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登山での高齢者の遭難事故「トレーニングをしろ!」

すみません、ちょっと過激なタイトルとなりました。

最近はSNSの流行もあり、30代や40代といった比較的若い世代の事故も増えてきてはいますが、やはり60代以上で取り分け高齢者による事故が依然として多いと言われています。

今回は高齢者の登山について思う事をお話していと思います。

登山での高齢者の遭難事故「トレーニングをしろ!」

自分も年を取っても山に登りたい

夏の時期になると増えるのが、高齢者の山岳遭難のニュースです。

80代の男性が○○岳で事故

こうなると、必ず現れるのが、猛烈な批判コメント

  • 年齢を考えろ!
  • 身の程をわきまえろ!
  • 家族に迷惑をかけるな!

まぁ、ある程度は一律あると思います。

 

でも、山登りを趣味とする同じ登山者として、

「何歳になっても、山に登りたいよね」

山への渇望には同情するところもあります。

 

山で出会う絶景は特別です。

夏山も冬山も、自分の足で登った先に広がる景色は、下界に居ては絶対に見ることが出来ません。

あの景色を見たら、登山を辞めるなんて考えられません。

 

私自身はまだ30代ですが、生涯ずっと山登りを続けたいと思っています。

 

 

ちゃんとトレーニングで身体造りしてますか?

明神岳主稜〜前穂高岳

既に申し上げまましたが、私の個人的な考えとして、高齢者の登山を頭から否定するつもりはありません。

しかし、それは、
トレーニングをする事が大前提です。

 

高齢者の事故が多い理由として、

圧倒的に肉体の衰えによる所が多いでしょう。

体力や筋力は20代をピークに、徐々に低下し始め、50代~60代から急激に低下すると言われています。

 

登山は特殊なアクティビティで、筋力・心肺機能を長時間維持する必要があり、日常生活で必要とする何倍もの体力が求められます。

30代などの比較的若い年齢層であっても、1ヶ月に1回程度の山登りでは登山の体力を維持するのは困難と言われているので、高齢者が何の対策もせずに山に行けば、事故や怪我をするのは当然かもしれません。

高齢者だからといって、年齢を理由にトレーニングをしない理由にはなりません。

 

では、

トレーニングは何をしたら良いのか

月に累計標高差2,000mの登山をすれば効果があるとも言われてます。

1週間平均でいうと500mですので、毎週末に里山を登ると考えれば、そこそこ現時点です。山の体力・筋力は登山で身につけるが一番なので、これが出来る人はこれが良いと思います。

しかし、習慣化するには継続する意志力と時間的な余裕も必要になるでしょう。

これが難しい場合は、自宅でのトレーニングが必須となります。

 

 

筋トレ

基礎的な筋肉は、事故防止は勿論、披露による行動不能等を防ぐうえでも、欠かすことは出来ません。

≪下半身≫
普通のスクワットで足腰を鍛えるのも勿論良いのですが、
「ダンベルランジ」や「ランジウォーク」「サイドランジ(サイドtoサイドスクワット)」など負荷が高く体幹やバランス感覚も同時に鍛えられる種目がおすすめです。

≪上半身≫
「スーパーマン」や「バードドッグ」など、一見すると地味な自重トレーニングでもしっかりやり込めば、十分な筋力アップと体幹強化が期待できます。

※高齢者の筋トレは危険と言われそうですが、登山の身体負荷は比べものになりませんので、事故を起こさない為にもトレーニングは必須です。

 

とにかく筋力は何よりも継続が大事。

怪我なく、飽きて辞めることなく、続けていくことが大切です。

 

≪神経系≫
基礎的な身体的な筋力トレーニングも大事ですが、山で滑落事故を起こさない為には、神経系のトレーニングも欠かせません。

・躓いた時にとっさに足が前に出るか
・体制を崩した際に直ぐに体制を立て直して転倒を回避できるか

この辺りは、スクワット等の一般的な筋トレだけでは補うことは出来ません。

軽い腿上げ運動や、反復横跳びなど、身体を素早く動かすことに慣れさせておくことが大切です。

 

自宅や平地でのトレーニングもある程度は効果はありますが、やはり、山などの不整地での歩行や登り下りが一番実践的で効果的でしょう。

慣れ親しんだ里山や低山に足繫く通い、身体全体のバランス感覚を養うのと同時に、心肺機能の維持や向上を図りましょう。

 

 

心肺機能の維持と強化

登山を安全にこなす為には、心肺機能の強化も欠かせません。

日々のウォーキングに工夫を凝らして負荷を上げて行うと良いと思います。

  • ザックに少し重りを入れて歩く
  • 歩くルートに坂道や階段を入れる
  • 一部分だけ小走りやスキップする

など、普通に歩くだけではなく、少しの負荷を色々な種類で盛り込む事で、怪我のリスクを最小減に留めながら強度を上げる事が出来ます。

 

 

普段の食事も大切

バランス良く、しっかりと食べること。

食べないと身体を衰えていきます。

食事の大切さは分かっているつもりでも、適切な食事を取ることは簡単ではなりません。

また、一番不足しがちなのがタンパク質。最低でも自分の体重×1gのタンパク質は必要で、出来れば1.5倍は取りたいところです。

1日の摂取イメージ

【朝食】合計:21g
白米茶碗1杯(9g)
目玉焼き(6g)
納豆(6g)
【昼食】合計:29g
白米茶碗1杯(9g)
豚肉ソテー1枚(20g)
【夕食】合計:29g
白米茶碗1杯(9g)
魚一切れ(20g)
1日合計:79g

勿論、タンパク質以外にも必要な栄養素は沢山あります。

色々な食材をまんべんなく食べて栄養素が偏らないように気を付けましょう。

 

自分の身の程をわきまえる

明神岳主稜〜前穂高岳

長く登山を続けていれば、

経験値は上がりますが、身体は衰えていきます。

これはトレーニングに勤しんでいる場合でも同じです。

※若い世代は、衰えている身体能力を経験値でカバーしているので、衰えに気が付きにくいだけで、緩やかではありますが誰もが身体能力は下がっていっています。

衰えるのは、筋力や心肺機能だけではありません。
視力聴力耐寒能力認知能力など様々な能力が低下していきます。

登山は五感の全てを駆使して楽しみアクティビティですので、感覚の衰えは軽視していい問題ではありません。

 

そして同時に気を付けなければならないのは、

経験は時に、目を曇らせる

ということです。

  • 自分は凄いと勘違いする
  • 登山の新しい常識を容認できない
  • 若者に見栄を張る
  • アドバイスが聞けない

これらは自分自身を危険に晒すことにもなりかねません。

・自分は何十年も山登りをやっているんだ。
・自分は若い時は○○岳に登ったんだ。
といった過去の栄光にしがみつく気持ちは、私にも想像はつきます。

時が経てば、自分の身体は衰え、時代は進化し、それでも山の脅威は変わりません。

どれだけ山を続けていても、初心を忘れないことが大切です。

 

まとめ

登山は生涯スポーツ。

中高年になっても登山を続ければ良いと思いますし、そこそこの高齢者になっても登山を続ければ良いと思います。

但し、しっかりとした備えをすることが大事だと思います。

 

年を重ねても初心を忘れることなく、山に謙虚に自分に厳しく、取り組んでいきたいものです。

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