10月になれば、山は夏から冬へと変わります。
標高の高い所では雪が降り、少しずつ白銀の世界へと移り変わっていきます。
この記事では、個人的に初冬の北アルプスのおすすめポイントを3つご紹介します。
注意ポイント
10月中旬や下旬以降の北アルプスでは、雪山装備及び雪山登山の経験が必要となります。
目次
初冬のアルプスがおすすめな理由
混雑皆無で、駐車場も空いている。
まずは駐車場問題。夏山シーズンでは結構切実な問題だと思います。
残雪が消える7月中旬頃から本格的な夏山シーズンとなり、紅葉の見頃となる9月下旬から10月上旬も結構混み合いますね。夏のハイシーズンは、平日でも大混雑で、週末や連休は満車で停められないという事も多々あります。
駐車場に停める為に、仕事終わりにノンストップで数百キロ走るのが結構辛い....。
苦労して辿り着いた挙句に満車の看板を見た時の絶望感....。
それが、雪が降り始める10月中旬以降はパタッと人の気配が少なくなって、駐車場も余裕で停められるようになります。
これが厳冬期になると再度駐車場が混雑する時があるんですよね。
登山者の数自体は夏に比べて圧倒的に少なくはなりますが、冬シーズンは積雪で使用できる駐車場に限りがあります。そこに本格的な雪山登山を求めて登山者が再集結するので、人気の山では駐車場が満車になることも結構多いです。
というわけで、駐車場的には10月中旬~クリスマス頃までは空いていると思います。
空いているのは駐車場だけではなく、当然ですが山の中も人が少ないです。
登山者の数は夏シーズンとは比べものになりません。
人混みが苦手な人も、名峰に登るチャンスです。
注意ポイント
11月頃から下界でもスタッドレスタイヤの着用が必要になってくるので、しっかりとした備えが必要です。
下は秋、山頂は雪景色
10月下旬~11月頃の初冬の北アルプスでは、山頂や稜線などの標高の高い場所は雪が降り積もっていますが、中腹以下にはまだ雪がありません。
その為、基本的には夏道を歩くことができますし、標高が高いところの積雪に関しても、深いラッセルになることは決して多くないので、所用時間の目安が立てやすくなります。
厳冬期になれば、凄まじい積雪に阻まれて敗退ということも珍しくないので、山頂からの雪景色を拝むには実はおすすめの季節でもあります。
あと、この頃は登山口付近が紅葉の見頃になっている事も多いので、両方楽しむことが出来ます。
ココがおすすめ
初冬も激しい吹雪になることもありますが、厳冬期のように何日も降り続くということはあまりありません。また、雪崩や雪庇への警戒もそこまで高くありません。
※決して可能性がゼロという訳ではありません。
哀愁漂う晩秋のアルプスが好き
雪の便りが届く10月中旬頃には、木々の葉は落ちて、冷たい空気がピンと張りつめて、気温も一桁から氷点下へと下がります。
夏の賑わいを見せていたアルプスの山々から登山者の姿は減り、少しずつ静寂漂う閉ざされた世界へと移り変わっていきます。
「この雰囲気が好きです。」
完全に雪に閉ざされた1~2月の山も好きですが、厳冬期はその圧倒的な威圧感を前にすると、感傷に浸っている余裕がありません。
決して初冬の山を舐めている訳ではありませんが、まだほんの少し余裕のあるこの季節だからこそ、静かな山で少しの間歩みを止めて想いに耽ることが出来ます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
しかし、冒頭でも言いましたが、
10月下旬以降のアルプスは、登山口は秋ですが、標高を上げればそこは完全な雪山です。
- ピッケル・アイゼン・防寒着といった雪山装備は勿論のこと、相応の技術が求められます。
- そして、この頃の雪は厳冬期よりも厄介な事が多く、滑落事故などが多い季節でもあるので、十分に注意が必要です。
- 既に営業を終了している山小屋が多いので、注意が必要です。
登山者の数が圧倒的に少なくなるには、それ相応の理由があるということを忘れてはいけません。
しっかりとした備えで、秋と冬の混雑するアルプスの山々を楽しんでみてはいかがでしょうか。