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【解説】登山用シュラフ(寝袋)の洗い方「NANGAオーロラ」

NANGA ナンガ シュラフ 寝袋 洗い方_1982

皆さん、シュラフは洗われていますでしょうか?

シュラフなどのダウン製品は乾燥のみで洗濯しないという人も多いと思います。

今回は実際に登山用の寝袋を洗ってみたので、その方法と経過と出来栄えをご紹介します。

【解説】登山用シュラフ(寝袋)の洗い方「NANGAオーロラ」

洗おうと思ったきっかけ

槍ヶ岳 大喰岳西尾根

私はNANGAのオーロラ600DXを使用しており、購入から6年が経過し、累計166泊してきました。

これまで使用後は干して乾かすだけで、洗濯の経験はありません。

臭いに関しては自分が寝ているものなので分かりませんが、

「ダウンの膨らみ」と「保温力」が明らかに低下してきていると感じたので洗濯してみることにしました。

洗濯前の状態

NANGA ナンガ シュラフ 寝袋 洗い方_1982

けっこう結構ヨレヨレですね、、、、。

使用開始から6年以上が経過しているといこともヘタリの原因ではありますが、それ以外にも思い当たる節はあります。

直近2年間は引っ越しに伴い、収納スペースの場所が取れず、NG行為であると分かっていながら、「持ち運び用のスタッフバック」に入れて収納していました。

「長年の未洗濯」+「誤った収納方法」のダブルパンチで見事に萎んでしまいました。

 

 

洗い方

シュラフ(寝袋)などのダウン製品は正しい方法で洗濯をしないと使い物にならなくなる危険性が高いので、公式サイトなど信頼のおける情報源から洗濯方法を参照するようにしましょう。

 

洗濯

NANGA ナンガ シュラフ 寝袋 洗い方 NIKAWA

洗剤に関しては、通常の中性洗剤でも良いようですが、ダウン製品専用の洗剤を購入しました。

高価な物を洗濯するので、1,000円ぐらいの洗剤代はケチらない方が良いと思います。

▼使用した洗剤はこちら

ニクワックス(NIKWAX) ダウンウォッシュダイレクト 【洗剤】 EBE1K1

洗剤の中には「生地に撥水コーティング」がされたモデルには対応していないタイプもあるので、注意事項は必ず確認するようにしましょう。

 

 

NANGA ナンガ シュラフ 寝袋 洗い方_1982

洗濯方法は「洗濯機」と「手洗い」の2種類がありますが、私のシュラフは購入後6年が経過していたので、念の為「手洗い」することにしました。

浴槽にぬるま湯(30度)を張って、そこに洗剤を規定量投入してかき混ぜます。

その中にシュラフを入れて揉み洗いして行きます。

 

寝袋が空気を含んでおり非常に洗いにくいですが、頑張って洗って行きます。

  • 事前に空気をしっかりと抜いておくことをお勧めします。
  • 「足で踏む」という方もおられますが、空気が抜けていない時に無理に踏むと寝袋が破裂する恐れがあるので、注意しましょう。

暫く洗っていると、浴槽の水が濁ってきました。(ある程度は洗剤の色もあります。)

 

 

濯ぎ

NANGA ナンガ シュラフ 寝袋 洗い方_1982

洗い終わったら、浴槽の水が綺麗になるまで濯ぎます。

洗剤の成分が残っていると劣化や性能の低下を誘発するので、しっかりと濯ぎましょう。

私の場合、小まめに水を変えていましたが、6回くらい濯ぎました。

 

 

脱水

NANGA ナンガ シュラフ 寝袋 洗い方_1982

脱水はシュラフに厚手のタオルを当てて、水を押し出すようにして行います。

絞ったりするとダウンに偏りが生じるので、してはいけません。

と言われていますが、

タオルで押し出す作業は余りにもキリがなかったので、絞りました(本来ダメ)。

(絞ったせいでダウンにかなりの偏りが発生しました。できる限り"絞る"という動作はしないようにしましょう。)

 

乾燥

NANGA ナンガ シュラフ 寝袋 洗い方_1982

大きな水分が取れたので、取り敢えずベランダに広げて見ました。

乾かし方は、「自然乾燥」と「乾燥機」の2種類がありますが、生地の劣化を防ぐ為に自然乾燥を選びました。

  • 竿に干すとダウンに偏りが生じるので良くない
  • 直射日光は生地を傷めるので良くない

と言われているので、このように簀子を敷いて、風通しが良いように配慮しました。

これで暫く様子を見ることにします。

 

 

