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【解説】槍ヶ岳 飛騨沢ルートは混在回避におすすめ「難易度や注意点について」

槍ヶ岳へと至るメインルートの一つである「飛騨沢ルート」をご紹介したいと思います。

 

【解説】槍ヶ岳 飛騨沢ルートは混在回避におすすめ「難易度や注意点について」

槍ヶ岳飛騨ルートとは

夏の槍ヶ岳へと至るルートとしては、主に以下の6つのルートが存在します。

  1. 槍沢ルート(上高地~槍ヶ岳)
  2. 飛騨沢ルート(新穂高~槍ヶ岳)
  3. 裏銀座(高瀬ダム~槍ヶ岳)
  4. 表銀座(中房温泉~槍ヶ岳)
  5. 穂高縦走(西穂or奥穂~槍ヶ岳)
  6. 北鎌尾根(バリエーションルート)

その中でも、岐阜県側の新穂高温泉を起点とする飛騨ルートは槍ヶ岳へ最短で登ることができ、メジャーな長野県の上高地からのルートに比べて人の混在も少なく、静かな山歩きを楽しみたい人にはおすすめです。

また、大きな危険個所もなく難易度も決して高くない為、初心者や子供連れの親子登山などでも、楽しまれているルートです。

 

コースタイム

槍ヶ岳・飛騨沢ルートのコースタイムは以下の通りとなります。

鍋平駐車場(標高1,189m)
↑ 50分
↓ 45分
新穂高温泉(標高1,090m)
↑ 1時間40分
↓ 2時間00分
白出沢出合(標高1,542m)
↑ 1時間
↓ 1時間30分
滝谷出合 (標高1,800m)
↑ 30分
↓ 1時間20分
槍平小屋 (標高1,990m)
↑ 1時間10分
↓ 2時間10分
千丈分岐(標高2,550m)

  1. 飛騨乗越経由
    千丈分岐(標高2,550m)
    ↑ 1時間15分
    ↓ 2時間20分
    飛騨乗越 (標高3,010m)
    ↑ 15分
    ↓ 20分
    槍ヶ岳山荘(標高3,078m)

  2. 千丈沢乗越経由

    千丈分岐(標高2,550m)
    ↑ 20分
    ↓ 40分
    千丈乗越 (標高2,716m)
    ↑ 50分
    ↓ 1時間30分
    槍ヶ岳山荘(標高3,078m)

槍ヶ岳山荘(標高3,078m)
↑ 20分
↓ 30分
槍ヶ岳山頂(標高3,179m)

 

≪累計 所用時間≫

≪登り≫
千丈乗越経由:9時間14分
飛騨乗越経由:9時間52分

≪下り≫
千丈乗越経由:5時間58分
飛騨乗越経由:6時間18分

 

一般的な体力があれば1泊2日で問題ないと思いますが、行程に余裕を持たせたい場合は2泊3日でも良いでしょう。

1泊2日の場合

【1日目】
新穂高温泉:05時00分
白出沢出合:07時00分
滝谷出合 :08時30分
槍平小屋 :10時00分
槍ヶ岳山荘:14時30分

【2日目】
槍ヶ岳山荘:05時00分
槍ヶ岳山頂:05時30分
槍ヶ岳山荘:06時00分
槍平小屋 :08時30分
滝谷出合 :09時00分
白出沢出合:10時00分
新穂高温泉:12時00分

1日目に槍ヶ岳山荘まで登ってしまい、翌日の早朝に槍ヶ岳の山頂に登って、そのまま下山するプランがおすすめです。しかし、この場合、上述でも述べた通り、テント泊の場合、テント場が満員の場合は殺生ヒュッテまで降りる必要がある点には注意しておかなければいけません。

また、槍平小屋は中間地点である為、その時点で自身の体力と時間を考えて、その先に進むか最終的に判断するようにしましょう。

槍平小屋で宿泊する場合は、翌日の行程が長くなるので、2日目は日の出前からの行動開始が必要となります。出来れば3~4時、遅くとも5時には槍平小屋を出発しないと日暮までの下山が難しくなります。尚、昨今の熊の問題もあるので、夜間の行動には十分に注意が必要です。

 

