雪山登山の必須装備の一つであるハードシェルパンツ。
今回、新しくfinetrackの「エバーブレスアクロパンツ」を購入しましたので、ご紹介とレビューをしていきたいと思います。
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【レビュー】finetrackエバーブレスアクロパンツ
ハードシェルパンツの紹介
今回、ご紹介するパンツはこちら
「エバーブレスアクロパンツ(FAM0722)」
重量 |
540g |
---|---|
素材 |
膝上表:50デニール4WAYストレッチナイロンリップストップ |
原産国 |
日本 |
参考URL:finetrack公式サイト
超ざっくりと特徴を挙げると、、、
特徴
- finetrack独自の防水透湿生地「エバーブレス」が異次元ストレッチを実現し、ハードシェルパンツ特有のツッパリ感やゴワツキ感が大幅に軽減。
- 2023年度のリニューアルにより、随所の使い勝手が向上。
- 日本ブランドなので、日本人の体型に合いやすい
という感じです。
では、早速、細部を見ていきましょう。
今回紹介したパンツはこちら
Amazonはこちら:https://amzn.to/3Un8zYG
サイズ
サイズ展開は以下の通りとなっています。
メンズ
- Sサイズ
股下76.5cm、ウエスト囲82cm、ワタリ幅34cm、裾幅23cm、脇丈106cm - Mサイズ
股下78.5cm、ウエスト86cm、ワタリ幅35cm、裾幅23cm、脇丈109cm - Lサイズ
股下80.5cm、ウエスト90cm、ワタリ幅36.5cm、裾幅24cm、脇丈112cm - XLサイズ
股下82.5cm、ウエスト96cm、ワタリ幅38cm、裾幅25cm、脇丈115cm
参照サイト:finetrakc公式サイト
レディース
- Sサイズ
股下72.5cm、ウエスト81cm、ワタリ幅31cm、裾幅22.5cm、脇丈100cm - Mサイズ
股下74.5cm、ウエスト85cm、ワタリ幅32cm、裾幅22.5cm、脇丈103cm - Lサイズ
股下76.5cm、ウエスト91cm、ワタリ幅33.5cm、裾幅23.5cm、脇丈106cm
参照サイト:finetrakc公式サイト
因みにですが、
身長168cm、体重59キロの男性がSサイズを着るとこんな感じ
妻は身長163cm、体重53キロでMサイズ着用です。
ウェストベルト
ウェストベルトは以前の中央でのベルト締めから、両サイドでの調整式へと変更になっています。
こちらの新しいサイドでの調整式になった事で、パンツのズレや緩みが軽減されており、こちらは非常に使いやすいです。
しかし内部のゴムを引っ張るタイプではなく、生地を寄せてマジックテープで留める形式の為、大幅に寄せると生地の重なりが大きくなり不快感を生む原因になってしまいます。
購入時には極力ウエストサイズが大き過ぎないように注意しましょう。
ポケット
ポケットは合計3か所あります。
左右のサイドポケット
収納サイズは一般的な私服のポケットと同じ大きさです。
近年の大きなスマートフォンも十分入るので、行動中に頻繫に使用する人は収納可能。
※大きく足を上げるシチュエーションなどでは突っ張りを生む事になるので、個人的にはパンツのポケットにはスマートフォンは入れないようにしています。
右足の大腿四頭部
中型のポケットで、一般的な小物であれば何でも入ります。
ポケット内部には小物等の落下紛失防止のフックが付いているは嬉しいポイント。
またファスナーの上れから生地が蓋のように重なるように設計されています。
大腿四頭部は、ラッセル時などは雪に触れる事の多い高さの為、これはユーザーの事を良く分かっているなぁと評価ポイント。
3箇所のポケットの位置はハーネスの装着を想定して設計されているので、干渉等はありません。
アイゼンガード
足元には柔軟かつ軽量なアイゼンガードが標準装備されています。
日本の雪山ではゲイター(スパッツ)との併用が殆どだと思うので、そこまで重要では無さそうに感じてしまいますが、ゲイターを履いていても平気で貫通してくる事もあるので、アイゼンガードはやっぱり必要です。
穴が開けば縫ってリペアシートを貼れば済む事ですが、面倒ですしあるに事はありませんね。
サイドジッパー(ベンチレーション)
両サイドには各側4個のジッパーが付いている為、希望する場所の温度調整が可能。
構造上フルオープンには出来ませんが、これまで6年間雪山登山をやってきてフルオープンが可能である必要性を感じた事はないです。
という事でこれで十分。
実際に使ってみた感想(良かった点)
ストレッチ性
ハードシェルパンツという生地の特性上、ある程度のツッパリ感は仕方ありませんが、このエバーブレスアクロパンツはストレッチ性は群を抜いていると言えます。
屈伸運動や腿上げなんかも、ストレスなく行う事が出来ます。
深い雪のラッセル、稜線上での岩登り、樹林帯での木登り等々、雪山登山では足を大きく上げる動作が意外と多いので、ツッパリ感・ゴワツキ感が"どれだけ少ないか"というのは非常に重要なポイントです。
メーカーの謳い文句として、
