山岳遭難の対策の一つとして、最近注目を集めている「ココヘリ」
私自身もココヘリに入会しているので、ココヘリについてご紹介していきたいと思います。
尚、2022年7月1日から山岳遭難費用保険のjROのサービスが追加され、更に2024年1月からはGPS機能付きの新プランが発表され、日々心強いサービスへと進化していっています。
また、最後では入会金を無料にする方法もご紹介します。
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【レビュー】遭難対策ココヘリ 「メリット・デメリットを解説」
サービスの概要
ここでは詳しい説明は省略しますが、ざっくりと簡単に説明すると
「会員証(発信機)を携帯していると、万が一登山の最中に遭難しても、専用の受信機を持ったヘリコプターが遭難者の位置を特定してくれる。」というサービスです。
・救助要請をしたけど、自分がどこにいるのか分からない。
・家族が救助要請をしているけれど、本人と連絡が付かないので、山のどのあたりにいるのか分からない。
等々、そんな時にココヘリがあれば自分がいる場所を探してくれるので安心です。
※詳しくはココヘリ公式サイトをチェック
ココヘリのメリット(おすすめポイント!)
私が実際にココヘリに入会した理由や、おすすめのポイントなどをご紹介していきます。
メリット1:年間5,500円(通常プラン)でお得に安心を買える
ココヘリは会費制のシステムで、プランは3種類あり最もシンプルなものであれば年会費は1年間で5,500円(税込み)となります。
※別途、入会金:3,300円が必要(無料化のサービスあり)
3年契約もあり
3年契約の場合、「14,850円/3年」となり1年あたり550円お得になるので、登山が人生の趣味になっている人にはお勧めのプランです。
尚、途中解約をした場合も、1年以上の契約期間が残っている場合、未使用期間分に関しては返金されるので安心です。
※詳しくはココヘリ公式サイトで確認。
5,500円と言うと決して安い金額ではありませんが、受けられるサービスがこちら
特徴
- ココヘリによる無料での捜索
→ココヘリが貴方の居場所を探してくれる
- 個人賠償責任補償
→登山中に万が一誰かを怪我させてしまっても保険が降りる
- アウトドア用品補償
→登山中に登山用品を破損してしまっても保険が降りる
- 地上を含む山岳遭難費用保険
→個別に山岳遭難費用保険に入る必要がありません。
詳しく見ていきましょう
▼550万円まで無料で捜索
ココヘリによる捜索は勿論ですが、民間ヘリ、遭対協など本来であれば多大な費用が発生する捜索態勢でも、年間550万円分の捜索費用が無料で補填されます。
ポイント
- ココヘリは回数制限なく無料で出動
- 警察のヘリが出払っていて、民間のヘリが救助に向かった場合も無料
- 警察だけではなく、遭対協の人々が出動した場合も無料
注目して欲しいのが、山岳遭難費用保険がサービスに含まれているという点です。
即ち、今まで個別で入っていた山岳遭難費用保険に別途入る必要がありません。
▼他人を怪我させても保険が降りる
登山で誰かを怪我させてしまった場合と言えば、どんな場面があるでしょうか
- 落石の誘発
- 転倒により他者を巻き込む
などでしょうか。
そもそもが法律で賠償責任を回避できるケースも多々ありますが、関係性や状況によっては多大な損害賠償を請求されるケースも十分に起こりえます。
あるに超した事はありません。
▼登山用品を壊してしも保険が降りる
登山用品は過酷な環境で使うからこそ、いつ壊していまうか分かりません。
なんと、破損だけではなく盗難による紛失も補償対象になります。。最近は悲しい事に山の中での盗難もチラホラ耳にするので、安心ポイントです。
登山装備はどれも非常に高価なものばかりで、買い替え費用や修理代金もバカになりません。
上限額(3万円)と免責額(5,500円)があるとはいえ、このサービスは非常に助かります。
補償対象
【基本装備】
ヘルメット、アウトドアウォッチ、GPS端末、高度計、雨具、ヘッドライト、ストック、トレッキングポール、レッキンググローブ、アウトドアカメラ
【テント泊】
テント、寝袋、タープ、ツエルト、コンロ、エアマット
【雪山装備】
雪崩ビーコン、ピッケル、アイスバイル、アイゼン、スノーシュー、スキー板、スノーボード、ビンディング、ゴーグル
こんな感じで年間5,500円でこれだけのサービスを受ける事が出来ます。
これは断言できますがメチャクチャお得です。
メリット2:軽い!たったの20g
登山において「軽さは正義」です。
安全の為の装備で、重量が嵩んでしまったら本末転倒ですが、安心して下さい。
たったの20gです。
スペック
主な仕様
・本体サイズ:W39mm × H58mm x D12mm
・総重量:約20g
・生産国:日本
・充電式:1回の充電で2ヶ月動作
・付属品:Micro USBケーブル
・その他機能:生活防水
・ケース素材:ポリカーボネート
※水圧のかかる使用環境(沢登り、渓流釣りなど)においてはジッパー付きのビニールに入れるなどの防水対策をお願いいたします。
