雪山でテント以外でのビバーク方法となると「雪洞」が一番有名だと思います。
しかし「雪洞」となると一定以上の雪がなければ、掘ることは出来ません。
そんな時、「スノーマウント・かまくら」であれば、作ることができるんです。
スノーマウントの造り方
例えばこんな雪が少ない所では、雪洞なんて掘ることは不可能です。
しかし、スノーマウントであれば、作れてしまいます。
それでは、具体的にどのように作るかを見ていきましょう。(※写真はクリックすると拡大表示されます。)
手順1:ザックの上に雪を盛る
スノーマウントを作成する場所を決めれば、まずはその場所にザックを置き、その上に"ツェルト"を被せて、上から雪をどんどん盛っていきます。
このザックは行程の中盤で取り出しますが、取り出した時に空間ができるのが、その空間が内部のきぃ重空間の最初の足がかりになります。
手順2:固めて盛るを繰り返す
盛っては固めて、盛っては固めて、、、。
これを繰り返しながら、形を整えていきます。
手順3:入り口を作り、中に掘り進める
作りたい大きさ分の雪を盛り固めることが出来れば、次は入り口を作っていきます。
入り口は、小さすぎても出入りが出来ませんが、大きくし過ぎると崩落したり、風が入り込んで中の温度が下がるので、最初は少し小さめに掘って、様子をみて少しずつ調節していくといいでしょう。
手順4:ザックを取り出す
入り口を掘っていくと、最初に埋めたザックが出てくるので、入り口を崩壊させないように注意しながら、取り出します。
こうして、ザックを取り出すと内部の空間の最初の足がかりになります。
手順5:中の空間を広げていく
入り口が完成したら、徐々に内部の空間を広げていき、人間が入れるサイズにまで広げた後は、中に入って最後の調整を行います。
段々と雪の排出が大変になってくるので、中にツェルトなどを広げておき、ある程度溜まったら引っ張り出すと効率良く作業をすることが出来ます。
天井は出来るだけ「角」が出来ないように滑らかにすることで、天井からの水滴を少なくすることが出来ます。
この時、内部の空間を広げすぎて、崩落しないように注意しなければいけません。
手順6:入り口にツェルトを張り、中にはグラウンドシートを敷く
内部の空間が完成すれば、入り口に風除けとして「ツェルト」を張って、床には「グラウンドシート」などを敷けば、完成です。
完成!
入り口にツェルトなどの風除けを張ることで、中は驚く程、暖かくなります。
雪洞と同じで、中の温度は凡そ0度前後となり、テントの中よりも暖かいです。
これであれば、ビバークとしては充分に快適に過ごすことが出来るでしょう。
まとめ
今回は雪が少ない地域で作成したので、約1時間ほどかかってしまいましたが、もう少し雪のある場所であれば、30分程で2人がビバークするには充分な大きさの「スノーマウント」を造ることが出来ます。
また、今回紹介した手順通りにやらなくても作ることが可能です。
最初にザックを埋める作業を省略しても出来ますし、緊急時であれば床に敷くのはグラウンドシートでなくザックで代替してもいいでしょう。
緊急用として使える物ですが、練習あっての技術であると思います。
是非、練習を兼ねて、スノーマウントを造ってみて、雪山を楽しんでみてはいかがでしょうか。