しかし、

NANGA ナンガ シュラフ 寝袋 洗い方_19821日経っても全く乾く気配がありません。

冬ということもあるとは思いますが、これでは埒が明かないので、乾燥機にかけることにしました。

数日待てば乾くのかも知れませんが、既にダウンの偏りが生じて一部は塊になってしまっていたので、そのまま固まってしまわないか心配でした。

 

 

NANGA ナンガ シュラフ 寝袋 洗い方_1982

コインランドリーにきました。

乾燥モードは「」にして、乾燥スタート。

  • まず10分:全く乾く気配なし
  • 更に10分:少し乾く気配が見え始めた
  • 更に10分:大分乾いてきました

合計30分たった時点で、塊も取れ始めて希望が見えてきましたが、まだまだダウンが湿っているので、様子を見ながら乾燥を続けます。

結局合計で50分間乾燥させました。

(※毎回取り出してダウンをバサバサさせてダウンの偏りを広げるのと同時に、熱による生地へのヘタレが起こっていないか確認するようにしました。)

 

その後は、ひたすら自宅で自然乾燥をさせます。1日1回バサバサさせてダウンが均等になるようにします。

 

 

撥水処理

NANGA ナンガ シュラフ 寝袋 洗い方_1982

ほぼ乾いたら次は「撥水処理」をして行きます。

撥水剤は特別高価なものは使っていませんが、必ず「透湿素材」に適応した撥水剤を使うようにしましょう。

 

NANGA ナンガ シュラフ 寝袋 洗い方_1982

縫い目を中心に撥水剤を吹き付けて行きます。

撥水剤を撒布する理由は、撥水性の復活もありますが、洗濯時に縫い目に水分が保水し、その後乾く際に縫い目の穴が広がる為、羽毛の抜け毛を少しでも防ぐ為に必要と言われています。

 

その後も自然乾燥をさせておきましょう。

乾燥機での乾燥後、1週間は広げたまま放置しておきました。

 

出来栄え

それでは、洗濯前と洗濯後の写真を見比べて見ましょう。

 

上から

▼洗濯

しわくちゃ、ヨレヨレです。

 

▼乾燥3日目

膨らみが出始めました

 

▼乾燥7日目

空気を含んで立体感が戻りました!無事に成功しました!

 

 

横から

▼洗濯

NANGA ナンガ シュラフ 寝袋 洗い方_1982

ヨレてますね

 

▼乾燥3日目

膨らみが出始めました

 

▼乾燥7日目

空気を含んでパンパンの状態に戻りました!

見比べるとその違いは一目瞭然ですね。洗濯して良かったです。

 

 

まとめ「洗濯方法の反省」と「自宅洗濯のコスパ」について

NANGA ナンガ シュラフ 寝袋 洗い方_1982

いかがでしたでしょうか。

今回、6年間使用したシュラフを洗ってみましたが、結構大変でした....。

 

▼反省点を振り返って

【手洗い】

私が使っているNANGAのオーロラシリーズが表面に撥水加工が施されているモデルということもあって、空気が抜けにくく、浴槽の中でシュラフが膨らんでしまって洗うのが大変でした。
→最初にしっかりと空気を抜いてから浴槽に入れることをお勧めします。

 

【脱水】

タオルで水を押し出すのが大変すぎて絞りました。
→これをやるとダウンが偏るので、時間がかかってもタオルで押し出しましょう。

 

【乾燥】

「陰干し」「風通しの良い場所」「平置き乾燥」など全ての条件を満たして、自然乾燥とかめちゃくちゃ時間がかかります。
→乾燥機でパパッと乾かした方が楽ですし、現実的です。

 

▼自宅洗濯のコストパフォーマンスについて

【NANGAの公式に依頼する場合の費用】

洗濯費用:6,600円
往復送料:1760円(880円×2)
合計:8,360円
期間:1ヶ月

 

【自宅で洗濯する場合の費用】

洗剤費用:1,200円
乾燥機代:500円(10分100円×5回)
撥水剤代:900円
合計:2,600円
期間:1週間

洗剤と撥水剤は寝袋1個でそれぞれ3分の1程度しか使用していないので、細かく言えば1,200円で洗濯できた事になります。

 

自分で洗濯する場合、失敗すると数万円する高価な寝袋が無惨な姿になるリスクがありますが、正しく手順を踏めば失敗することもないので、私は自宅での洗濯をお勧めします。

 

正直大変でしたが、洗濯してから明らかにダウンの膨らみが復活したので、洗濯したことは正解だったと思っています。

 

洗濯〜乾燥まで最低でも1週間はかかるので、時間のある時にされることをお勧めします。

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