
「いつかは、あの無骨な四駆に乗りたい」
車好きなら一度は抱くそんな憧れを、私はずっと捨てられずにいました。
しかし、今私の手元にあるのは、ランドクルーザーでもエスカレードでもなく、一台の「ジムニー(JB64)」です。
なぜ私はジムニーを選んだのか? 雑談がてら、その理由を4つに分けてお話しします。
※単なる私個人の話であり、何か為になる話などではありません。また一見批判的意見に見える内容も含まれていますが、決してそのような意味ではありませんが、不快な方は画面をお閉じ下さい。
目次
【本音】私がランクルを諦めてジムニーに乗る4つの理由。妥協の先に見つけた最高の相棒
理由1:「いつかあんな車に」ー海外ドラマと、偶然見かけた後ろ姿が運命を変えた

私が車に興味を持ったのは、まだ中高生の頃でした。当時、夢中になって観ていた海外ドラマ『24 -TWENTY FOUR-』。劇中に登場するキャデラック・エスカレードの圧倒的な存在感に目を奪われ、「いつかこんなデカくてカッコいい車に乗れたら…」と漠然とした憧れを抱いていました。
もちろん、当時はお金の価値もわからない学生です。「到底買えるわけがない」と頭では理解しつつも、画面越しに映るオフロード車のタフな佇まいに、理屈抜きの「カッコよさ」を感じていたのを覚えています。
大学生になり、まずは運転免許を取得しました。当時はまだ特定の車種に執着があったわけではありませんが、ハンドルを握ること自体が楽しく、暇さえあれば車を走らせていました。
そんなある日、運命的な出会いが訪れます。
目の前を走っていた、ある車の「後ろ姿」に一目惚れしてしまったのです。
今でこそ、それが名車「ランドクルーザー40(ランクル40)」だったとわかりますが、当時はスマホも普及しておらず、ネット検索も今ほど手軽ではない時代。正体はわからずとも、その無骨で力強いシルエットに「自分が本当に乗りたいのは、ああいう車だ!」と、雷に打たれたような衝撃を受けました。
社会人になり、あの時の衝撃を頼りに調べていく中で、私は「オフロード車」「クロスカントリー(クロカン)」というジャンルの深い魅力へと引き込まれていくことになります。
理由2:憧れだけでは乗れない。維持費と価格の「現実」で見えたジムニーという選択肢

オフロード車の世界を知れば知るほど、一つの大きな壁にぶつかりました。それは「お金」の問題です。
最初に一目惚れしたランドクルーザーをはじめ、クロカン車の相場は驚くほど高騰していました。私が検討した車種のリアルな数字がこちらです。
▼車両本体価格の比較(目安)
- ジムニー(JB64): 新車165〜200万円(中古はプレミア化で200万円超も)
- ランドクルーザー40: 中古400〜600万円
- ランドクルーザー70: 中古300〜700万円
特にランクル系は、数十年落ちの車両でも「高級車が買えるレベル」のプレミア価格。さらに、ジムニーも納車待ちの影響で「中古が新車より高い」という異常事態が続いています。
しかし、本当に恐ろしいのは車両価格よりも、その先の「維持費」でした。
1. 燃費と燃料代の重圧
憧れの三菱ジープやランクル40・70系は、燃費が5〜10km/L程度。ディーゼル車なら単価は抑えられますが、ジムニーの平均燃費(10〜15km/L)と比べれば、毎月のガソリン代の差は明白です。
2. パーツ供給と修理の不安
「一生モノ」と言われる頑丈なエンジンを持つ彼らですが、古い車ゆえに故障はつきもの。修理代はもちろん、今後パーツが手に入りにくくなるリスクは、日常使いする上で大きなストレスになります。
3. 盲点だった「高速道路の休日割引」
意外と見落とせないのが高速料金です。ランクルなどの1ナンバー(貨物)登録車は、土日の休日割引が対象外になります。
例えば、大阪から岐阜(飛騨清見)まで約300kmを往復した場合:
- ジムニー(軽自動車): 約10,600円
- ランクル(中型車): 約16,000円
その差は往復で5,000円以上。長距離ドライブ派の私にとって、この差額は致命的でした。
正直なところ、私の年収でこれらの名車を維持するのは、あまりに現実離れしていました。
「カッコいい」という理想と、「無理なく付き合える」という現実。その境界線上で輝いて見えたのが、ジムニーだったのです。
理由3:「ただの小さい車」だと思ってた。ジムニーの真価を知って180度変わった評価