技術仕様
・Bluetooth 4.x (Bluetooth Low Energy)
・920MHz帯特定小電力無線局
適合規格
- Bluetooth SIG認証
- 日本電波法認証
※ココヘリ公式サイトより引用。
日頃から軽量化に神経を使っている登山者にとっても、20gであれば、全く問題ないでしょう。
また、「生活防水」&「MADE IN JAPAN」の安心構造です。
バッテリーもフル充電で2ヶ月持つので、念の為に1ヶ月に1回充電しておけば長期縦走でも問題ありません。
メリット3:大事なものをスマホで探せる
200m以内であれば、自身のスマホで会員証(発信機)を捜索することが出来ます。
山に行かない時は、ココヘリの会員証(発信機)を「紛失したくない大切な物」につけておけば、スマートフォンのアプリで居場所を探すことができます。
200m以内であれば、専用のアプリでレーダー式に位置を探る事ができます。
また、最後の電波を拾った場所をスマートフォンの地図に表示する事ができるので、大まかな場所をの特定にも役立ちます。
メリット4:会員専用サイトでお得に買い物
ココヘリの会員専用サイトで、登山用品を購入する事ができます。
これが結構お得です。
品揃えに関しては、Amazon、楽天などの大手のショッピングサイトに比べると見劣りしてしまいますが、
定期的にセールが行われており、こまめにチェックしていれば、超お得な掘り出し物に出会えることもあります。物によってはAmazonなんかよりも圧倒的に安い事があります。
また、一番注目したいのが、購入した金額の10%が翌年の年会費から割引されるという点です。
例
「会員専用サイトで、20,000円分の買い物をした場合、購入額の10%の2,000円が翌年の「年会費5,500円」から割引されて、年会費が3,500円になります。
私も実際にシュラフの買い替え時にココヘリ通販サイト(AJモール)で、欲しかったシュラフを業界最安値で入手しました。2個購入して合計額が5万円を超えたので、翌年度の年会費を無料にする事が出来ました。
メリット5:安全に関する知識を得る事が出来る。
ココヘリは緊急時に捜索を行ってくれるだけではなく、そもそも事故を起こさない為に、安全に関する取り組みを積極的に行っています。
- 無料の教材の公開
合計4種類、累計364ページ(2024年2月現在)に及ぶ登山に関する基本的な情報が公開されています。 - WEB講習の開催
ZOOM等の映像配信サービスを活用し、プロの山岳ガイドなどが講習を行う。また、アーカイブとしてYoutubeにも動画が公開されています。 - 現地での実地講習の開催
実際の登山の中で行われる実地講習。WEB等で取り込んだ知識をプロの指導者のもと現地で試す事が出来る。 - 事故対応レポートの公開
実際に発生した捜索案件の対応の流れを公開し、現場や捜索側ではどのような対応が行われているのかが公開されいる。
緊急時に活用出来るサービスというのは安心ではりますが、それは最後の砦。そもそも最初から危険な状態に陥らない事が大切。
その為にも安全に関する情報の入手や、技術の習得は欠かせません。
特に無所属登山者にとって「知識や技術をどこから入手するのか」というのは非常に大きな問題ですので、これらのサービスは非常に大きなメリットだと思います。
デメリット(注意点)
ココヘリは非常に画期的なサービですが、利用に当たってはしっかりと本質を理解しておかなければいけません。
デメリットというよりは「サービスの性質を正しく理解して、賢く活用しましょう。」という意味です。
ココヘリの捜索可能範囲は16kmまで(※通常プランの場合)
ココヘリの捜索が可能な範囲は、専用の端末を持ったヘリを中心とした半径16kmまでとなります。
その為、最低でも登山に出かけた山域やルートなどが分からなければ、捜索は不可能です。
また、ココヘリ事態には、自らSOSを発信する機能はない為、登山者自身か家族・知人からの通報がなければ捜索はして貰えません。
当然ですが、携帯電話の電波が入らなければ、救助要請をする事は出来ません。
登山に出掛ける際は、必ず登山届を提出すると共に家族とも共有し、「○○時までに連絡が無ければ通報してくれ」といったように、しっかりとした対策をしておくようにしましょう。
ココヘリへも知らせておくと安心
ココヘリのマイページから登山届の共有が可能となっています。
自宅に登山計画書を伝えていても、家族は山の名前などを理解していなかったり、緊急時に気が動転して的確に伝えられないという事も想定されるので、
救助活動をより円滑にする為にも、ココヘリへの登山届の共有は、是非活用しましょう。
【選べる登山届】
- ココヘリ専用フォーム
→マイレージから入力
- ヤマレコ
→公開範囲を「ゲストを含む全員が閲覧可」にしてURLを送信。
- ヤマップ
→公開範囲を「ゲストを含む全員が閲覧可」にしてURLを送信。
- コンパス
→コンパスの登山届に「会員ID」を入力していれば、自動連携で連絡不要。
がしかし、
