明という事も珍しくありません。
モデルチェンジのパターン
また、来年買おうと思っていたら、モデルチェンジが起こったというケース。
旧型をアウトレット品として値下げして売り切ってくれれば良いのですが、状況によってはメーカーが旧型を回収してしまい、店頭には最新モデルしか展示されていないという事も珍しくありません。
最新モデルで満足出来ればよいのですが、デザインや性能が変更になっていたり、価格が大幅に上昇していたりなどで、購入を見送らざるを得ない場合もあります。
あの時、買っておけば良かった...と後悔しない為にも、欲しい時に買う必要があります。
メーカーによっては、そもそも割引しない場合がある
セール期間には、登山用品店やオンラインストアで、割引やポイントアップなどで安く買うことが出来ますが、割引がされてないメーカーも一部存在します。
例えば...
国内の登山用品メーカーの「Fine track」は、通年定価販売が基本となっています。
「10%ポイント還元!」という期間でも、ファイントラックだけは5%還元となっており、これはどのショップでも同じことから、メーカーの希望と思われます。
自分の欲しい商品が、割引をしないメーカーである場合、セールを待つ意味はありません。
賢く買う方法3:欲しいモデルを買う
これも先程の「欲しい時に買う」と似ていますが、「欲しいモデルを買う」という話です。
モチベーションが上がる
例えば、ウェアの買い替えを検討しており、2種類のどちらにするか迷っている場合
A社
登山に必要な性能は保有しておりコスパは最強だが、個人的に魅力を感じないブランド。
B社
快適性、機能的に優れており、何より自分が好きなブランドだが、価格が高い。
「高価なウェアを身に着けたからと言って、登山者のレベルが上がる訳ではないので、必要な性能があるならば、安い方で十分だ。」
という考え方は正論です。
しかし、高い物には高いなりの理由があります。
高機能であることは快適性へと繋がり、快適性は疲労軽減やパフォーマンスの向上へとつながります。
また、耐久性で差が生まれることもあります。
そして何よりも、自分自身のモチベーションが違います。
極端に言えば、「妥協したブランド」と「大好きなブランド」、どちらの方が士気があがりますか?
答えは明白ですね。
「安物買いの銭失い」にならない為に
これはモチベ維持以上に大切なポイントです。
先述の通り高いもにはそれなりの理由があります。軽量性であったり、透湿性であったりと、安いモデルよりも高機能である場合があります。
高いから...と安易に安い方を選択すると、後々後悔することがあります。
レインウェアの失敗例
お守り程度の意味で購入するから、安いものでOKと安易に購入したが、重く嵩張るので、山に持って行くのは嫌になってきた。
ヘッドライトの失敗例
お守り程度の意味で購入するから、安いものでOKと安易に購入したが、重い割に電池の持ちが悪くて、山に持って行くのは嫌になってきた。
アイゼンの失敗例
自分に12本爪はまだ早いと思って、チェーンスパイクを購入したが、使用できるシチュエーションの低さに落胆した。
余程のオーバースペックであったり、違う方向性の装備を購入しない限り、高性能なものは多くをカバーすることが出来ます。
賢く買う方法4:今後の登山の方向性をしっかりと考える
「今後、自分がどんな山登りがやりたいのか。」
先の事を考えるのは難しい事ですが、しっかりと先を見据えることで、装備の買い替えの回数を減らしたり、自分自身にとって最善の装備を購入する事ができます。
例えば...
テントの購入時
構造の違い、サイズ、居住性、軽量性などなど、山岳テントは似ているようで意外と種類が多く、迷うポイントは沢山あります。
のんびりテント泊なのか、長期縦走なのか、アルパイン寄りなのかで、最善となるテントは異なってきます。
▼参考記事
クライミングギアの購入時
「ひとまずクライミングを初めてみよう」という段階では先の事を見据えるのは難しいですが、目指す先にどんな岩場があるのか。
- ゲレンデメインのスポーツクライミングなのか
- 沢登りなのか
- アルパインクライミングなのか
- 雪山登山なのか
使用する場面によって、求められる材質や形状がことなってきます。
特にクライミングなどの命の危険に直結する分野の場合は、適宜最適な装備品を身に付ける必要があるので、買い替えの回数が増えると出費も相当な金額となってしまいます。
上の二つは一つの一例であり、
登山靴やヘッドライト、パンツなど基本的装備品にとっても同じ事が言えます。
装備品自体はとても良い者でも、必ずしも自分自身にとって最善の装備とは言い切れません。
汎用性の高い物を購入して置けば、今後やりたい事が増えた際にも対応する事ができますが、
最初から方向性が定まっていれば、最初からより特化した装備を購入しておけば、その道に進んだ際により高いパフォーマンスを発揮してくれます。
まとめ
登山ショップに並ぶ登山用品を見れば心が躍りますよね。
あれも欲しい、これも欲しいと欲望の赴くままに購入していれば、登山貧乏なんて事にもなりかねません。
経済的な計画を立てると共に、セール情報などを上手く活用すると、数千円~数万円お得に購入出来ることは普通で、積もり積もれば10万円以上の差が生まれることも十分にあります。
そして、それと同時に忘れてはいけないのが、適切な装備を身につけなければいけないという事です。
大切なこと
既存の装備に破損が出始めているのであれば、新しくしなければいけません。
新しい領域(レベル)に踏み込むのであれば、必要な装備を買い足さなければいけません。
山の中は厳しい世界です。厳しい自然環境に身を置いているという自覚を持つ為にも、必要なお金は惜しんではいけません。
適切な装備を買うお金がないのであれば、登山をワンシーズン見送るくらいの気持ちの余裕を持っていたいものです。
皆さんの、装備選びの参考にしてみて下さいね。
では、また別の記事でお会いしましょう。