2泊3日の場合

【1日目】
新穂高温泉:08時00分
白出沢出合:10時00分
滝谷出合 :11時30分
槍平小屋 :13時00分

【3日目
槍平小屋 :04時00分
槍ヶ岳山荘:08時00分
槍ヶ岳山頂:08時30分
槍ヶ岳山荘:09時00分
槍平小屋 :11時30分

【3日目】
槍平小屋 :06時00分
滝谷出合 :07時00分
白出沢出合:08時00分
新穂高温泉:09時30分

2泊3日の場合、槍平小屋をベースにする事が殆どだと思います。この場合はコースタイムには十分な余裕がありますが、気を付けないといけないのが、天候判断です。3日間ともに晴天に恵まれれば良いのですが、山中にいる時間が長いとそれだけ雨天に捕まる確率も高くなります。

コースタイムには余裕があるとは言いましたが、入山後に天候が悪化し、最終日に沢筋の増水が見込まれる場合は、2日目の内に下山するように計画を変更するよう方が良いかもしれません。臨機応変に対応できるように備えておきましょう。

 

注意ポイント

新穂高温泉から槍ヶ岳の往復コースタイムが15時間である為、日照時間の長い7月~8月であれば、健脚者であれば日帰り山行を行う登山者もいますが、そういう人は大抵コースタイムの8割以下で歩いているので、あまり参考にはしない方が良いと思います。

 

 

アクセス

駐車場

槍ヶ岳飛騨ルートの登山口の新穂高温泉の駐車場は主に、

1.新穂高登山計画センター側
2.鍋平高原側

この2つに分かれており、有料無料を合わせると約770台の駐車が可能となっています。

※参考として上高地方面への駐車場は沢渡駐車場とアカンダナ駐車場を合わせて約2900台の駐車が可能です。

 

駐車場(有料

  • 【P3】新穂高第2駐車場
    料金:1200円/24時間
    予約:先着順
    台数:93台
  • 【P4】深山登山者用駐車場
    料金:2600円/1日
    予約:必須(予約サイトはこちら
    台数:41台
  • 【P7】新穂高ロープウェイ鍋平登山者用 駐車場
    料金:500円/12時間
    予約:必須(予約サイトはこちら
    台数:110台

駐車場(無料

  • 【P5】新穂高第3駐車場
    料金:無料
    予約:先着順
    台数:215台
  • 【P8】鍋平登山者用駐車場
    料金:無料
    予約:先着順
    台数:150台
  • 【P10】鍋平登山者臨時駐車場
    料金:無料
    予約:先着順
    台数:不明
  • 【P9】鍋平園地駐車場
    料金:無料
    予約:先着順
    台数:122台
  • 【P11】北アルプス展望園地駐車場
    料金:無料
    予約:先着順
    台数:40台

 

コンビニ

新穂高温泉の最寄りのコンビニは

1.セブン-イレブン 高山丹生川町店(MAP
2.ローソン 高山丹生川町(MAP

がありますが、どちらも新穂高温泉から約45km(約1時間)離れているので、買い忘れなどはないように注意しましょう。

 

ガソリンスタンド

新穂高温泉の周辺にもガソリンスタンドは多数ありますが、24時間営業の給油所はありません。深夜や早朝にアクセスする場合は市街地で予め給油が必要です。

最寄りの24時間営業のガソリンスタンド

  • 高山市街側

    ENEOS EneJet高山バイパス SS 瀬木油店(MAP
    距離:新穂高温泉まで約54km

  • 富山県側

    ENEOS セルフDr.Drive大沢野店/ネクサスエナジー(株)(MAP
    距離:新穂高温泉まで約69km

  • 長野県側

    apollostation セルフ新村SS / (有)犬飼燃料店(MAP
    距離:新穂高温泉まで約60km

 

温泉

新穂高登山センター周辺の有名な温泉を近い順に記載しています。

  • 中崎山荘 奥飛騨の湯(MAP

    距離:登山センターから徒歩1分
    価格:1,000円
    時間:8時30分~19時00分

  • 深山荘(MAP

    距離:登山センターから徒歩10分/車で2分
    価格:500円~700円
    時間:9時00分~21時00分

  • ひがくの湯と登山者食堂(MAP

    距離:登山センターから車で4分
    価格:900円
    時間:9時00分~20時00分
    感想:温泉は勿論、食堂のコスパが良い。

  • 新穂高の湯(MAP

    距離:登山センターから車で5分
    価格:300円(清掃協力金)
    時間:8時00分~18時00分

  • 荒神の湯(MAP

    距離:登山センターから車で9分
    価格:300円(清掃協力金)
    時間:8時00分~22時00分
    感想:夜遅くまでやっていて費用も任意なので、客層は相応の雰囲気がある。

  • ひらゆの森(MAP

    距離:登山センターから車で20分
    価格:700円(清掃協力金)
    時間:10時00分~21時00分

 

