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【登山歴6年】想い出に残っている冬山登山「ベスト5」

登山を始めて約8年が経ち、それなりに多くの山に登って来ました。

今回は、登山歴8年の中で、特に想い出に残っている冬山を5つご紹介していきたいと思います。

 

【登山歴6年】想い出に残っている冬山登山「ベスト5」

第5位:厳冬期「比良山系 釈迦岳(大津ワンゲル道)」

大津ワンゲル道

【山行日:2022年1月】

「比良山系 釈迦岳」は滋賀県にある1,000m級の低山ですが、日本海側の気候の影響を強く受ける為、冬季には低山でありながら豪雪に見舞われることも珍しくなく、この日も例外ではありませんでした。

この日私達が通ったルートは、「大津ワンゲル道」という夏季においても人の少ないルートで、冬季ともなると訪れる登山者はほとんどいません。

寒波の到来直後という事もあり、登山口から早々にワカンを装着して出発しました。
標高を上げるにつれて積雪量は次第に増えていき、膝上ラッセルから腰ラッセルとなり夏であれば数時間で山頂に立てる距離にも関わらず、途中で1ビバークを強いられる結果となりました。

また、このルートの終盤には「イチョウガレ」という傾斜のキツイ斜面があり、木の根や岩を掴みながら登るのですが、冬季になると雪壁と化します。
トレースが付いていればそれほど大きな問題はありませんが、ノートレースでは足元も安定せず容易に登れる状態ではありませんでした。

 

低山でありながら、誰もいない中、2日間のフルラッセルと少しアルパイン的な雰囲気も味わえる想い出深い山行となりました。

 

 

第4位:残雪期「南岳 西尾根」

南岳西尾根2022年5月

【山行日:2022年5月(敗退)、2024年5月(登頂)】

南岳にダイレクトに登り上げる「南岳 西尾根」

夏季においても急登であることは有名ですが、冬季は上部に細いリッジが待ち構えており、非常に登りごたえのあるルートです。

 

1回目の挑戦は2022年の5月でした。南岳から西に伸びる尾根の末端から取り付く予定でしたが、予想以上に雪解けが進んでおり、取り付き地点で苦労させられました。

取り付き後も藪漕ぎ」「雪壁の登攀」「悪場での懸垂下降」「ルートファインディング」など、雪山登山の醍醐味を凝縮した中身の濃い山行で、
当時、自分達の持っている全ての技術を出し切った山行となり、敗退でありながらも非常に満足度の高い山行となりました。

 

 

リベンジは2024年の同じ5月のゴールデンウイークとなりました。この時も西尾根の下部には雪が非常に少なく、前回同様に藪漕ぎに苦しめられましたが、前回巻いてしまったデルタ状岸壁も超える事が出来ました。

この時の連休は晴天に恵まれてとても良い山行となりました。

 

 

第3位:厳冬期「槍ヶ岳」

厳冬期槍ヶ岳 中崎尾根〜西釜尾根

【山行日:2021年2月27日~3月1日】

「厳冬期 槍ヶ岳」は本格的な雪山登山を始めた頃から抱いていた大きな夢でした。
残雪期に2度槍ヶ岳に登り、2021年の2月に満を持して挑戦しました。

 

冬季の槍ヶ岳までの道は長く、雪崩の危険地帯を通過し、急斜面を登り、クラストした斜面のトラバース、そして氷化した穂先が待っています。

新穂高から槍ヶ岳まで飛騨沢を詰める場合、天気が良ければ大掛かりなルートファインディング能力は求められませんが、尾根筋を攻める場合、ちょっとした判断で難易度が大きく変わる可能性があります。

特に中崎尾根上部の岩峰を巻くのか直登するのかは、雪の付き方によって判断が分かれるところでしょう。

この時も尾根上にトレースはありませんでした。ノートレースである嬉しさと、少しの不安感の中、自分達だけで判断して進み、最後は足が悲鳴をあげる中、必死にアイゼンを蹴り込み、遂に厳冬期の槍ヶ岳の頂を踏んだあの瞬間の興奮は、今でも忘れられません。

 

 

第2位:残雪期「西穂高岳 西尾根」

西穂西尾根

【山行日:2022年4月】

「西穂高岳 西尾根」は、穂高平小屋から尾根の末端に取り付き、西穂高岳にダイレクトに登り上げる好ルートです。

好天に恵まれれば、急登、リッジの通過、氷化したルンゼの登攀など、雪山の醍醐味が濃縮されたルートを楽しむことができます。
西側から眺める西穂高岳の勇姿は、一度見たら忘れることはできません。

 

西穂は夏冬共に穂高の登竜門として目標としてきた山であり、思い入れのある山でもあります。

2018年の1月に冬の西穂に登頂できた時は嬉しくて堪りませんでしたが、その頃は「西穂 西尾根」はまるで別世界に感じられ、完全無所属の私達にはどうすれば届くのかすら分かりませんでした。

講習会やガイドのレッスン、低山やゲレンデでの練習、歩荷トレやラントレに日々の筋トレ...自己流のせいで膝や肩を傷めて、しばらくトレーニング全般を休んだ時期もありました。

手探りな4年間で随分遠回りをしましたが、気づけば別世界だった西尾根にも行くことが出来て、何よりも思い出の山に成長して戻ってくる事が出来たことが嬉しかったです。

 

 

 

第1位:厳冬期「奥穂高岳(涸沢岳 西尾根)」

【山行日:2024年2月23日~25日】

「厳冬期 奥穂高岳」は槍ヶ岳に並ぶ登山者の憧れではないでしょうか。かくいう私もその一人です。

奥穂高岳へと至る西涸沢岳西尾根は取り付き地点の白出沢出合からから奥穂高岳までで1640mですが、その道のりは長く、

  • 樹林帯の急登
  • 両雪庇帯
  • ルンゼの登下降
  • アイスバーンの岩場

など、数多くの難所が待ち構えています。

 

 

奥穂岳へと続く涸沢岳西尾根に挑むには、入念な準備と確かな技術と体力、そして万が一にも天気が荒れれば恐ろしいことになるこのルートでは、好天を待つ辛抱強さも求められます

 

私自身、本山行までに3回ほどこのルートに挑戦しており、厳冬期の奥穂高岳の頂きに立つまでには、天候による見送りを含めると本格的に志してから約4年かかりました。

最初の2回は実力不足で蒲田富士で撤退

3回目は、蒲田富士から先のフルラッセルによる時間切れで涸沢岳までとなり、

2024年の2月24日、遂に厳冬期の奥穂高岳の山頂に立つことが出来ました。

 

 

「美しさと恐ろしの混在する涸沢岳西尾根」

この時の山行は色々な想いの詰まった特別な山行となりました。

 

 

 

 

まとめ

今回は登山歴6年の中で、冬山として特に印象深い山行を5つご紹介させていただきました。

山にはまだまだ素晴らしい世界が広がっているので、これからも安全第一で登山を楽しんで行きたいと思います。

 

 

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