「finetrack独自の防水透湿生地「エバーブレス」が異次元ストレッチを実現」
とありますが、これは言葉を体現していると言って良いでしょう。
耐久性について
まずはメーカーの記載を見ていましょう。
今回のリニューアルの一番のポイントは、パンツの設計や生地使いを一から見直したことです。
ユーザーやスタッフに長年使用されてきた製品を分析すると、ヒザ下部分に強度アップの必要性が見えてきました。
そこで新たに、112デニールの十分な生地厚でかつ66ナイロンの高強度なエバーブレス®生地を開発。従来モデルと比べ、突き刺しで139%※1、摩耗で937%※2と飛躍的な強度アップを遂げ、アイゼンなどの接触に対し耐久を高めました。
膝の上下で2タイプの生地を使い合わせることで、トータルの重量を抑えながら、強度と動きやすさをアップすることに成功しました。
※1 突き刺し強度試験(当社試験による)
※2 JIS L1096:2010 A-1法(平面法)による
※3 JIS L1096 B1法
参考サイト:finetrack公式サイトより引用
という風になっています。
実際に履いてみた感じでは、「しっかりと作りこまれている」という印象を受けます。
ハードシェルは夏用のパンツに比べて生地が固い為、足上げ運動の中で何度も屈折と張を繰り返すと「膝の周辺」は摩耗は激しくないrます。その為、膝より下部の強化は非常に重要なポイントと言えます。
森林限界を超える雪山登山や、冬季バリエーションルートなど厳しい環境でも、十分に耐えてくれる事でしょう。
参考として
私は以前の冬用パンツを同じfinetrackの「エバーブレスアルマパンツ(現在は廃番)」をしようしてきました。
その時は、4年目で膝などを中心に「生地の擦れ・摩耗」が目立つようになり、5年目で裏地が見えるような穴が開くようになってきました。
アルマパンツよりもより過酷な環境での使用が想定されているアクロパンツが、更にブラッシュアップされ強化されているという事で十分な期待が出来ます。
残念な点?(敢えていうなら)
実際に使ってみて特に不満点はありませんが、敢えて、敢えて上げるとするならば以下の2点になります。
サイズ展開がS・M・Lしかない
サイズ展開がS・M・L・XLの4種類しかありません。
私は身長・体重・胴回り的にSサイズでドンピシャでしたが、もしも太ってしまってウエストが厳しくなるとMサイズを選ぶ事になりますが、そうなると今度は裾が余り過ぎる事になります。
各サイズにロング・ショートなどの裾の長短の展開があると更に良いのかなと思いました。
とは言え、エバーブレスアクロは雪山最強のハードシェル。
使用するユーザーは本格的な雪山登山に取り組む登山者なので、ウエストの為にワンサイズ上げるというようなユーザーは少ないのだと思います。
「色」が黒しかない
カラー展開が黒一択となります。
同じエバーブレスアクロのジャケットでは、メンズで青・赤・黄、レディースでは緑・赤・黄と、各3色ラインナップされていますが、パンツは黒色しかありません。
ジャケットは明るい色で、パンツはシックな黒という組み合わせをされる方が多いのだとは思いますが、個人的にはパンツも明るい色にしたかったので、今後に期待したい所です。
まとめ
気にいっているポイント
- 日本ブランドで日本人の体格に合っている
※見た目的なカッコ良さでは海外ブランドは素晴らしいですが、小柄なアジア人にはなかなか合わない場合があります。
その点、finetrackは日本ブランド、SMLの3種類からでも十分体格に合ったものを選ぶ事が出来ます。パンツは登山でダイレクトに感覚が伝わる装備なので、サイズ感は非常に重要です。 - 抜群のストレッチ性
※ハードシェルパンツは生地の性質上多少のツッパリ感は仕方ありませんが、エバーブレスアクロパンツはfinetrack独自の生地と裁断により、非常に高いストレッチ性を実現しており、大きな動作もストレスなく行う事ができます。この辺りは試着の時点十分に実感する事が出来ます。
- 耐久性も納得
※実際の使用時に最も摩耗する箇所は耐久性のある生地が採用されており、また旧モデルも使用した経験から長年の使用にも十分に期待出来ます。
- マイナーチェンジを経てより使いやすく、より強固に。
※販売開始から2回のマイナーチェンジがされており、使い勝手がより向上しています。実際に商品を手に取ってみてみると実際の雪山登山を想定して改良されている事が良く分かります。
結論としては、非常に優秀なハードシェルパンツだと思います。
値段も定価が5万円(税抜)と、ハードシェルパンツとしては平均以下の価格設定で、装備代が嵩む雪山登山においては嬉しい価格設定です。
MAMMUT等の海外ブランド特有の先進的なカッコよさは余りありませんが、そこは日本ブランド、機能性で十分に勝負してくれています。
購入して間違いはないウェアであると思います。
今回紹介したパンツはこちら
Amazonはこちら:https://amzn.to/3Un8zYG
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