飛騨沢ルートのポイントや注意点

夏のハイシーズンは駐車場の確保が困難

槍ヶ岳飛騨ルートの登山口である新穂高温泉は、槍ヶ岳だけはなく、笠ヶ岳・双六岳・西穂高岳などへの玄関口でもある為、夏のハイシーズン中は物凄い数の登山者が訪れる為、全て満車になることも珍しくありまん。

特に週末は新穂高側の駐車場はかなり早いタイミングで満車となる為、最初から鍋平方面の駐車場に停めることを想定した登山計画が必要となります。

※好天の週末や連休は鍋平方面すら満車になることがある為、十分な注意が必要です。

夏山期間中に駐車場の混在を避けたい場合は、一部に残雪残るの7月の頭までか、気温の下がり始める9月の連休以降を狙うと駐車場の混在に悩まされることは無いでしょう。

 

 

大雨の時は下山が困難

槍穂高完全縦走4日目(南岳~大喰岳~槍ヶ岳~槍平~新穂)

槍ヶ岳飛騨ルートでは、多くの沢筋を横断するコースとなります。

  • 白出沢
  • 葡萄谷
  • 名無沢
  • チビ谷
  • 滝谷
  • 南沢

滝谷は普段から水量の多い沢ですが、大雨や台風の際には恐ろしい程の増水となり、到底渡れる状況では無くなります。

また、滝谷以外の沢は普段は涸れ沢ですが、これらの涸れ沢も大雨時には通行が不可能となるほどに増水する事もある為、天候判断には十分に注意しなければいけません。

 

滝谷の増水に関しては槍平小屋から情報が配信されていますので、チェックしておきましょう。

 

≪増水した時は?≫

増水時の対応としては、雨が止む方向へと向かう場合は暫く様子を見るという選択肢もありますが、天候の回復が見込めない場合は、他の選択肢を考えなければいけません。

入山時であれば、素直に引き返せば良いですが、問題は既に入山している場合です。

≪考えられる対応策≫

  1. 引き返して槍平小屋で一泊
  2. 飛騨乗越まで登り返して上高地へ下山
  3. 奥丸山へ登り左俣へ下山する

上高地への下山」に関しては、滝谷出合から上高地までコースタイムで約13時間かかる為、判断をする時点で相当な時間が余っていないと当日中の下山完了は不可能です。

奥丸山から左俣への下山」に関しても、大雨時は槍平小屋と中崎尾根の取り付きの間に流れている小川も増水して渡れない可能性があります。また奥丸山~左俣林道間は入山者があまりいないコースであり、そのような場所を大雨の中を通行するというリスクを理解しておかなければいけません。

 

実際に滝谷の増水時に無理な渡渉しようとして死亡する事故は過去に何度も発生しています。

増水するほどの天候悪化は天気予報で事前に察知できる為、無理な計画はやめましょう。

 

 

途中の営業小屋は槍平小屋のみ

槍穂高完全縦走4日目(南岳~大喰岳~槍ヶ岳~槍平~新穂)

長野県側の上高地ルートでは、槍ヶ岳の山頂までに数多くの山小屋があり、本格的な登山道以降で宿泊可能な山小屋としては、槍沢ロッジと殺生ヒュッテの2つがあります。

それに対して、飛騨沢ルートでは、営業小屋は槍平小屋のみとなります。

槍平小屋が新穂高登山口から槍ヶ岳山荘までの丁度半分の距離となっているので、天候や体力を考慮して計画を立てましょう。

注意ポイント

滝谷避難小屋は、2025年8月の豪雨により小屋前の地盤が大きく崩壊した為、小屋の利用は大変危険です。

 

 

テント泊では槍平小屋か槍ヶ岳山荘かどちらが良いか。

槍ヶ岳山荘にテント泊で行く場合、迷うのが宿泊場所を中間地点の槍平小屋にするか、槍ヶ岳直下の槍ヶ岳山荘まで足を延ばすか。

3,000mの稜線でのテント泊は素晴らしいものがありますが、一番の問題となるのが「混在」です。

槍ヶ岳山荘のテント場は合計39張で先着順となり、満員で設営場所がない場合は、殺生ヒュッテまで降りる必要がありますので、注意が必要です。(※下り30分、登り50分)

 