大型のクロカン車に憧れていた当時の私は、実を言うとジムニーを少し侮っていました。
「ジムニーって、ジープのミニ版でしょ?(笑)」なんて、今振り返ると当時の自分を叱ってやりたいほど、失礼で無知なことを思っていたのです。
しかし、本格的に「次に乗る一台」を探し始めると、嫌でもジムニーの存在が目に入ってきます。最初は「あれ、意外とカッコいいな…」という小さな興味からでした。
ところが、調べていくうちに衝撃を受けたのです。
ジムニーは決して「クロカン風の軽自動車」ではありませんでした。
- 唯一無二のラダーフレーム構造:過酷な路面でもビクともしない、本格オフロード車の証。
- 圧倒的な走破性:大型車両が重さで沈んでしまうような泥濘地でも、その「軽さ」を武器にスイスイと駆け抜けていく。
- 「軽」だからこその優位性:日本の狭い林道では、大きなランクルよりもジムニーの方が遥かに自由に、どこまでも入っていける。

「軽自動車なのに、中身はガチのオフロード車」。
このギャップに、私の単純な脳(笑)は一気に射抜かれました。
その熱狂のまま、最初に手に入れたのはJB23型。
ノーマルの状態で、車検を2回通し、約6年間じっくりと付き合いました。年数が経つにつれて少しずつ故障も出始めましたが、それも含めて「車と対話する楽しさ」を教えてくれた一台です。
そして、様々なタイミングが重なり、現在は最新のJB64型へと乗り換えました。
かつては「ぷぷっ」と笑っていた私が、今ではどっぷりとジムニー沼に浸かっている。人生、何が起こるかわからないものです。
理由4:「妥協」から始まったジムニーライフ。それが今では「これしかない」と言える理由

「ランクルが買えないから、妥協してジムニーにしたの?」
そう聞かれたら、私は正直に「YES」と答えるかもしれません。でも、自分の経済状況に合わせて、背伸びせずに付き合える車を選ぶことは、長く趣味を楽しむ上で何より大切なことだと思うのです。
ジムニーが持つ「軽自動車」という圧倒的なコストパフォーマンスは、私の生活に完璧にフィットしました。
- 維持費の安さ:毎年の自動車税や、高速道路の軽自動車割引。
- 現実的な燃費:本格オフロード車(ラダーフレーム車)の中では、間違いなく「最も燃費が良い部類」に入ります。
- リセールバリューの高さ:いざという時も価値が落ちにくい安心感。
…と言いつつ、実は購入後のカスタム費用ですでに100万円ほど投じています(笑)。車両本体と合わせれば300万円を超える計算になり、決して「安い買い物」ではなくなりました。しかし、維持費が抑えられているからこそ、その分を「自分好みの一台に仕上げる楽しみ」に回せているのだと感じています。
そして、私がジムニーに乗り続けられる最大の理由は、妻の理解があることです。
「ランクルは無理だけど、ジムニーならゴリゴリにカスタムしてもOK」
そんな、世の夫たちが泣いて喜ぶような賛成票を妻から得られています。車体サイズや維持費の透明性はもちろんですが、何より妻自身も「ジムニーが好き」だと言ってくれる。これは、私にとって何物にも代えがたい幸運です。
最初は消去法や妥協から始まった出会いだったかもしれません。
でも今は、ジムニーという車を心からリスペクトしています。
次に乗り換える時も、きっと私はシエラやノマドといった「ジムニーの系譜」を選び続けるでしょう。
まとめ:妥協の先に見つけた「正解」

最初は消去法で選んだ部分もありました。
でも、実際にハンドルを握り、狭い道を駆け抜け、自分好みに形を変えていく中で、今ではジムニーを心からリスペクトしています。
次に乗り換える時も、きっと私は「ジムニーの系譜」を選ぶでしょう。
もしあなたが「本当はデカい四駆がいいけど…」と迷っているなら、ぜひ一度ジムニーを試してみてください。そこには、小さな車体に詰まった無限の可能性が待っていますよ。