ココヘリの新プラン「GPS+」「SUMMIT」であれば、これらのデメリットを補ってくれます。
私自身、「GPS+」に加入しましたので、実際に使用してみた感想など、詳しくはこの記事の続きで記載しています。
携帯方法・保管方法は確認しよう
最大16kmまで電波を飛ばしてくれるココヘリですが、正しく装着していないと電波を最大限活用することは出来ません。
駄目な例
上の図のようにココヘリの発振器の上を塞ぐような状態になると電波が飛びづらく、捜索者が電波を正しく拾うことが出来ません。
また、既に述べましたがココヘリはフル充電から2ヶ月間、バッテリーが持続しますが、バッテリーの残量を示す表示はありません。
その為、山行の前には必ず充電する癖をつけましょう。
捜索対象外地域も僅かにはある
基本的には、捜索可能範囲を日本全国カバーしていますが、一部の例外地域があります。
【サービス対象外地域】
- 沖縄県
- 島嶼部(佐渡島・種子島・大島などの小さな島)
※屋久島は捜索対象地域ですので安心して下さい。
例えば、西表島(沖縄県)にも本格的な登山ルート(未舗装)なんかもありますが、道に迷っても捜索して貰えませんのでご注意下さい。(※いわゆる超秘境的な所に行く場合は、インリーチミニなどの衛星通信機器の携帯をお勧めします。)
まぁ、登山として訪れる地域は全てカバーされているので問題はありません。
新プラン:新プラン「GPS+」「SUMMIT」について
既に通常プランに加入していましたが、この度「GPSプラス」へとプラン変更し、実際に使用している経験からご紹介します。
新プランの概要について
ココヘリの新プラン「GPS+」「SUMMIT」では、端末からGPS情報が発信されているので、直前まで発信されていたGPS情報を元に登山者の位置を特定していくれます。
1.常時発信されているGPSの移動履歴(自宅から登山口まで)からの活動山域を絞り込む
↓
2.通常のココヘリの直接通信で、要救助者の居場所を特定します。
▼こんな時に便利
- 登山届の未提出。
- 家族に行先を伝えていない。
- 家族がパニックで正しく説明できない。
本来あってはならない事ですが、上記のようなシチュエーションでも、GPSの軌跡から登山者の活動山域を絞り込む事が出来ます。
注意ポイント
原則として、この新プランに搭載されるGPS機能は、山中では繋がりません。自宅にいる家族に自身の居場所を伝えるには、ヤマップの「見守り機能」や、ヤマレコの「いまココ」など他社機能の活用が必要となります。(※実際のログは以下にて記載)
あくまでも活動山域を絞り込む為のものであるという事を忘れてはいけません。その他の活用方法としては、GPSの移動履歴は自宅で待っている家族も確認する事が出来るので、下山の連絡を忘れた場合でも、不要なトラブルやパニックを軽減する事が出来ます。
スペック/年会費
「GPS+プラン」
→年会費:13,200円
「SUMMITプラン」
→年会費:18,700円
- 捜索・救助活動:最大550万円
- 個人賠償責任制度:最大1億円
- アウトドア用品補償:最大1億円
- GPS捜索・閲覧機能
- 傷害死亡補償:最大50万円(SUMMITプラン限定)
- 手術補償:入院中1万円(SUMMITプラン限定)
- 入院・通院補償:入院1,000円/日(SUMMITプラン限定)
※SUMMITプランの補償について詳しくはココヘリ公式HPにてご確認下さい。
※稼働時間は通常の探索用電波の発信 がフル充電から約2〜3ヶ月、GPS位置情報送信が1日8時間の移動換算でフル充電から約2週間となっています。
因みに「GPS+」の端末になってから、GPS機能が搭載された事により、重量が増加しています。
たっhが約50g、標準装備の付属のカラビナ付きで約80gとなります。
- 「スタンダードモデル」
端末本体:20g - 「GPS+モデル」
端末本体:50g(標準装備の付属のカラビナ付きで約80g)
スタンダードモデルに比べると、端末本体だけで2倍以上となりますので、念の為注意が必要です。
実際のログを公開
これは、高速道路を通行していた時のログです。高速道路ですので、移動速度も80km以上の高速移動で所々トンネルを通過する為、ログが飛んでいる所がありますが、目的までの軌跡の確認には全く問題ありません。
これは最寄りの駐車場から登山口に向かって、その後入山した時のログです。
駐車場直前は車での移動の為、若干ログが飛び気味ではありますが、その後徒歩で移動している部分はしっかりとログが刻まれています。
そして、こちらは山中を移動していた時の実際のログです。公式の発表では「山中でのGPSは電波が弱くなる為、下界での移動履歴の記録のみ」となっていますが、予想以上に山中でのGPSの感度が良く、専門のGPS端末のログとも大きな相違はありません。
しかし、これは活動山域により大きく異なると思いますので、過信はせずに公式の記載通りに、山中でのGPSの共有は専門の別サービスを利用するよにしましょう。
因みにこちらのログの「ヨキトウゲ谷」から「金糞峠」の間のログが一気に飛んでるのがお分かりでしょうか?
