登山では「素晴らしい絶景」や「残したい一瞬」がありますよね。
今回は、登山をしながら写真撮影をする上で気をつけた方が良いポイントについてお話ししていきたいと思います。
関連記事
【雑談】登山での写真撮影の注意点
撮影時に気を付けるポイント
安全確保が最優先
山の中の景色は常に移り変わっていくので、「登りながらサッとカメラを出して、サッと撮影する」なんて事も良くある事だと思います。
しかし、写真を撮影している瞬間というのは、ファインダー(ディスプレイ)に意識が集中し、両手または片手が山から離れ、身体のバランスも変化する為、実は非常に危険な体制であるという事を忘れてはいけません。
▼安全確保をしてから撮影
これは一番大切なことです。
- 足元の確認。
- 3点支持の徹底。
- 必要に応じてセルフビレイ
危険な箇所の写真って撮りたいですよね。個人用であれ、SNS用であれ、臨場感のある写真は魅力的で撮影したくなるものですが、何の考えもなくカメラを取り出しはいけません。
▼ながら撮影の禁止
- 歩きながら....
- 登りながら....
の撮影は危険個所での撮影と同等に危険です。
写真であれば止まって撮影することが殆どだとは思いますが、動画の場合は歩きながら撮影する事も多いと思います。
私も状況によっては歩きながら撮影をする事もありますが、その場合はファインダーやディスプレイは見ずに、しっかりと進む方向を見ながらカメラだけを撮りたい方向に向けながら歩いています。
また、意外とやりがちなのが、
「ショルダーベルトに装着しているカメラポーチなどにカメラをしまいながら歩きだす」です。
これも意外と危険なので、ちゃんと落ち着いてから歩き出すようにしましょう。
厳しい山行にさればなるほど、臨場感のある写真が撮りたくなるものですが、僕たちはプロのカメラマンではないので、安全を最優先に考えましょう。
落としたら諦める
もしも、山の中でカメラを落としたら、どうしますか?
どうみても安全な場所であれば取りに行きますし、断崖絶壁なら諦めも付くでしょう。
微妙な場所の場合は迷ってしまうと思います。
ちょっと良いカメラなら10万円以上はザラなので、易々と諦める事は出来ないと思います。
この時にやってはいけないのが、
「何の考えもなく、落ちたカメラを追いかける」ということです。
例え30万円のカメラでも、自分が落ちたら洒落になりません。斜面にカメラを落としたら、諦める事を念頭に十分な安全確保が出来た事を確認してから取りに行くようにしましょう。
ポイント
カメラを落とした時に諦めが付かないのが、カメラ本体よりも中のデータである事が多いと思います。
いざという時に、正しい判断が出来るようにバックアップはこまめに行うようにしましょう。
スマホは極力避ける
これは個人の考えによる所が大きいのですが、山の中でのスマートフォンの使用は極力避けるようにした方が良いというお話です。
GPSの記事でも少し触れていますが、スマートフォンは下界との唯一の通信手段です。
万が一、スマートフォンを紛失または破損した場合、緊急時の救助要請が出来なくなってしまいます。
マナーを忘れない
自分の身の安全も大切ですが、忘れてはいけないのが、撮影時のマナーです。
- 他の登山者の通行を妨げない
- 不必要に登山道から外れない
- 他の登山者が映り込まないように配慮する
- 場所の占有はしない
- ドローンを飛ばす際は、周辺の登山者に配慮する
映えを意識しすぎて、モラルに反する行為をしてしまわないように改めて気をつけましょう。
機材の取扱いについて
機材の露出は避ける
▼機材が壊れる原因になる
当然ですが、カメラが露出していると、転倒時や岩肌にぶつけると破損のリスクがあります。
▼引っかかると危険
危険個所の少ない一般登山道であれば特に問題はありませんが、バリエーションルート等の危険なルートを行く場合は、ザックの外付けは極力避けるべきポイントであり、これはカメラも例外ではありません。
▼防水・防滴・防塵・耐寒は要チェック
自身のカメラの数値的な性能については当然ご存知だとは思いますが、実際にどの程度の露出までは問題ないかは把握しておくようにしましょう。
低温下でのバッテリー切れ
特に常時低温下となる雪山登山ではカメラの取扱いには注意しなければいけません。
メーカーの公式発表で○○度まで対応と書かれているものであれば、ある程度は把握が出来ますが、そうでないものも多いです。
特に氷点下を大きく下回る高山では、撮影の為にカメラを出しているだけであっという間にバッテリーが無くなるという事もザラにあります。
撮影の時だけカメラを取り出して、それ以外の時はジャケットの内側やザックの中にしまっておくようにし、万が一バッテリーが切れた時に直ぐに交換出来るように予備バッテリーは取り出しやすい場所にしまっておきましょう。
注意ポイント
やってはいけないのが、カイロなどで急激に温めるという行為。急激な温度変化はカメラ内部に結露を発生させる要因となるので、十分に注意しなければいけません。
メモリーの空き容量の確認
忘れた頃に起こるのがメモリー不足です。
大容量のメモリーを使っていても、いつかは満タンになります。
「絶景を目の前にして、メモリー不足で撮影出来!」なんて事にならないように、撮影したデータは小まめに整理しておきましょう。
また、カメラ本体での不要なデータを削除する作業はバッテリーを大きく消耗する原因となるので、注意が必要です。
カメラの基礎は下界で習得しておく
少し良いカメラになれば、設定項目や調整方法も多く楽しみが尽きませんが、慣れないうちは「あ~でもない、こうでもない」と設定に時間が掛かってしまいます。
あれこれ設定している内に30分が経過していたなんて事もザラなので、カメラの設定方法などは下界でしっかりと練習しておきましょう。
その他、撮影時に感じること
撮影は意外と体力がいる!?
これが意外とあるあるだと思うですが、登山の最中の写真撮影には意外と体力がいるという事です。
▼体力不足は撮影意欲の減退を招く
気合いの入ったテント泊山行。ヨシ!写真を沢山撮るぞ!と意気込んでいていも、いざ歩き始めたらザックの重さに疲れ果てて、沢山撮るどころか、歩くのに必死で、カメラを取り出す事すらままならない....なんて事が意外と多く発生します。
▼撮影機材が予想以上に重い
登山装備は軽量化に精を出していながら、重たいカメラ機材を持って山に行くというのも矛盾していますが、、、。
良いカメラになればなるほど、結構重たいんですよね。
▼良い構図で取りたければ先回りも必要
被写体がいる場合は、先に行ってスタンバイしたり、後ろから撮って追いかけたり、
パーティー登山の場合は、自身の撮影の為に遅れが生じない為にも通常の歩行スピードは他の人よりも余裕がある必要があります。
とまぁ、こんな感じで写真撮影って意外と体力が要ります。
プロのカメラマンって凄いなぁと再認識させられます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
日常を離れて山の中に入れば、絶景が広がっていますが、それと同時に危険に満ち溢れています。
良い写真を撮りたいが為に、事故を起こしたり、周りの人達の迷惑にならない為に、気をつけていきましょう。