槍平小屋と槍ヶ岳山荘の両方でテントを張った事がありますが、どちらも良いテント場です。

槍平小屋は人も多くはないので、静かで水場もトイレも近く、周りが森で囲まれているので、天気が良ければ星空も綺麗に見る事が出来ます。

槍ヶ岳山荘は何と言っても3,000mの高地で、天気が良ければ絶景を拝むことが出来ます。但し、テント場はテントのサイズにより山荘が指定する為、小屋から離れた場所になる場合もあります。

 

個人的な結論としては、

初めて槍ヶ岳にテント泊で行く場合で、初日に槍ヶ岳山荘まで登る体力がある場合は、満員時に殺生ヒュッテまで降りる可能性も視野に入れてでも、槍ヶ岳山荘まで行くのがおすすめです。やはり稜線上でのテント泊は最高です。

 

給水ポイントは以外とあるので、水はそれほど担がなくても良い

槍ヶ岳・飛騨沢ルート上での給水ポイントは以下の通りです。

  • 滝谷出合
  • 槍平小屋(無料)
  • 最終水場
  • 槍ヶ岳山荘(有料:1リットル/200円)
  • 殺生ヒュッテ(有料:1リットル/200円)

※滝谷出合の水はこれまで何度もそのまま飲んでいますが、特にお腹を壊したりという事はありませんが、心配な人は浄水器の使用をお勧めします。

常時携帯しておくべき水の量としては、荷物が軽い時や涼しい季節であれば1.5~2L、真夏や荷物が多い時でも2~3Lあれば十分だと思います。

 

槍の穂先は混在する場合がある

槍ヶ岳山荘から槍ヶ岳の山頂まではコースタイムで登り30分となっていますが、混在具合で所用時間は大幅に変動します。

私が8月に登った時は凄まじい混在で、登り下りの合計で3時間かかりました。

これだけの渋滞が発生すると、その後の行程に遅れが発生するので、計画には余裕を持ちましょう。

 

 

ルートの解説

新穂高登山口~穂高平小屋~白出沢出合

槍ヶ岳飛騨沢ルートはこの新穂高登山口から始まります。

新穂高登山センターでは、登山届の提出や周辺ルートの情報収集が可能です。

また登山センターのトイレは非常に綺麗で24時間365日使用可能で自動販売機もあるので、非常に有難いですね。

 

 

新穂高ロープウェイの横を通り過ぎると、右股林道の入り口です。

 

右俣林道のコースタイムは約2時間です。

道は非常に綺麗な林道ですが、長くて地味~に傾斜があるので、体感的に中々にキツイです。

人によっては1時間とかで歩ききる猛者もいるようですが、初めての場合は2時間で計画を立てた方が良いと思います。

 

 

途中、工事会社による登山者への休憩所が開放されている場合があります。(※時期により設置の有無や場所は異なります。)

新穂高~穂高平小屋の間にあるので、登りでここを使用する事は少ないと思いますが、計らいが有難いですね。

 

林道の途中に穂高平小屋へのショートカット道がありますが、個人的にはショートカット道は使わずにそのまま林道を歩いた方が早いように思います。

 

穂高平小屋

夏季の営業は不定期で最近は営業していないようですが、冬季は避難小屋として開放されています。

新穂高から1時間、ここから白出沢出合までも1時間です。

 

穂高平小屋以降、右俣林道の後半戦です。頑張っていきましょう。

 

小さな橋を通り過ぎたら、右俣林道の終点も近いです。

 

 

白出沢出合に到着しました。

 

白出沢を渡って対岸から本格的な登山道が始まります。

尚、この白出沢は基本的には涸れ沢ですが、大雨が降ると増水して濁流と化すこともあるので、注意しましょう。

 

 

白出沢~葡萄谷~チビ谷~滝谷

白出沢出合から滝谷出合まで約1時間半です。

整備がしっかりとされた登山道で非常に歩きやすいです。

 

このルートでは、葡萄谷、チビ谷と沢筋を通過します。

それぞれ対岸には赤テープがあるので、それを頼りに進みましょう。

 

 

尚、途中には比較的新しい無名の沢筋がありますが、これは2023年7月13日の集中豪雨による鉄砲水により一夜にして出来たものです。

こんな物が日中登山者が通行する時間帯に発生したらと考えると恐ろしいです。

 

 

滝谷出合の直前は、落石により従来の登山道が通行不能となっているので、蒲田川の方向に迂回ルートが作られているので、そちらを使用します。

一時的に地図からそれた道を行く事になりますが、赤テープ多数で迷うことはありませんので、問題ありません。

 

槍穂高完全縦走4日目(南岳~大喰岳~槍ヶ岳~槍平~新穂)

迂回ルートから本来の登山道に復帰すれば、程なくして滝谷出合に到着です。

 

