2枚目の雪山登山用のアンダーウェア/ベースレイヤーとして、ミレーの「MILLET ミレー ワッフルウールクルー/WHOLE GMT WAFFLE WOOL CRW」」を購入しました。
実際に使ってみた上での感想などをご紹介していきたいと思います。
【レビュー】雪山登山のベースレイヤー「ミレー ワッフルウールクルー」
これまでは、モンベルのジオラインEXPを使用して来ましたが、5年間使用して敗れてきたので、今回買い替えました。
モンベルのジオラインの紹介記事はこちら↓↓↓
ベースレイヤーの重要性や選び方なども解説していますので、よろしければどうぞ。
「ミレー ワッフル ウール」の紹介
▼このウェアの特徴
メリノウールの天然の快適性と、最先端の編立技術による優れた機能性を兼ね備えた、軽量で快適なベースレイヤー。高品質の極細メリノウールをふんだんに取り入れた軽くて暖かいワッフル素材を、縫い目のないコンピューター編みで仕上げ、肌へのストレスと通気性を考慮した立体的で柔らかい肌触りを実現しました。さらに、運動性の高いラグランスリーブ、脇腹部分は通気性と横方向の伸縮性を、身頃や肩・袖は絶妙なフィット感を提供するよう計算された編み方にすることで幅広いシーンやアクティビティにおける本当の快適さを細部まで突き詰めています。秋から春先まで長く活躍できるクルーネックタイプ。
装備
・汎用性のあるクルースタイル
・18.5マイクロメートルの極細メリノウールを70%配合
・ウールの優れた調湿性、保温性と、天然の抗菌効果
・伸縮性に優れ、軽量で保温性のあるワッフルのニット組織
・袖口にサムホール
素材
ワッフルウール ウール70% ナイロン26% ポリウレタン4% 18.5μ メリノウール
重量
192g
公式サイトの文言を要約すると、
「保温性と通気性は勿論、独自の縫製技術に高い伸縮性とフィット感を実現し、様々なアクティビィティでの快適性を突き詰めてる。」ということです。
価格は、定価:14,300円(税込)となっています。
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雪登山で通気性や発汗性が重要な理由
まず初めに、発汗性が非常に重要だと理由について少し触れておきます。
雪山登山は”寒い”というイメージをお持ちではないでしょうか?
確かに厳冬期の3,000m級の雪山ではマイナス20度を下回ることも珍しくなく、1,000m~2,000m級の山岳地帯であっても常に氷点下の世界となります。そのことから「アンダーウェア・ベースレイヤー」を選ぶ際に、つい暖かさを重視する傾向にありますが、実は発汗性に最も重点を置かなくてはいけません。
その理由としては行動中は意外と熱いという点にあります。
入山時は標高も低く樹林帯では風も穏やかで、テント泊であれば大きな荷物を背負っており、必然的に汗を掻いてしまいます。
稜線に上がる場合は、気温の大幅な低下や強風への対策として「ミドルレイヤー」や「ハードシェル」を着込むことが殆どですが、ハードシェルが風を完全にシャットダウンする関係で、例えゴアテックスであっても内部の群れはある程度は避けられず、多少なりとも汗を掻いてしまいます。
水分は乾燥した空気に比べて熱伝導率が良い為、汗が冷気を伝えてしまうことになります。
また、どれだけ暖かい「ベースレイヤー」を着ても保温性には限界があり、レイヤリングが前提となるので、過度に暖かいモデルよりも発汗性の高いモデルを選ぶ方が良いという事です。
その為、「寒さに弱い人こそ、発汗性の高いウェアを選んでみて欲しい」ということになります。
「ミレー ワッフル ウール」のメリット・デメリット
メリット
▼「ストレッチ性」&「発汗性」が高い
伸縮性の高い生地が採用されており、ストレッチ性が非常に高いです。
大きな動きをしても、ツッパリやゴワツキなどの不快感は一切ありません。
また、発汗の多い脇下・背中部分は汗抜けがし易いように縫製方法に工夫がされており通気性も非常に優秀で、雪山で大敵となる汗びえを大きく軽減してくれています。
▼袖口サムホール
