皆さん、登山で使用しているダウンジャケットやテントシューズなどのダウン製品の洗濯はされておられますでしょうか?
ダウン製品は乾燥のみで洗濯しないという人も多いと思います。
今回は実際に「ダウンジャケット」「ダウンパンツ」「テントシューズ」を洗ってみたので、その方法と経過と出来栄えをご紹介します。
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洗おうと思ったきっかけ
雪山テント泊で登場する「ダウンジャケット」「ダウンパンツ」「テントシューズ」の3点セットは、直接身体に身に纏うものなので、見えないだけで汗や汚れが染み付きやすいものとなります。
ダウンジャケット:最も着用する機会が多いので、汗や汚れは多い
ダウンパンツ:就寝時の寝汗や食事の汚れなど
テントシューズ:足は就寝時の寝汗が最も多い場所で、トイレなどでそのまま外に出るので汚れも多い
これらのダウン製品を購入から6年が経過し、テント泊も累計166泊してきました。
これまで使用後は干して乾かすだけで、洗濯の経験はありませんでした。臭いに関しては普段自分が着用しているものなので分かりませんが、「ダウンの膨らみ」と「保温力」が明らかに低下してきていると感じたので洗濯してみることにしました。
洗濯前の状態
けっこう結構ヨレヨレですね、、、、。
使用開始から6年以上が経過しているといこともヘタリの原因ではありますが、それ以外にも思い当たる節はあります。
直近2年間は引っ越しに伴い、収納スペースの場所が取れず、NG行為であると分かっていながら「持ち運び用のスタッフバック」に入れて収納していました。
「長年の未洗濯」+「誤った収納方法」のダブルパンチで見事に萎んでしまいました。
洗い方
洗濯方法は「洗濯機」と「手洗い」の2種類がありますが、私のダウン製品は購入から6年が経過していたので、念の為「手洗い」することにしました。
洗剤
洗剤に関しては、通常の中性洗剤でも良いようですが、ダウン製品専用の洗剤を購入しました。
高価な物を洗濯するので、1,000円ぐらいの洗剤代はケチらない方が良いと思います。
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洗剤の中には「生地に撥水コーティング」がされたモデルには対応していないタイプもあるので、注意事項は必ず確認するようにしましょう。
洗濯
浴槽にぬるま湯(30度)を張って、そこに洗剤を規定量投入してかき混ぜます。
その中に洗濯するウェア一式を放り込みます。
あとは、ひたすら「じゃぶじゃぶ」「もみもみ」しながら優しく洗濯していきます。
※ダウン製品は空気を含みやすいので、少し空気を抜いてから浴槽に入れると洗いやすいです。空気を抜いていても選択中に新たに空気を含んでしまうので、生地が破裂しないように丁寧に扱いましょう。
汚れが酷い場合は、浴槽の水が茶色く濁る場合があります。今回は想像していた程の汚れは出ませんでした。
濯ぎ
洗い終わったら、浴槽の水が綺麗になるまで濯ぎます。
今回は、ウェアが上下合わせて合計6着と数が多かったので、小まめに水を変えながら12回くらい濯ぎました。
洗剤の成分が残っていると劣化や性能の低下を誘発するので、しっかりと濯ぎましょう。
脱水
脱水はダウン製品に厚手のタオルを当てて、水を押し出すようにして行います。
前回、シュラフ(寝袋)を洗濯した際に、脱水が面倒で絞ってしまい、凄まじいダウンの偏りを発生させてしまいました。
今回は反省点を活かしてタオルでの押し出しによる脱水を頑張って行いました。
この時の脱水処理を入念に行っておくことが、この後の乾燥に掛る時間に大きく影響するので、生地を痛めないように配慮しながら、しっかりと行いましょう。
ポイント
ダウンの下に浴槽の蓋などを引くと、押し出した水分がウェアに逆戻りすることを防ぐことが出来るので、効率良く脱水することが出来ます。
乾燥 その1「乾燥機」
タオルの押し出しによる脱水を行ったので、次は乾燥機による本格的な乾燥へと移ります。
前回の寝袋の反省から、今回は自然乾燥は試さずに直ぐにコインランドリーへとやってきました。
乾燥モードは「弱」にして、乾燥スタート。
10分毎に取り出して様子を見ますが、今回はなかなか乾いてくれません。