滝谷出合~槍平小屋

滝谷出合

 

 

滝谷は大きな沢筋で、赤テープを頼りに進んで対岸へと渡ります。

大雨の増水により頻繫に水路が変わるので、当日の周囲の状況をしっかりと確認して進みましょう。

 

 

夏季シーズン中は橋が掛けられています。

≪注意点≫

  • 大雨で増水すると橋が流される可能性がある
  • 気温が下がる秋口は早朝は凍結する可能性がある

 

 

槍平小屋の営業期間中は、滝谷の沢の水量がライブカメラで配信されているので、チェックしましょう。

 

 

滝谷を渡った槍平小屋側には、僅かに携帯電話の電波が入るポイントがあります。

 

 

滝谷から槍平小屋までは根気坂と呼ばれており、残り1時間地味に長い登りが続きます。

 

南沢を通過。

冷たい沢の水が気持ちが良いです。

濃霧の時はここを誤って登って行ってしまう登山者がいるらしいです。

 

 

槍平小屋

ここが飛騨沢ルートの丁度中間地点です。

小屋泊(予約必須)、テント泊(予約不要)で利用可能です。

 

槍平小屋のテント場は小石などはありますが、全体的にフラットで張りやすいです。

設営可能数は約60張ですが、「満員で張れない」という事は粗無いようです。

 

キンキンに冷えた水が最高に美味しいです。

そのまま飲めるので、思う存分飲んで水分を補給しましょう。

こちらは宿泊者・テント泊者・通行のみも全員無料です。

 

 

槍平小屋からは暫く樹林帯の林の中を歩きながら、徐々に高度を上げていきます。

 

 

標高2250m付近にある「最終水場」

季節により水量に差はありますが、涸れたということはあまり聞いたことがありません。

ここから先、槍ヶ岳山荘まで水場はありません。

 

標高を上げていくと、大きなダケカンバの木「通称:宝の木」が現れます。

冬季はここの側の尾根の末端から大喰岳西尾根へと取り付くことができます。

 

槍穂高完全縦走4日目(南岳~大喰岳~槍ヶ岳~槍平~新穂)

宝の木を過ぎると、飛騨沢カールの全容を見ることができます。

ここから槍ヶ岳山荘までが長いです。

 

槍平小屋から約2時間で「千丈沢乗越分岐」に到着します。

ここから、「飛騨乗越経由」か「千丈沢乗越経由」かでルートが分かれます。

飛騨乗越経由は、飛騨沢を九十九折に登って行きます。

千丈沢乗越経由は、西鎌尾根に登って尾根沿いに槍ヶ岳山荘へと向かいます。展望もよくこちらの方がコースタイムも若干短いです。

 

「千丈沢乗越分岐」には夏季シーズン中で槍平小屋が営業している間のみですが、救急箱が設置されています。

救急箱の利用料金は不要ですが、使用後は補充が必要なので、必ず槍平小屋への連絡をしましょう。

 

今回は「千丈沢乗越経由」で登る為、中崎尾根の方向へと登って行きます。

 

 

槍穂高完全縦走4日目(南岳~大喰岳~槍ヶ岳~槍平~新穂)

約40分の登りで「千丈乗越(西鎌尾根)」に到着です。

「槍ヶ岳」と「双六岳」へと向かう事が出来ます。

ここから槍ヶ岳山荘まで約1時間30分です。特に危険個所はありません。

 

 

「槍ヶ岳山荘」

槍ヶ岳山荘の公式ホームページはこちら

 

 

槍ヶ岳山荘から槍ヶ岳の山頂までは空いていれば、コースタイムで30分ですが、混在すると2時間近く掛かる事もあります。

穂先までのルートは登りと下りで分かれている所と、交差する所があります。夏のシーズン中は登山者が多いので、間違えないように注意しましょう。

 

「槍ヶ岳 山頂(標高3180m)」

狭い山頂ですが、天気が良ければ360度のパノラマを楽しむ事ができます。

シーズン中は写真撮影と下山の順番待ちが発生しています。

 

山荘まで降りてきて、コーラで乾杯。

 

来た道を辿って、新穂高へと下山します。

 

 

まとめ

ココがおすすめ

  • 最短で槍ヶ岳山に行ける
  • 上高地側に比べて人が少ない

ココに注意

  • 夏は駐車場は争奪戦
  • 大雨の際は滝谷が通行不可

 

皆さんの登山計画の参考になれば、幸いです。

では、また別の記事でお会いしましょう。

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