この区間は一般登山道ではありますが、沢筋のルートになる為、電波が届きにくくログが正しく記録されていません。
いずれにしても、「山中でのGPSのログは使い物にならない?」くらいに思っていなので、嬉しい誤算でした。
新プランの加入に迷っている人へ
新プランのシステムは分かったが、加入に迷っている方が多いのではないでしょうか。
GPS機能付きのモデルの年会費は13,200円と、通常プランの5,500円よりも7,700円高くなっており、
各種保険がついた「サミットプラン」は更に5,500円高い18,700円となっており、
サービス内容が増える毎に年会費が上がっていきます。
GPS機能の必要性の有無に関しては、
「GPS機能は原則的に下界での移動履歴の記録である」という点を踏まえると、普段から登山届の提出の徹底と、「家族とのコミュニケーション」がしっかりと取れている場合は、通常プランでも事足りるのかもしれません。
とは言え、上述の通り、登山では「こんな時に限って」というイレギュラーが発生します。
また、家族の緊急自体というは、予想以上にパニックになるもので、冷静に対処出来るかとうかというのは実際に起ってみなければ分かりません。
私がプラン変更がした理由メモ
僕は夫婦で山に登っているので、登山届の共有先は実家の両親で、書面とLINEの両方で共有してるけど、
じゃあ、
「緊急時にコールセンターに正しく説明が出来るか?」と言われたら、どうかな。
両親も少しずつ年老いて来ているし、先を考えたら微妙かも。
登山届はココヘリとも共有もしてるから、ココヘリに連絡さえ入れてくれれば良い訳だけど、
リスクは分散が大事。
お金で減らせるリスクは減らしておこうという事で、プラン変更しました。
GPSの感度も予想以上に良くて、今のところ満足してます。
また、各種保険が付いたSUMMITOプランはGPS機能付との併用が条件のプラントなっており、通常プランからすると13,200円も高くなりますので、保険の補償内容がその差額に見合うのかが重要なポイントとなります。
GPSプランからの差額は5,500円ですが、補償内容の額面から思うと個人的にはあまり大きな魅力を感じないのが正直な所です。
その他
申し込みをしてから、自宅に届くまで
私の場合、火曜日の昼に申し込みをして、水曜日に発送完了のメールが届き、木曜日の午前中に到着しました。
タイミングや地域により若干異なる事もあるかと思いますが、会員証は大凡2日程で届くようです。
ココヘリは日々進化しています。
2016年に開始した本サービスは、開業以来、科学の進歩と、社会のニーズに合わせてサービスは日々進化しています。
私がココヘリに入会した当初は、提供されるサービスは探査機による捜索のみで遭難対策費用保険は付与されていませんでしたが、現在は「jRO」のサービスが組み込まれている為、個別に遭難対策費用保険に加入する必要がありません。
2024年からGPS機能付のプランが開始されるなど、日々サービスは進化し続けています。
災害など、登山以外でも出動してくれる
登山以外での出動の場合は有料とはなりますが、もしも常に肌身離さず携帯していた場合、不測の事態に陥って行方不明となった際にも出動をしてくれます。
入会金無料でお得に入会しましょう。
以下のココヘリ公式URLから申込画面へと入り、紹介用コードを入力すれば、入会金3,300円を無料にすることが出来ます。
▼申込URL
https://hitococo.com/form/cocoheli_syoukai/
▼友人紹介用コード
41446
まとめ
色々と注意点や、便利なポイントを紹介して来ましたが、最後に重要なことをお伝えしておくと、
「遭難は誰にでも起こりうる」と言うことです。
- ハイキング〜高難度な山行
- 入門者〜上級者
- 初めての山域〜慣れ親しんだ山域
いつ誰が遭難をしても不思議ではありません。
「注意していれば、遭難なんてしない」と思いますが、日頃からどれだけ注意をしていても、ふとした瞬間に遭難をしてしまうのが、山の不思議であり怖い所です。
5,500円で万が一の際に、生存の可能性を少しでも上げられるなら、安いと言えるでしょう。