今回は「タオルでの圧着脱水」が甘くあまり水分が切れていなかったからでしょう。
結局合計で120分間乾燥させました。
(※毎回取り出してダウンをバサバサさせてダウンの偏りを広げるのと同時に、熱による生地へのヘタレが起こっていないか確認するようにしました。)
数が多いということと、脱水が甘かったのと両方あるとは思いますが、随分と時間がかかりました。
乾燥 その2「自然乾燥」
乾燥機で大体の水分が取れて膨らみが出てきたら、残りは自宅で自然乾燥させます。
乾燥機で完璧に乾かすと生地を痛めるリスクがあるので、8割くらいの乾燥に留めておきましょう。
1週間くらいは出しっぱなしにして置きましょう。
ポイント
自然乾燥の際は、半日〜1日に1回、裏と表をひっくり返すとより均一に乾きます。
1日1回バサバサさせてダウンが均等なるようにします。
撥水処理
ほぼ乾いたら次は「撥水処理」をして行きます。
(私は、乾燥5~6日目くらいのタイミングで行いまた。)
撥水剤は特別高価なものは使っていませんが、必ず「透湿素材」に適応した撥水剤を使うようにしましょう。
ダウンウェアの際の写真を撮り忘れたので、シュラフの際の写真を掲載していますが、やることは全く同じです。
縫い目を中心に撥水剤を吹き付けて行きます。
撥水剤を撒布する理由は、撥水性の復活もありますが、洗濯時に縫い目に水分が保水し、その後乾く際に縫い目の穴が広がる為、羽毛の抜け毛を少しでも防ぐ為に必要と言われています。
その後も自然乾燥をさせておきましょう。
乾燥機での乾燥後、1週間は広げたまま放置しておきました。
出来栄え
それでは、洗濯前と洗濯後の写真を見比べて見ましょう。
ダウンジャケット
上から
▼洗濯前
これだけ見ると分かり難いですが、、、
▼乾燥7日目
どうでしょうか!お分かりいただけますでしょうか?
斜め上から
▼洗濯前
▼乾燥7日目
実際に見たらめちゃくちゃ変化があるんです!
ダウンパンツ
上から
▼洗濯前
これは偽装工作なしの洗濯前の真の姿です。(よれよれ)
▼乾燥7日目
先ほどのダウンジャケットよりも分かりやすいのではないでしょうか!?
横から
▼洗濯前
あんまり、あったかくなさそうですね、、、
▼乾燥7日目
立体感ありますね!
テントシューズ
これが一番変化が凄いです!
上から
▼洗濯前
一見、普通に見えますが、、、
▼乾燥7日目
どうですか!全然違いますよね!?
これは感動しました。
下から
▼洗濯前
テントの外に出る時も靴底がふにゃふにゃで違和感ありまくりだったんです、、、。
▼乾燥7日目
これなら安心して野外に出られますね!
まとめ「洗濯方法の反省」と「自宅洗濯のコスパ」について
いかがでしたでしょうか。
今回、6年間使用した「ダウンジャケット」「ダウンパンツ」「テントシューズ」を洗ってみました。
前回、シュラフを洗った際の反省点を活かしたので、別段大きな苦労はありませんでしたが、新たに1個反省点が見つかりました。
▼反省点を振り返って
【タオル脱水は頑張ろう】
前回シュラフの洗濯時に脱水が大変でつい絞ってしまい凄まじいダウンの偏りが起こったので、今回はタオルでの圧着脱水のみを行いましたが、この時の脱水作業は不十分だった為に、乾燥機にかける時間が非常に長くなってしまいました。
乾燥機にかける時間が長いと生地の劣化を早めてしまうので、タオルによる脱水は頑張ってしっかり目に行うようにしましょう。
【今回かかった費用】
ウェア6着分相当(ダウンジャケット2着、ダウンパンツ2着、テントシューズ2セット)
洗剤費用:1,200円(400分使用)
乾燥機代:1,200円(10分100円×12回)
撥水剤代:900円
合計:3,300円
期間:1週間
洗剤は3分の1程度しか使用していないので、細かく言えば2,500円で洗濯できた事になります。
約3,000円ほど掛かってしまいましたが、ウェア6着分を業者に依頼するとなると、もっと高額になるので、費用的には今回も十分安く済ますことが出来たと言えます。
(タオルによる脱水をもう少し入念に行っていれば、乾燥機代は半分で済んだと思います。)
洗濯してから明らかにダウンの膨らみが復活したので、洗濯したことは正解だったと思っています。
次のテント泊が楽しみです。
洗濯〜乾燥まで最低でも1週間はかかるので、時間のある時にされることをお勧めします。