袖丈は若干長めになっており、袖口にはサムホールがあるので、ミドルレイヤーを重ね着する際に、袖がずり上がることを防いだり、冷気の侵入を防ぐ役割があります。
これはシビアな雪山登山では非常に大きなアドバンテージとなります。
デメリット
▼耐久性が少し心配
伸縮性と通気性には文句がないことを実感していますが、その分、生地がそれほど分厚くなく、耐久性が少し心配なところです。
これを1枚だけ着用して行動している時などは、枝などの引っかかりには注意が必要です。
▼破れました(少し)
2022年4月の西穂高岳西尾根で、小枝に引っ掛かった際に、袖に小さな穴が空いてしまいました....。
縫えば問題ない範囲ですが、買って間もない時だったのでショックでした。
▼その後
現在購入から3年が経過しましたが、大きな伸びや縮み発生していません。
当然ですが洗濯時は「ネットに入れる」「オシャレ着モード」「陰干し」などの最低限の対策は必須です。
実際の山でのレビュー
レビュー1「1,000m級 日帰り」
山域:比良山系(1,000m級)
山行:日帰り
季節:12月末
天候:風雪
服装:「本品」+「ミレードライナミックメッシュ」+「ハードシェル」
▼感想
1,000m級の低山ということで、特別気温が低いわけではありませんでしたが、終日雪が降っており終日ハードシェルを着用した状態で過ごすことになりました。
トレースがない為、ハードシェルを着た状態でのラッセルとなり、暑く汗が噴き出す感覚はありましたがドライレイヤーの併用と、ハードシェルのベンチレーターを解放していたこともあり、不快感はなく、休憩などで止まった際の汗冷えはありませんでした。
レビュー2「3,000m級 テント泊」
山域:北アルプス(3,000m級)/涸沢岳西尾根
山行:テント泊
季節:1月上旬
天候:晴れ+風強い
服装:「本品」+「ミレードライナミックメッシュ」+「ミッドレイヤー」+「ハードシェル」
▼感想
1日目は、新穂高から幕営地点まで樹林帯の約900mの登りでした。急勾配に加えて20kgの装備と、降雪によるハードシェルの着用により、汗を掻いてしまいましたが、「ミレードライナミックメッシュ」の併用で不快感はなく、休憩時に座って休憩しても、無風の10分ほどの休憩であれば、汗冷えにより寒さを感じる事はありませんでした。
2日目に稜線に上がる時は、「本品+ミレードライナミックメッシュ+ミッドレイヤー+ハードシェル」の4層着込みで備えました。4層着込んでいるので、ラッセルを行うと多少は暑くなりましたが、問題のない範囲で済みました。
また、生地の伸縮性が良く、タイトなミドルレイヤーを上から着ていましたが、ゴワツキもなく快適に過ごすことが出来ました。
レビュー3「3,000m級 残雪期のアプローチ」
山域:北アルプス(3,000m級)/南岳西尾根
山行:テント泊
季節:5月上旬
天候:快晴+微風
服装:「本品」+「ミレードライナミックメッシュ」
▼感想
1日目は、新穂高から幕営地の槍平までのアプローチでしたが、この日は7月並みの陽気で、日が当たる場所は非常に暑く、歩行中は多くの汗をかく状態でした。
風が吹くとウェア内部に風が入り込んでくる感覚があり、一瞬冷たい(涼しい)感覚はありますが、程なくして汗が乾いていく実感があり、大量の汗をかいていてもベースレイヤーは比較的ドライな状態をキープ出来ていました。
まとめ&総評
個人的な満足度
- 伸縮性:★★★★★(文句なし)
- 保温性:★★★★☆(雪山ではレイヤリングが前提なので丁度良い暖かさ)
- 発汗性:★★★★☆(ドライレイヤーとの併用で最大限に発揮する)
- 耐久性:★★★☆☆(少し不安がある)
- 価格帯:★★★☆☆(定価1万円超えで、安いとは言えない)
総合的:★★★★★
購入して良かったと思える商品です。
定価が14,300円(税込)と決して安いとは言えませんが、それだけの価値のあるウェアだったと思っています。
特に、ストレッチ性や発汗性を重視する登山者に是非おすすめしたい商品です。
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