雪を纏った槍・穂高を眺めたく、初冬の槍ヶ岳へ。
赤と黄色の紅葉に輝く右俣川、雪を纏った槍穂高の稜線、雪と氷に包まれた槍の穂先、そしてホワイトアウトの飛騨沢下降。秋と冬の両方を感じられる贅沢な山行となった。
この記事では2日目の行程を紹介する。
1日目の記録はこちら
初冬・槍ヶ岳(テント泊)「紅葉とホワイトアウト、秋冬混在の飛騨沢ルート」前篇(1日目)
行程
ルート
2019年10月26日(土) ~ 2019年10月27日(日)
1日目:新穂高~白出沢~滝谷~槍平小屋~飛騨沢~飛騨乗越~槍ヶ岳山荘
2日目:槍ヶ岳山荘~槍ヶ岳~槍ヶ岳山荘~飛騨乗越~飛騨沢~槍平小屋~白出沢~新穂高
アクセス
新穂高登山者用無料駐車場(深山荘方面)に駐車。
閑散としており、午前5時時点で余裕で最上段に駐車出来た。
天気
【1日目】
- 早朝は霧雨、7時頃から基本、霧。
- 稜線に近づく雲を出たので雲海となる。
- 夜は風が非常に強く、テントが大きく揺れていた。
【2日目】
- 早朝は風が非常に強く、穂先登頂時のみ、運良く晴れるが、その後またすぐガスとなる。
- 稜線では非常に濃いガスや雪。
- 標高を下げるにつれて、雪~ミゾレ~雨となる。
登山道の状況・危険個所
以下は全て山行当時の状況となります。
■積雪状況(2019年10月26日~27日現在)
【新穂高~千丈分岐(2550m地点)】
雪なし、完全夏道
最終水場の水量は豊富でした。
【千丈分岐(2550m地点)以降】
上部に行くほど、積雪も多くなる。
赤旗・トレースともに健在だが、今後の降雪でいつ完全に埋もれてもおかしくない。
降雪後の雨や冷え込みの繰り返しにより、上部の雪は固くなっており、アイゼン・ピッケルは必須。時間帯によってはストックでは非常に危ない。
【槍の穂先】
穂先全体に雪が付いており、アイゼン・ピッケルは必須。
岩と雪のミックス帯となる為、確かなアイゼンワークが求められる。
この時期はウェアを含め、厳冬期に対応した雪山装備が必要となるであろう。
山行記録
2日目:槍ヶ岳山荘~槍ヶ岳~槍ヶ岳山荘~飛騨沢~槍平小屋~白出沢~新穂高
2日目、テント場にて。風は昨日よりは落ち着いているが、ガスがかかっていた。
朝食を済ませ、テントを撤収する。
時折ガスが抜け、視界が開ける。
槍の穂先への登頂の可否は穂先の雪の状態と、天候を見て判断することにし、一旦山荘前まで向かう。
山荘の前につくと、これまでかかっていたガスが取れ、穂先が姿を現した。
一瞬の晴れ間に期待し、登ることに決める。
テントの入ったザックなどは山荘前にデポし、穂先へと取り付く。
穂先へは雪がしっかり付いているので、アイゼン・ピッケルは必須。
トレースはありますが、岩+雪+一部凍結のミックス帯となる為、確かなアイゼンワークが求められます。
最後の梯子を登りきって、登頂。
山荘。
殺生ヒュッテとヒュッテ大槍。
またガスが出てきました。
穂先からの下降中に再度視界が開け、美しい穂高の山並みが見渡せた。
視界が開けたのは、これが最後でした。
幸運にも自分達が穂先に取り付いている間だけ、ガスが切れており、山荘に戻ると程なくして濃いガスが湧き始め、あっという間に稜線を覆ってしまった。
飛騨沢上部は濃いガスと強い風、そして時折降雪となり、視界は非常に悪く、トレースと赤旗が無ければ、下山は非常に厳しいものとなっていたと思います。
赤旗を設置して下さっている槍平小屋のスタッフの方々に感謝である。
標高を下げると雪はみぞれ・雨へと変わっいった。
写真は、千丈分岐から最終水場の間で撮影。
槍平小屋まで戻ってきた。ここからまだまだ長い下山が待っている。
滝谷。
2日目の滝谷。本日も増水なく、問題なし。
このあたりも紅葉が綺麗。いいカメラがあればもっと綺麗に撮影できるのだろうが、、、。
チビ谷
白出沢に向けて歩いていると、、、。
日本カモシカ(?)に遭遇。モサモサしており、癒やされた。
その後無事に白出沢へと到着し、長い長い林道を経て帰路に着きます。
感想&まとめ
雪を纏った槍・穂高を眺めたく、槍ヶ岳へと向かった今回の山行。
2日間で出会ったのは合計7組の登山者のみで、静かな登山を楽しむことが出来た。
赤と黄色の紅葉に輝く右俣川、雪を纏った槍穂高の稜線、雪と氷に包まれた槍の穂先、そしてホワイトアウトの飛騨沢下降。秋と冬の両方を感じられる贅沢な山行となり、非常に充実した2日間となった。