先週末は堂満岳の中央稜でアイゼントレーニング&ロープワークの練習に行ってきました。
堂満岳 中央稜は、比良山系の冬季バリエーションルートで、1000m級の低山でありながら、アルパインの練習が出来る素晴らしいルートです
【山行記録】比良山系 堂満岳 中央稜 / 2022年03月02日
ルート
▼日程 20223年1月9日
イン谷口〜堂満岳中央稜〜堂満岳~金糞峠~イン谷口
アクセス
「暮雪山多目的保安林駐車場」に駐車
1月9日時点で駐車場に積雪はありませんでした。
冬季は降雪量に関わらずノーマルタイヤでの進入は不可となります。ノーマルタイヤの場合、状況によってはスタック等により脱出すら困難となる可能性もありますので、必ず冬用タイヤで侵入するようにしましょう。
また、冬用タイヤを着用していても、降雪量によっては車高の低い車の場合は、上がれない場合があるので、イン谷口付近に駐車する事が望ましいでしょう。
天気
晴れ
登山道の積雪状況・危険個所
イン谷口〜駐車場:積雪なし
駐車場〜大山口:積雪のあり・なしが交互にある。
大山口〜堂満ルンゼ取付堤防:雪道
堂満ルンゼ取付堤防〜中央稜取付:雪道
中央稜:全体的に雪道となるが、1ピッチ目の岩場及び4ピッチ目のルンゼは岩が完全に露出しており、岩の状態は良くない。
特にルンゼは大きな岩が揺れるなど、思わしくない状態となっており、落石を誘発しやすいので、十分に注意する必要がある。
堂満岳~金糞峠~青ガレ:雪道(雪山登山が出来る程度の雪はあるが、例年よりは少ないといった印象)
山行記録
イン谷口〜堂満岳 中央稜〜イン谷口
混雑を避ける為に、夜明け前から行動開始
※結果的には誰も来ませんでした。
大山口に雪はありませんが、
ほどなくして雪が出始めます。早朝でツルツル滑るので早めにアイゼンを装着しました。
堂満岳 中央稜・ルンゼへの取り付きの堤防に到着。
堤防の乗越は右側からの方が超えやすいです。
中央稜を目指して登っていきます。
途中でこんな所を超えたり、
こんな感じの所を超えたりで、既にそこそこの練習になります。
一応ルンゼ帯を登っていくので、落石や雪崩には注意しましょう。
大山口から40分ほどで、中央稜の取り付きに到着しました。
さて、登りますか。
クライミングシューズであれば、なんてことのないレベルの岩場ですが、冬靴を履いて攀じるとなると結構恐怖感があります。
数年前の豪雨で岩が脆くなって崩壊したことで、難易度が上がったと言われています。
このルートの核心部と言っても過言ではないでしょう。
(写真よりも実際の方が難しいパターンの場所です。)
足場が安定しなさすぎるので、耐えきれずにグローブを外して素手で登りました。
気温が高めの日で良かったです。
岩場を過ぎれば快適な雪稜が待っています。
2ピッチ目スタート
2ピッチ目の早々現れるリッジ。
ここを下る所が少し大きな段になっていて、人によってはちょっとだけ怖いかもしれません。
写真では分かりにくいですが、そこそこの段差があります。
先程の段差の所を振り返るとこんな感じ。
(写真で見るほど急斜面ではありません。)
今回は練習が目的なので、時間をかけてアンカーの設置場所やロープの流れなど、色々と考えながら進んでいきます。
3ピッチ目はルンゼの手間で切るので難しい場所はありません、、、
のはずでしたが、
ルンゼの手前には雪がほとんどついておらず岩肌が露出していたので、雪のある斜面に逸れたのですが、
これが間違いでした。
露出した岩肌よりも遥かに登りにくかったです。
「ルーファイ一つで難易度が大きく変わる。」
これもアルパインの醍醐味ということで享受しておきました(汗)
ルンゼの手前で小休憩。
さて、ルンゼを登りますか。
ここは雪が付いていれば簡単らしいのですが、今回2回目ですが今回も雪はついていません。
途中、巨大な岩が大きく動いたのでヒヤッとしました。
あれが落ちてきたら、大事故です。
同じルートを通行される方は十分に注意して下さい。
ルンゼを振り返る。
(ここに関しては、写真よりも実際の方が怖いです。)
ルンゼ以降は大きな難所もありませんが、練習を兼ねてロープを伸ばしたままで進みます。
ルンゼと合流できる場所がありましたが、敢えて尾根上をそのまま進みます。
岩肌が大きく露出している場所が出てきますが、クラックを上手く使えば問題なく登る事が出来ます。
初心者が同行している場合は、確保するほうが良いでしょう。
先程の岩肌を過ぎれば残りは雪の上を歩くだけです。
歩き疲れた頃、堂満岳の山頂に到着しました。
ここはいつ来ても多くの登山者で賑わっています。
ということで、少し通り過ぎた所でザックを下ろして休憩。
琵琶湖バレイが綺麗に見えていました。
下山は一般道からイン谷口へ。
金糞峠~青ガレ間は夏よりも冬の方が歩きやすいです。
青ガレの雪はこんな感じで少ないです。
まとめ&感想
昨シーズンから通い始めた「堂満岳 中央稜」は、1,000m級の低山でありながら、岩場やリッジが適度に現れる好ルートで、
それだけに休日は山岳会の練習の場として混雑することも多いのですが、今回は自分達だけの貸し切りで気兼ねなく練習に打ち込む事が出来ました。
寒波が来て、近畿の低山にももう少し雪が増えてくれることを切に願います。
今回使用したピッケルとロープ