今回は、私が雪山1年生の頃に実際にやらかした愚かな失敗談をご紹介します。
正に「阿呆なミス」ばかりですが、"案外やっちゃう系"も多いと思いますので、興味のある方は読んでいって下さい。
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テント泊で飲み水を凍らせてしまった
雪山1年生のある日、西穂山荘でテント泊をしていた日のことです。
雪を溶かした水をナルゲンボトルに入れていましたが、就寝時に寝袋の中に入れるのを忘れていた所、朝起きたら水筒の水がガッチガチに凍り付いていました。
幸いロープウェイで下山する日だったので事なきを得ましたが、下山に数時間かかる山だったらどうなっていたことでしょう。
絶対にやってはいけないミスです。
ここまで凍り付いてしまうと山の中で溶かす事は不可能なので、水を新たに作っても入れるボトルがありません。
(※一応、保温性の水筒は1本持っていますが)
因みにこのボトルは下山後、自宅に帰宅しても半分は凍ったままでした。
バーナーに手を近づけすぎて焦げた
厳冬期北アルプスでの出来事。その日は特に気温が低かった為、インナー手袋をしたまま調理をしていました。
時々温まる為にバーナーに手を近づけていたところ、独特の変な匂いがしたのでまさかと思って手袋を見てみると、そこには小さな穴が・・・。
やってしまった・・・!!
さすがにその手袋は使えないので、予備の手袋を使うことにしましたが、あり得ないミスをしてしまったと後悔しています・・・。
タイヤのチェーンを放置したら
山に向かう道中、道路が雪道で一部凍結していたので、タイヤチェーンを装着して駐車場へと向かいました。
無事に到着し、「帰りも必要かもしれない」と思いタイヤチェーンは装着したまま入山しました。
その時は2泊3日の行程でした。
無事に山行を終えて下山してくると気温は低いままですが、入山中に太陽が出て道路上の雪は粗方溶けており、タイヤチェーンは要らなさそうでした。
「さぁ、チェーンを外して帰宅しよう」となりましたが、ここから問題でした。
チェーンについていた雪が溶けて、再度固まり、ガチガチに凍っていたのです。
ある程度は叩いて砕く事が出来ましたが、ロックの部分の溝の中の氷を取り除くのに非常に苦労しました。
最終的には微温湯と解氷スプレーをかけて何とかチェーンを外すことが出来ました。
今後は、盗難対策も兼ねてチェーンは取り外すことにします。
アイスバーンに落とし物
残雪期のカッチカチにクラストした斜面で、水筒の蓋を誤って落としら、物凄いスピードで落ちて行きました。
本当にあっという間でした。
ルートではない谷筋に落ちていったので良かったですが、登山道上であれば人に当たる危険性があります。
スマホで写真撮影をしている方、十分にご注意下さい。
ハードシェルのポケットが空いたままだった
ウェアのポケットを開けっぱなしにしている人、多いのではないでしょうか?
「ポケットのファスナーは開けたら閉める」これは習慣付けないと意外と身に付かなかったりします。
勿論、物を落とす危険性もありますが、しっかりと閉めていないと少しの隙間から雪が入り込んできて、装備品を濡らしてしまいます。
雪山で装備の紛失と濡れは時に命取りとなりますので、十分に注意しましょう。
素手で写真撮影をしていたら、指が千切れそうに痛くなった
カメラを持っておらず、スマホしか持っていなかった頃の話です。
3,000mの稜線という明らかな超低温下でしたが、あまりの絶景に写真を撮りたくて、手袋を一瞬だけ外してスマホで写真を撮りました。
その僅かな一瞬でしたが、指の熱は一瞬で奪われ、痛みさえ感じ始めました。
急いで手袋を嵌めて事なきを得ましたが、指の体温が戻るのには大分時間が掛かりました。
当時の天気予報では"気温マイナス15度、風速10m"だったので、体感温度はマイナス25度ほどだったことになります。
身体の一部の熱が奪われると身体全体の体温を下げる要因にもなりますので、甘く見てはいけません。
夏用パンツで5月の西穂独標にいったら遭対協に止められた
これが一番のアホな体験談です。
今でこそ「登山は適切な装備を買え!」と偉そうな記事を書いていますが、最初の頃は代用品で雪山に登って痛い目を見た経験があります。
雪山を始めた最初の年は、本格的な雪山装備をまだ持っておらず購入する経済的な余裕も無かったので、持っているもので代用していました。
- ウェア:レインウェア
- パンツ:3シーズン用パンツ
- 手袋:スキー用(1枚物)
他にも色々とお粗末な装備で身を纏っており、昔の写真を見たら吹き出しそうな恰好をしていました。
(アイゼンとピッケルとヘルメットだけは本式の物を用意していました)
▼当時のお話
雪山1年生の5月のある日、西穂独標に行く計画を立てていました。
ゴールデンウイークという事もあり、入山者も多いので「新穂高登山センター」の前では遭対協の方々が登山届の提出の呼びかけをされていました。
私は記入済みの登山届を提出すべく登山センターへと向かっていくと、
「おはようございます。登山届を見せていただけますか?」と呼び止められました。
「えっ、はい。どうぞ」と係員に登山届けを見せました。登山届はきっちり記入してあるので不備はないはずでしたが、
「普段はどんな山に登られていますか?上(稜線)の状況はご存知ですか?」と事情聴取の様な質問が始まりました。
他の登山者はポストに投函だけしてどんどんロープウェイ乗り場に進んでいくので、「どうして僕だけ?」と内心腹が立っていました。
今となっては当時の私がどれだけ愚かだったかは理解していますが、当時は全く分かっていませんでした。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
当時の私の様な無自覚な無所属登山者は、指摘してくれる人がいないので、間違いに気づけない事があります。
色々と原因はありますが、一つの原因として、「初心者は"大丈夫"という基準を見誤りやすい」というところにあると思います。
例えば、天候の判断の場合
-
天気が崩れるかもしれない
-
天気は崩れないだろう
どちらも仮定形ですが、意味合いは全く違いますよね。
経験者にとっては当然の判断も、初心者には最初から判断基準が頭にないので正しい判断が出来ません。そして怖い所は、誤った判断をしているという自覚すらありません。
勿論、正しい知識を得る努力をしていれば、最初からこのような事にはなりません。
▼今だから思う理想の雪山登山の始め方
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雪山登山に関する参考書を1冊購入して基礎的な知識を頭に入れる。
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山の雑誌を1冊購入して、最近の装備の情報を仕入ましょう。
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雪山登山の講習会に参加して技術を学びましょう。
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低山で練習を繰り返して経験を積みましょう。
★ポイント
書籍や雑誌などから必要な装備を知る事が出来ますが、講習会への参加が決まっている場合は「必要な装備」の一式を教えて貰えるので、それを参考にして揃えると間違いがありません。
今年から雪山登山を初めてみよと考えている方は、基礎をしっかりと身につけて、安全登山を楽しみましょう。